近年は、旅館やホテルに加え、民泊やゲストハウスといった多様な宿泊形態が選択できるようになっています。

 今回話を聞いたのは、「ママ業をお休みして、ゆっくりしたい」と一人でゲストハウスに泊まった女性。
でも、旅先での出来事に、かえって心がズタボロになってしまったといいます。

 いったい、どんな出来事があったのでしょうか。

39歳母が「ママ業」を休んで念願の一人旅へ→宿の年配女性に言...の画像はこちら >>

念願の1人旅を計画

 千葉県在住の山下心美さん(仮名・39歳)は、夫と2人の息子の4人暮らし。中学生の息子たちが夏休みを終え、長年やってみたかった1人旅に出ることになったそう。

「私が1人で旅に出たいということは、夫にも数年前から言っていたんです。なので、家族はすんなり了承してくれました。ついに、この時がきたんだという感じでしたね」

 心美さんは神奈川県の湘南地区で、1週間の1人旅を計画。自分一人だし、なるべく費用を抑えようと、ゲストハウスを選んだと言います。

「実は、ゲストハウスを予約するのは初めてでした。でも若い頃、バックパッカーに憧れていたこともあって。旅先で、どんな出会いがあるんだろうとワクワクしながら予約しましたね」

大好きな海の見えるゲストハウスへ

 湘南に着くと、心地よい海風に心が踊ります。

39歳母が「ママ業」を休んで念願の一人旅へ→宿の年配女性に言われた“ある一言”で心がズタボロに
「私、海が好きなんです。実は結婚前に、趣味でボディーボードをしていました。海に入ることはもうないですけど、旅に出るなら海の近くと決めていました。
朝日や夕日を、ゆっくり眺められたらいいなと思って。なので、海に近いゲストハウスを選びました」

 心美さんは、鎌倉や江の島を散策しながら、これから始まる1週間の一人旅に胸を弾ませます。

「ゲストハウスに到着するまでは、私も気持ちがたかぶっていましたね。なんせ、久しぶりの休暇だったので」

ゲストハウスに到着!受付には無愛想な女性が

 のんびり、ゆっくりと湘南散策をしていた心美さん。午後になり、少し日が陰ってきた頃に宿へ向かったんだそう。

「冬は日が落ちるのが早いですね。17時頃には、もう暗くなり始めていたので、慌ててチェックインに向かいました」

 心美さんは地図を見ながら歩き、予約しているゲストハウスを見つけます。

「白い壁に、なんとなく無機質さを感じる建物でした。入り口はガラス張りで、扉の上半分に白いレースのカーテンがついていました」

 受付は、無愛想な60代後半くらいの女性。

「最初に見たとき、なんか暗い感じの悪い人だなと思っていました。ホームページで見たときの印象と全然違って、不安感しかありませんでしたね」

食後にシャワールームへ

 心美さんは、テイクアウトした夕飯を食べた後、シャワールームへと向かいます。

39歳母が「ママ業」を休んで念願の一人旅へ→宿の年配女性に言われた“ある一言”で心がズタボロに
シャワールーム
「翌日も早朝から散策に行きたくて、早めに寝ようと思いました。シャワールームは共同でしたが、汗を流せれば十分かなと思っていたんです」

 しかし、そのシャワールームでとんでもないことが起こったんだとか。

「予算を抑えるために、ゲストハウスを選んだんですけどね。
あんなひどい管理人がいるなんて思いもしませんでした」

「シャワーは1人3分まで」の張り紙が

 日中の散策でじんわり汗をかいた心美さん。熱めのシャワーを浴びようと、シャワールームに向かいます。

 そんな心美さんがシャワールームで見たのは、「シャワーは1人3分まで」の張り紙でした。

「ゲストハウスの経費削減のために、すごい張り紙が付いているなと思っていました。でも、まさか本気の厳しいルールだとは全く思っていなくて……」

 なんと、心美さんがシャワーで髪を洗っていると、突然お湯が水になったそう。

「冬場の寒いシャワールームで、急にお湯が水になったんです。まだ、トリートメントを流す前の状態だったので、本当にびっくりしましたね。そのときは、シャワーが故障したんだと思いました」

受付の女性から“ありえない一言”

 心美さんは一度身体を拭いて、服に着替えると受付に向かいます。

 受付に行くと、先ほどの年配女性が出てきたんだとか。

「女性に、シャワーが途中で水に変わったことを伝えました。『故障してるみたいなので、見てもらえますか?』と私は丁寧に伝えたんです」

 しかし、女性からはとんでもないことを言われたんだそう。

「思い出しても、悲しい気持ちになります。受付の女性は、私に『うちはね、お湯は3分しか出せないの。
張り紙見てない?』と言ったんです」

39歳母が「ママ業」を休んで念願の一人旅へ→宿の年配女性に言われた“ある一言”で心がズタボロに
※生成AI画像を使用しています
 心美さんをけなすような言い方。さらにその後、耳を疑うような言葉を投げつけられたそう。

「ねぇ、あなたなんでここに来たのかしら。どうせ、子どもを置いてきた、そんな感じだろ」

 その言葉に心美さんは返す言葉を失ったと言います。

「ひどい言い方でした。気分転換に、と思ってようやく子どもを預けて実現できた旅です。あんな風に言われて……。あの日は髪も濡れたまま、もうシャワーに入る気力もなく部屋に戻りましたね。悲しくて、その夜は眠れませんでした」

 それでも今からキャンセルできないと、心美さんは1週間そのゲストハウスで寝泊まりをしたんだそうです。

 ネットで見る情報と、実際の宿とが多少違うことはあるでしょう。しかし、癒しを求めて向う宿選びには慎重になった方が良いのかも。

「あんなひどいところばかりではないと思いますが、私はもうゲストハウスには泊まりません」そう語る心美さんは、寂しそうな表情をしていました。


<取材・文/maki>
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