トルコの世界。腹ペコ猫を店に招き入れ餌を与えたところ、毎日ぎゅっとハグするように
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 猫の国、トルコでの出来事。お腹をすかせた一匹の猫が開店したばかりの店の前にふらりと現れた。

 店主は迷わずその猫を招き入れ、食事や水を与えた。

 翌日も、その次の日も猫はやってくるようになり、店主はその都度、食べ物を与えた。

 すると猫は感謝の気持ちなのか、店主の首にぎゅっと抱きつくようになった。

 この猫が愛おしくてたまらなくなった店主は、寝床を用意してやり、本格的に店で猫の面倒を見るようになった。

 今では日がな毎日、店の中でのんびりと過ごす看板猫となったようだ。

新たにオープンした店の前に現れた腹ペコ猫

 約1年前、フェルハット・ハヤットさんと父親がトルコでガラス細工の店をオープンさせた。

 その数日後、店の前に白と茶色の猫が一匹、うずくまっていた。明らかにお腹をすかせた様子だった。

 2人は迷わずその猫を店内に招き入れ、たっぷりと食事と水を与え、夜に寒さをしのげるよう、店の外に寝床を用意してやった。

 だがこれは、ほんのはじまりにすぎなかった。

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本格的に始まった店主の猫の世話

 翌朝、猫は再び店の前にやってきた。

 すぐさま店の中に招き入れると、彼らの椅子にちゃっかり陣取り、気持ちよさそうにお昼寝をした。

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 その姿を見た、ハヤットさんと父親は、猫を追い返す気にはなれなかった。それどころか、店で面倒を見る決意が固まったという。

 フェルハットさんはその猫にシャキル(Şakir)と名付けいう名前をつけた。

 ワクチン接種と健康診断を受けさせ、店の猫として、シャキルの健康管理を責任をもって行った。

 シャキルは、近所を自由に探索したり店の前で日向ぼっこをしたりしながら、必ず店へ戻ってくる生活を続けている。

 フェルハットさんは長時間働く日々を送っているが、シャキルが顔を見せるたびに疲れが吹き飛ぶと話す。 

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毎日店主の首元にギュっと抱きつくのが日課に

 シャキルの方もただのんびりしているだけではない。やさしくしてもらっているお礼のつもりなのか、毎日カウンターに飛び乗り、フェルハットさんの首元に手を巻き付け、ギュっと抱きつくのだ。

 そのうち、フェルハットさんが腕を広げるのが合図となり、それに気づくと、すぐに近寄ってきてギュっ!っとするようになった。

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 店の防犯カメラにもその様子がしっかりと記録されている。

 シャキルは全身で感謝を伝えようとしているように見えるし、尊い信頼関係が見て取れる。

 腹ペコ猫との偶然の出会いから始まったこの関係は、今や欠かせない毎日の習慣へと育っていた。

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猫を地域全体で守るトルコの文化

 トルコは動物にやさしい国として知られている。猫の聖地と言われるほどだが、そこには長年の取り組みがある。

 トルコでは2004年に動物保護法が制定され、地域動物の保護が自治体の義務となった。

 野良猫や野良犬という概念はなく、地域に暮らす猫は「みんなの猫」、「みんなの犬」として扱われる。

 自治体は獣医師や住民と協力してTNR(捕獲・不妊去勢手術・予防接種をして元の場所に戻す取り組み)を継続的に行い、猫や犬が際限なく増えてしまうことや感染症の拡大を防いでいる。

 2021年の法改正では動物は「モノ」ではなく「生き物」として法的に位置づけられ、虐待には刑事罰が科されるようになった。

 街中には空のペットボトルを投入すると猫や犬、鳥のための餌が出てくるリサイクルマシンが設置され、公園や建物の前には雨風をしのげる宿泊施設も整っている。

 けがをした地域動物を病院へ運ぶための専用救急車まで存在する。

 国や自治体、住民が一体となって動物を守るこの文化は、トルコ建国の父として今も国民から深く敬愛されるムスタファ・ケマル・アタテュルク初代大統領の影響も大きいとされている。

 動物への深い敬意を行動で示したアタテュルクの姿勢が、動物を大切にする心として親から子へと語り継がれてきたのだ。

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