現状に満足してもしていなくても、昔を懐かしく思うこともあるのではないでしょうか。けれど、良くも悪くも昔とまったく同じようにはいかないもの。
自分以外の人がかかわっているなら尚更だということは肝に銘じておくべきかもしれません。

夫婦のドキドキを取り戻したい

 忙しく働く夫を支えながらパートと育児に勤しんでいた生島礼香さん(仮名・20代後半※当時)は、いまの夫と5年の交際を経て結婚し、それから5年。夫との関係が記念すべき10周年を迎え、これを機にお互いの愛を確かめたいと思っていました。

「離婚したいんだよね…」夫にドッキリを仕掛けた妻。ニヤニヤし...の画像はこちら >>
「いつもやさしくて私を気遣ってくれる彼に、夫としての不満はなかったのですが、結婚してすぐに子どもができたこともあって寝室は別々。夜の営みもしばらくなかったので、昔みたいにラブラブしたいし、いっぱい甘えたいと思ったんです」

 そこで礼香さんはエイプリルフールを利用し、2人でもう一度ドキドキを味わいたいと考えます。この日を選んだ理由は10年前のエイプリルフール、まだ高校生だった夫から「ほかに好きな人ができた」とウソをつかれてショックを受けたことがあり、その仕返しも兼ねたいと考えたからでした。

「ちょっとした復讐心と悪戯心でした。ワクワクしながらその日が来るのを待ち、あとで乾杯しようと少し高めのワインやお取り寄せしたおつまみも用意して隠しておいたんです。どんなふうに切り出すか、そして夫がどんな反応をするのか、楽しみでたまりませんでした」

夫の口からまさかの言葉が

 ついにやってきたエイプリルフール。その日は夫が休みだったこともあり、「実は私たちの関係を見直したいと思っているんだよね……」と深刻な面持ちで切り出した礼香さん。「ほ……本当か?」驚いた顔で聞き返され、必死で笑いを堪えて頷いたのですが……。

「離婚したいんだよね…」夫にドッキリを仕掛けた妻。ニヤニヤした直後、“笑えない展開”に大後悔
ショック 落ち込む男性
「次の瞬間、しっかりと両手を包み込まれるように握られていました。当然、引き留めてくれると思っていましたから、どんな愛の言葉を囁いてくれるのかと期待していたんです。でも夫の口から出た言葉が『た……助かった……』だったんですよね……」

 思わず耳を疑った礼香さんでしたが、すぐに「こいつも仕掛けてきたか。
ノリいいじゃん」などと心の底で小さく拍手。このあとどのような展開になっていくのかワクワクしながら「そっちも同じこと思ってたんだ。奇遇だし、いいタイミングだったね?」と続けます。

「夫が『本当に、いつ切り出そうかとずっと考えていたんだ』なんて言ったときには、いつからこんな役者みたいな演技ができるようになったのかと驚きました。さらに『もしかして、礼香にもいい人ができたのか?』と言ってきたので、そろそろいいかな、と思ったんです」

夫にネタばらしをしたら……

 いよいよエイプリルフールだとネタばらしをしようとしたとき、夫がスマホを取り出して「彼女からも、30歳になるまでには妊娠したいって詰め寄られて悩んでたんだ」と言いながら突然、LINEのやり取りを見せてきたと言います。

「なにを思ってLINEのメッセージまで見せてきたのか、本当に謎。10年前のエイプリルフールには『ほかに好きな人ができた』とショックなウソをつかれていたので、最初はこの日のために準備したフェイクメッセージかと思ったほどです」

「離婚したいんだよね…」夫にドッキリを仕掛けた妻。ニヤニヤした直後、“笑えない展開”に大後悔
SNSメッセージのやり取り
 けれど夫の不倫話は信憑性を増していき、本当に別れを切り出すタイミングをうかがっていたことが判明。さらには「エイプリルフールだから驚かせるつもりだったのに!」と怒った礼香さんに夫がブチ切れ、そのまま離婚話へと進んでしまいます。

数年経った今も、夫のことが許せない

「財産分与と、夫の不倫が理由なので慰謝料ももらいましたが、2人で家計を支えていたころとは、金銭的な余裕がまったく違います。生活には不満もなかったので、こんなことならせめて離婚を切り出されるまで、何も知らずに過ごしていたほうがよかったと後悔しています」

「離婚したいんだよね…」夫にドッキリを仕掛けた妻。ニヤニヤした直後、“笑えない展開”に大後悔
後悔して悲しむ女性
 数年経った今も夫のことが許せないという礼香さんは、「皆さんもウソをつくときにはご注意を」と話してくれました。エイプリルフールにウソやドッキリを仕掛けるときは、最悪の場合を想定してもほっこりできる内容が良いかもしれません。

―シリーズ「男と女の『ゆるせない話』」―

<取材・文/山内良子>

【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。
おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。
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