数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが人の痛みや常識を理解できない少年たちと、彼らに真正面から向き合い続ける大人たちを描いた『四月の余白』について語ります。


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理解を超える行動の問題児を信じ続ける寮長

「人を殴っても痛みを感じない子供」にどう向き合うべきか…松本穂香が衝撃を受けた“更生施設”のジレンマ
『四月の余白』より(以下同)
 今回、わたしがご紹介させていただくのは、吉田恵輔監督の映画『四月の余白』です。

 学校でも家庭でもさまざまな問題を起こし続けていた澤海斗(上坂隼人)は、担任教師・冬子(夏帆)の勧めで、全寮制更生施設「みらいの里」に入ることになる。

 理解を超えた行動を起こし続ける海斗に誰もが諦めの視線を向けるなか、寮長の西健吾(一ノ瀬ワタル)だけは彼の更生を信じ続けていた。

私たち大人はどう向き合うべきか?

「人を殴っても痛みを感じない子供」にどう向き合うべきか…松本穂香が衝撃を受けた“更生施設”のジレンマ
『四月の余白』
 エンドロールが流れるなか、「どうすればいいのか」、漠然とその言葉だけが浮かび続けました。

 暴力、いじめ、教育現場のリアル。人を傷つけることはいけないこと。どうして人を傷つけてはいけないのか。人を殴っても自分は痛みを感じないという子供に、私たち大人はどう向き合っていけばいいのか。

 と同時に“やられた”側の気持ちも描かれていることで、ここに正解はないのだと思い知らされました。私たちは向き合い続け、考え続けなければいけないのだと。

残酷な現実のなかに垣間見える希望

「人を殴っても痛みを感じない子供」にどう向き合うべきか…松本穂香が衝撃を受けた“更生施設”のジレンマ
『四月の余白』
 わたし⾃⾝も、不登校に焦点をあてた作品に参加させていただいた事があるので、その難しさは身を持って痛感していました。

 寮長のような目線で子供を信じることは難しいし、それを全肯定することもできないけれど、それでもそんな子たちを救える世の中であってほしいと願っています。

 過去は変えられないし、傷つけたものは取り戻せないけれど、これから先の未来を諦める事には繋がらない。過去を悔やんでも、未来を諦めない。


 行ったり来たりする自分の思いにとまどいながらも、世の中に溢れる問題について今一度考えるきっかけになりました。残酷な現実のなかに垣間見える希望が、とても愛しかったです。心からたくさんの方に届いてほしい映画。劇場でぜひ!

『四月の余白』
配給/アークエンタテインメント 新宿ピカデリーほか全国公開中 ©2026 N.R.E.

<文/松本穂香>

【松本穂香】
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年、月9ドラマ『嘘解きレトリック』でW主演。2026年1月期ドラマ『50分間の恋人』では伊野尾慧とともにW主演、4月期ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』ではヒロインを務め、『エンジェルフライトTHE MOVIE』がプライムビデオで世界独占配信中。今秋スタートの連続テレビ小説『ブラッサム』、10月2日公開の映画『ファーストボイス』、『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』への出演が控えている
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