インドネシア陸軍の新兵教育修了式が行われた。式典を終えた時点で訓練生から兵士となる。
大勢の新兵たちは駆けつけた家族らに囲まれ喜びを分かち合っていた。そんな中、一人だけその場に立ち続ける若い兵士がいた。
その姿に気づいた上官は静かに歩み寄り、兵士を抱きしめた。
それまで立ったまま姿勢を崩さなかった兵士は、上官の腕に包まれると、こらえていたものがあふれ出したかのように涙を流した。
言葉を超えた思いやりの瞬間をとらえた映像がSNSに投稿されると、多くの人の涙を誘った。
歓喜に包まれる修了式で一人立ち尽くす若い兵士
インドネシア陸軍(TNI AD)の初期教育課程「Pendidikan Pertama Tamtama(Dikmata)」の修了式会場と思われる場所で、胸を打つ瞬間が記録された。
Dikmataで軍人として必要な身体面、精神面、規律などの教育を受け、修了式をもって訓練生たちは正式な陸軍兵士となる。
映像には、修了式を終えた若い兵士たちのもとへ親やパートナー、親戚らが駆け寄り、抱き合って喜ぶ姿が映っている。
そんな中、一人の若い兵士だけが姿勢を正した状態でポツンと立っていた。
孤独な新兵のもとへ歩み寄り、抱きしめ励ました指揮官
自分だけが独りぼっちである状況は、どれほど心細かったことだろう。指揮官は、その孤独な姿に気が付いた。
ゆっくりと彼の方へ歩み寄ると、笑顔で彼を抱きしめ、頭を撫でると背中をポンポンと叩いた。
厳しい訓練を乗り越え、無事に修了式を迎えた兵士に対する、「おめでとう」という意味と、「おまえはひとりじゃない」という意味が込められていたのかもしれない。
張り詰めていた糸が切れ、こぼれ落ちる涙
新兵は軍人として気丈に振る舞い、必死に感情を押し殺そうとしていた。
しかし、指揮官のあたたかい腕に包まれた瞬間、張り詰めた糸が切れ、指揮官の胸に顔を埋めて涙を流した。
上官の心からの抱擁で、ようやく彼は安心と居場所を得たようだ。
兵士の涙が世界に伝染、励ましの声が広がる
この動画はSNSで広く拡散され、海外メディアでも取り上げられた。
なぜ彼はひとりぼっちだったのか?その明確な理由は不明だが、コメントではインドネシアの地理的な背景を指摘されていた。
「インドネシアは大小数万の島々からなる島国だ。そのため、家族が遠方に住んでいたら、多額の費用を出せなかったのかもしれない」
他にも、兵士に対する励ましの声や、指揮官のすばらしさを称賛する声も上がった。
- 君を家族と思ってくれる軍の仲間がいる。元気を出して
- 逃げ出したかっただろう。自分だけがひとりぼっちで悲しかっただろう。それでも彼は、勇気を出してその場に踏みとどまった。その姿に感動した
- 兵士に必要なのは命令だけじゃない。自分が一人ではないと信じさせてくれる誰かが必要なんだ。指揮官の態度は、どんな演説よりも力強かった
- どうしたの?と尋ねる人は必要ない。
孤独に気づき、適切なタイミングで抱きしめてくれる人こそ必要なんだ。指揮官の姿勢は、単なる慰め以上のものだった











