「壮絶ないじめをテーマにしたドラマ『ライフ』では、私はいじめる役を演じることに。見てくださる方々に嫌われなければならないため、勇気も覚悟も必要な作品でした。

当時の私のブログには攻撃的なメッセージもあり、痛みを伴うこともありましたが、一つの役を生き抜くという、俳優として貴重な経験をさせていただきました」

こう振り返るのは福田沙紀さん(35)だ。いじめのシーンが多いものの、撮影現場の空気感は重たいものではなかったという。

「わりと和気あいあいとしていて、みんなでお弁当を食べたりする普通のドラマの撮影現場。いじめられる側の(北乃)きいちゃんとも、撮影が終了してから遊びに行ったり、お互いに誕生日プレゼントを交換したりしていました。ただ、精神的にもキツイ役だったことは事実なので、出番がないときはトイレの個室に入ってゲームをするなど、気分転換はしていました。母からも『あのときは目つきがするどかった』と言われたこともあったくらいです」

普通の生活ではやらないようなシーンも多く、戸惑いもあったのだろう。

「きいちゃんに教科書を投げつけるシーンがあったのですが、ふだん、本を投げることなんてありません。教科書の角に当たらないように、練習したりしました」

ゆびきりげんまんをして、じっさいに針を飲まそうというシーンもあった。

「手をグーにして、指の間にいくつもの本物の針を挟んで、飲ませようとして怖がらせたり。撮影で拳を握る時間が長くなると、手の感覚がおかしくなるんです」

ドラマの終盤、福田さん演じる役はいじめる側からいじめられる側に変わり、トイレで水をかけられるシーンもあった。

「私は虫が苦手だったんですが、いっきに排水口に水が流れ込んだときにゴキブリらしき黒い影が。ただ、あらかじめコンタクトレンズを外していたので、その姿はボヤッとしか見えなくて、逆に助かりました(笑)」

こうした強烈なシーンも、スタッフとの息を合わせて撮影した。

「この間、現場の写真を見返したんです。きいちゃんとはハグしあったり、スタッフさんも含めて撮影したプリクラが出てきて、なつかしくなりました。いじめのシーンに賛否両論があった作品でしたが、みんなで乗り越えたんだなって思います」

『ライフ』(フジテレビ系、2007年)

主人公の椎葉歩(北乃きい)は安西愛海(福田沙紀)から壮絶ないじめを受けるが、数々の事件の黒幕が愛海であることが発覚すると、今度は愛海がいじめられる側に……。高視聴率を獲得したものの、放送局への抗議が殺到した問題作。

【PROFILE】

ふくだ・さき

1990年生まれ、熊本県出身。13歳のとき、第10回全日本国民的美少女コンテストで演技部門賞を受賞。舞台演出に初挑戦する『懺悔と七面鳥』が東京芸術劇場 シアターイーストにて、9月4日から上演。

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