アメリカのメイン州で、全身が真っ白で、赤い目、足がピンク色をしたカナダヤマアラシの赤ちゃんが、数匹の犬に追いかけられているところを発見された。
幸いなことに、重大な怪我を負う前に発見者が救出し、動物保護施設に保護された。
現在、この赤ちゃんは皮膚病の疥癬(かいせん)を発症しており、施設のスタッフによる懸命な治療が続けられている。
アルビノの野生のヤマアラシを保護
メイン州にある野生動物保護施設「センター・フォー・ワイルドライフ(Center for Wildlife)[https://www.thecenterforwildlife.org/]」に、非常に珍しい動物がやってきた。
真っ白のアルビノのカナダヤマアラシ(North American porcupine)の赤ちゃんである
同施設によると、ヤマアラシがアルビノとして生まれる確率は約1万分の1であり、極めて希少な存在だ。
アルビノとは、遺伝的な要因によって体内でメラニン色素を正常に作り出すことができず、皮膚や毛が白くなる先天的な遺伝子疾患だ。
色素がないため血管が透けて見え、目や鼻先、足などがピンク色や赤色になるのが特徴で、自然界では真っ白な体色が周囲から非常に目立つため、捕食者の標的になりやすい。
視力に障害を持つことも多く、野生で生き延びるのは難しいとされている。
カナダヤマアラシは、北米大陸に広く分布する哺乳類で、丈夫な尻尾と短い脚を持ち、腹部と脚以外の全身が鋭い針毛(棘)で覆われている。
木登りが得意で、主に樹皮や葉を食べて生活する。
成長すると体長は60cm~90cm、体重は約11kgに達する。
通常は、黒色、茶褐色、白のまだら模様だが、今回保護された個体は見事なまでに全身が真っ白だった。
ヤマアラシが保護された経緯
施設によると、ヤマアラシの赤ちゃんは数匹の犬に追いかけられているところを近くを通りかかった人に発見されたという。
幸いなことに、発見者は危険な状況を察知して、すぐに救出してくれた。
発見者は、ヤマアラシはまだ幼く、犬との接触で怪我をしている可能性があると判断し、センター・フォー・ワイルドライフに連れてきてくれたのだ。
元気な様子だが皮膚に疥癬の症状
施設に到着した当初、ヤマアラシの子は目立った外傷もなく健康そうに見えた。
スタッフは落ち着かせるため、2倍の広さのケージに木の枝や葉、食べ物、水を用意した。
ヤマアラシは食欲旺盛で、お皿の食べ物を完食し、用意された木の枝や葉も平らげていた。
しかし、スタッフはヤマアラシの目の周りや腕に、斑点のようなかさぶたができているのを発見した。
これは皮膚病の一種である疥癬を患った時にでる症状だ。
疥癬とは、ヒゼンダニなどの微小なダニが皮膚に寄生することで引き起こされる病気で、激しい痒みや炎症を伴う。
症状は前足全体にも広がり始め、鼻からは鼻水が出はじめた。
懸命な治療を受け回復に向かう
幸いなことに、疥癬には有効な治療法が存在する。
センター・フォー・ワイルドライフのクリニックチームは現在、疥癬の感染を抑えるための薬を投与しながら、赤ちゃんを注意深く見守り、懸命に治療にあたっている。
かさぶたをできる限り取り除くために、毎日の洗浄ケアも欠かさず行っている。
犬に襲われる危機を間一髪で乗り越えた希少な命は、現在小さなダニとの戦いに挑んでいるが、今回は多くの人間が支えてくれているので、無事に回復する日も近いだろう。
1万分の1の存在が、元気で安心して暮らしていけるよう、今後も施設スタッフは見守り続けていくという。
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