世界的に美容・健康サービス市場では、物価上昇や消費者の節約志向などを背景に、事業者が安定した経営モデルへの転換を模索する動きが広がっている。日本でも美容サロン市場は大きな規模を維持している一方で、市場縮小の傾向がみられ、個人サロンを中心に経営環境は厳しさを増している。


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 リクルートのホットペッパービューティーアカデミーによると、2026年上期の美容サロン市場は推計2兆5299億円で、前年同期比5.7%減少した。エステ市場は3116億円で同7.3%減、リラクゼーション市場は3423億円で同9.9%減となり、新規顧客の獲得だけでなく、継続的な利用につながる仕組みづくりが経営課題となっている。

 こうした中、エステサロンや治療院、リラクゼーションサロンに特化した経営支援を行う稲川勤社長は、個人サロン向けの講座を展開している。商品設計やカウンセリング、提案方法、集客までを体系的に学べる内容で、講座生は約300人。これまでの個別支援を含めると約500店舗以上に関わり、およそ7年間にわたり小規模サロンの経営を支援してきた。

 稲川社長が現在の支援方法を築くきっかけとなったのは、自身の経営経験だった。整体院では開業後に月商約50万円まで売り上げを伸ばしたものの、その後約3年間は伸び悩んだ。転機となったのは、都度払い中心のサービスから、一定期間をかけて顧客の悩みを改善するコース型の商品へ切り替えたことだった。無料体験を利用した45人に提案した結果、23人が契約し、月商は約250万円まで拡大したという。

 この経験をもとに、稲川社長はマーケティングや営業手法を学び、個人サロン向けの支援内容を体系化した。講座では、ターゲット設定や提案資料、ランディングページ、カウンセリングなどのテンプレートを活用し、実践しながら改善を重ねる仕組みを採用している。精神論ではなく、再現しやすい手法を重視している点が特徴だ。


 今後は、現在の講座よりも利用しやすい教材の提供も予定している。競争が激化する美容・健康サービス市場の中で、自らの経験をもとに経営支援を行う取り組みは、技術力はあるものの経営面に課題を抱える個人サロンから、今後も関心を集めそうだ。
【編集:Y.U】
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