夫やパートナーが明らかに嘘をついていると感じてしまった時は、どうしても疑心暗鬼に陥ってしまいますよね。

今回は、そんな経験をしてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。


夫が“謎の怪我”をして遅~い帰宅。「浮気だ!」と思った妻が…...の画像はこちら >>

包帯を巻いて帰宅した夫

河内志乃さん(仮名・29歳/主婦)は、1歳の娘・紬ちゃん(仮名)と夫の尚之さん(仮名・33歳/メーカー勤務)の3人家族です。

「その日は尚之の帰りが妙に遅くて、どうしたんだろう?と心配になりました。いつもそういう時は連絡をくれる人なので」

そしていつもより2時間ほど遅く帰宅した尚之さんの服は汚れていて、右手には包帯を巻いていたそう。

「尚之に『実は夕方に自転車で帰宅している最中にゲリラ豪雨にあってさ。傘もないし急いでそのまま帰ろうとスピードを上げたら、マンホールで滑って転んで怪我しちゃった。右手の親指のつけ根の骨にひびが入ってるって』と報告されてびっくりしてしまいました」

志乃さんは、自転車通勤をしている尚之さんにいつも「雨が降ってきたらどこかに自転車を置いて帰ってくるって約束してね。無理すると危ないから」と注意喚起していて、尚之さんもその約束を守っていました。

「つい『なんで約束をやぶったの?いつも通りに自転車を置いて、コンビニかどこかで傘を買って帰ってきたらこんなことにならなかったのに!自業自得だからね』と怒ってしまいました。尚之は悲しそうな顔をして、ただ謝り続けていましたね」

エコバッグの中身は……

そして怒りながらも尚之さんの汚れてしまったバッグをタオルで拭き、その隣に置いてあったエコバッグにも手を伸ばすと……。

「尚之が『それは自分でやるからいいよ!』とエコバッグを掴むと自室に戻り、右手にビニール袋を巻いてシャワーを浴びにいってしまったんですよ」

志乃さんには、その行動がとても不自然に思えました。「もしかしたら尚之は不倫していて、一刻も早くその女に会いたくてたまらずゲリラ豪雨の中自転車を走らせたのかもしれない。そしてその証拠があのエコバッグに入っているのでは?」とモヤモヤしたそう。

「『絶対に許せない!必ず証拠をつきつけてけちょんけちょんにしてやる』と意気込み、尚之の部屋の扉を蹴って入ると、エコバッグから濡れた紙袋が出てきたんです」

すると中には水分を含んで潰れてしまったシナモンロールが入っていました。

「それは私が大好きなお店のシナモンロールで、いつも売り切れでなかなか買うことができないものなんですよ。
その瞬間、きっと尚之はせっかく買えたシナモンロールを濡らしたくなくて、急いで帰ろうとして転倒してしまったに違いないと思ったんです。『尚之ごめん!』と申し訳ない気持ちでいっぱいでした」

夫の優しさを再確認

そしてシャワーから上がった尚之さんに「勝手にごめんね、これ見ちゃったんだけど」とシナモンロールをそっと差し出してみると、気まずそうな表情で、「こっちこそ嘘が下手でごめん。本当のことを話したら、志乃ちゃんは優しいから『私のせいで怪我をした』って自分を責めてしまうと思ったから。あと約束を破ってつい雨の中自転車に乗り続けてしまったことには違いないし」とさらに謝ってくれたそう。

夫が“謎の怪我”をして遅~い帰宅。「浮気だ!」と思った妻が…猛反省したワケ
怪我
「約束を破るのはよくないことですが、滅多に手に入らない私の好物を美味しいまま届けようとしてくれた尚之の優しさが、とても嬉しかったんですよね。そしてつい変な被害妄想にとりつかれてしまい、尚之の不倫を疑うなんて私って本当にバカだなと反省したんです」

ですが、やはりどんな理由があっても雨の日に自転車に乗るのは危ないので、今後はそれまで以上に強い気持ちで約束を守るようにと話し合いました。

「そして尚之が右手を怪我して行動が制限されてしまったことで、いかに普段から育児や家事を手伝ってくれていたかがよく分かり、とても感謝することができたんですよね」

深まった夫婦仲

それから志乃さんも「お風呂の時に身体を洗ってあげようか?」などと尚之さんを手助けできることに喜びを感じるようになったそう。

「怪我をして痛い思いをした尚之には悪いんですが、今回のことでさらに夫婦仲が深まったような気がして。でももし大怪我だったらこんな呑気なこと思えなかったので、軽症で本当に良かったなと思います」と微笑む志乃さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。
Twitter:@skippop
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