【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】


 前回のこのコーナーで、大女優・十朱幸代が美の秘訣について、インタビュー中は「何もしていないのよ」と言いながら、カメラを止めると「ありとあらゆることをやってるわよ」と明かしてくれたことを書いた。


 郷ひろみについても一時期、高須クリニックの高須克弥院長が「郷クンも毎年、ウチにメンテナンスに来てるよ」と話していたことも伝えた。

芸能人たるもの、“見た目”に努力を続けるのは当たり前だということだ。


 そこで思い出した話がある。その昔、京都の東映撮影所で故・山城新伍さんと故・渡瀬恒彦さんが激しく言い争いをしていたという。よく聞いてみると、それぞれ髪の植毛をしているそうで、自分の使っている植毛メーカーの方が「どれほどいいか」と言い合っていたのだそうだ。


 同じメーク室にいた人たちは黙って笑いをこらえるだけだったとか。まあ、薄くなった部分を“補強”するメンテナンスも必要なことなのだろう。



小倉智昭さんが使っていた「カツラの必殺技」

 僕の師匠のような存在だった故・小倉智昭さんも有名だったが、カツラを使用していた。スタジオでの朝の挨拶で頭を下げたらカツラが落ちるという動画があったが、あれはニセモノ。僕は2年以上、小倉さんと一緒に仕事をして、毎日、顔を合わせていた。ある時、小倉さんにスキャンダル報道があって取材に行ったのだが、その夜、週刊文春の記者から取材の電話が入った。小倉さんのコメントを紹介した上で、「小倉さんは今、六本木のクラブに出入りしていて、そこにお目当ての娘がいるから……」と、スキャンダル自体は否定した。


 で、記者が「ありがとうございました」と告げた後、「ところで小倉さんって、カツラですよね?」と聞いてきた。

僕は狼狽して「えっ、あのー、え~と、わかりません」と返事にならない。すると相手の記者は「よく分かりました」と笑い声だった。


 その週のうちに小倉さんは文春の直撃を受け、それを認めた上で「仲間うちでは皆知ってるよ」と言い捨てたのだが、それが見開きの大きな記事になってしまった。僕は内心、大きな責任を感じたが、言い出すことはできなかった。


 小倉さんが巧みだと思ったのは、同じような製品を4つ所有していて、毎週、髪が少しずつ伸びているように感じさせ、4週経つと散髪に行ったかのように少し短くなった製品を着用。「うまい!」と思ったものだ。


 亡くなった方ばかりの原稿となってしまったが、“時効”もさることながら、山城さんというユニークな俳優、主役を数多く務めた渡瀬さん、そして実力者の小倉さんのことを時々は思い出してほしいという気持ちからだと言っておきたい。


(城下尊之/芸能ジャーナリスト)


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