米軍キャンプ・ハンセンを拠点とする第12海兵沿岸連隊が、高機動ロケット砲システム「ハイマース」の運用を継続する意向を示していることが分かった。これまで防衛省は米側の説明として、6月に配備した地対艦ミサイルシステム「ネメシス」などはハイマースに代わるものとしていた。

 「抑止力・対処力強化」のための方針転換というが、装備品の純粋な増加である。東アジアの緊張を高めかねない。
 それでなくとも日中関係は急速に悪化している。5月の米中首脳会談の際、習近平国家主席は高市早苗首相を名指しで批判。日本側は外交青書の中で、中国の位置付けを「最も重要な2国間関係」から「重要な隣国」に後退させた。
 日中外交が停滞する中、日米中は「ミサイル軍拡」の兆しを強めている。
 米軍はハイマース運用継続に加え、6月下旬に中距離ミサイル発射装置「タイフォン」を鹿児島県内の自衛隊基地に持ち込んだ。恒久配備の布石とされる。
 日本は、敵の射程圏外から攻撃可能な「スタンド・オフ防衛能力」に向け長射程ミサイル配備を始めた。潜水艦発射型の開発も進められている。
 中国は6日、原子力潜水艦から太平洋に向け弾道ミサイルを発射する実験を行った。艦船や地上目標を標的にでき迎撃が非常に難しいとされる極超音速ミサイルの配備も進めている。

 北朝鮮の各種ミサイルによる挑発行動も忘れてはならない。
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 年内にも改定が見込まれる安全保障関連3文書では防衛費の大幅な増額が焦点となっている。米国が要求するGDP比3・5%は国民の反発を懸念し明示されない可能性が高いが、それでも大幅増は不可避とみられる。地域の緊張を高めかねない。
 東アジアでのミサイル軍拡が続けば沖縄にも影響を及ぼす。ハイマース運用継続のような直接的な基地負担の増加に加え、観光など経済面での影響も予想される。
 いくら「抑止力向上」のためだと言われても、住民を巻き込む地上戦で大きな被害を受けた沖縄戦の記憶を持つ県民にとっては「新たな戦前」との不安が広がる。
 沖縄や東アジアを再び戦場にするのは許されない。この地域での軍拡の流れは何としても反転させねばならない。
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 最も良くないのは、首脳間を含めた日中両国の意思疎通が十分でない中で軍拡が進んでいることだ。
 日中首脳は昨年10月以降もう8カ月以上対面での会談ができていない。互いをミサイルの射程圏内に収めつつある現在の両国。
米軍の存在が事情をさらに複雑にしている。
 今後日中の国民感情がさらに悪化すれば、偶発的な衝突ですら悲劇的な結果を招きかねない。
 まずは対話を通じた日中関係の改善が不可欠だ。軍事一辺倒になりがちな東アジアの国際情勢改善に努めなければならない。
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