【その他の写真:イメージ】
中国の代表的なEVメーカーであるBYDなどを筆頭とする企業群は、新型車を発表するたびに「予約開始から3時間で10万台を突破した」「わずか3日間で30万台の注文を獲得した」と派手な数字を公表してきた。しかし、この華々しい実績には大きな罠が存在する。中国における自動車の購入予約は、実質的に「キャンセル料が完全無料」という仕組みになっているのだ。
つまり、実際に車を購入する意思がない人間や、見映えを良くしたい関係者がスマートフォンで手軽にボタンを押しているだけに過ぎず、公表される予約数の大半は「水増しされた架空の数字」なのである。実際には予約の大多数がキャンセルされており、今年に入ってから実際に顧客へ納車された車の数は、公表された数字の何分の一にも満たないのが悲しい現実だ。
さらに危険なのは、華やかな表舞台の裏で膨れ上がる巨大な「隠れ借金」の存在である。企業の決算書の上では借金の額が少なく見えていても、部品を供給する取引先に対して「代金は1年後に支払う」という約束の手形を大量に発行している。この支払いが先送りされた手形の借金(手形債務)は、業界全体でなんと約6兆円という天文学的な金額に達している。取引先への支払いを先延ばしにすることで、危うい経営を維持しているのが実体なのだ。
しかも、こうして無理に生産された中国製EVは、品質や安全性の面でも重大な欠陥を抱えている。車体の底部にバッテリーが露出した状態で取り付けられているため、日本の冬道のような積雪や未舗装の道路を走ると、下回りを擦ってバッテリーが破損し、一発で走行不能となる危険性が高い。日本の厳しい車両規制や利用環境には全く適合していないのが現状である。
なぜ、このようなずさんなものづくりと虚構の発表が放置されてきたのか。その根底にあるのは、中国の地方政府が進めてきた無計画な開発政策の失敗である。中国では、需要が全く存在しない地方の都市に、重複するように新しい高速鉄道を通し、巨大な空港を何個も建設してきた。将来の利用客数や市場のニーズを無視し、単に「実績づくり」のためだけに無謀な建設投資を繰り返した結果、あらゆる分野で巨大な過剰生産が発生したのだ。
そして今、そのつけが一気に回ってきている。地方政府の貴重な財源であった「土地の利用権の売却益」は、不動産バブルの破綻によって完全に消滅した。さらに過酷なロックダウンを伴う感染症対策に巨額の費用を投じたことで、地方政府の金庫は完全に底をついたのである。
財政が破綻した地方政府では、公務員の給料が3か月から6か月間も支払われない事態が当たり前となっている。公立の病院や学校も運営資金を失い、次々と機能を停止しているのだ。
国と地方が一体となって作り上げた偽りの繁栄は、いまや完全に崩壊した。行き場を失った無人の高層マンション群、誰も利用しない高速鉄道、そして膨大な手形借金を抱えて行き詰まるEVメーカー。計画性を欠いた強権政治が作り出した「張り子の虎」は、内側から急速に崩れており、自らが招いた借金の山によって身動きが取れなくなっている。
【編集:af】








![[音声DL版]TRY! 日本語能力試験 N3 改訂版](https://m.media-amazon.com/images/I/41mXWATUVjL._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ダリオ・アルジェント PANICO (ビジュアルシート2枚セット付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/41fRCrYhFTL._SL500_.jpg)

![BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち 豪華版 [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Daz1hpRML._SL500_.jpg)