前日の「ディズニー・エンターテイメント・ショーケース」では、ナンバリング最新作『キングダム ハーツIV』が2027年後半に発売されることが発表された。野村氏は発売時期について「延期は絶対にありません」と力強く宣言。会場では約4分間の最新トレーラーも上映され、ディズニー&ピクサー映画『リメンバー・ミー』のワールドや、ミッキーマウスを操作する新たなゲーム要素などが明らかになった。
「D23」のステージに姿を見せた野村氏は、「ここに来るのは何年ぶりかになりますが、ようやく来ることができました」とあいさつ。前日に現地入りしていたものの、サプライズ登壇のため姿を隠していたといい、「こうしてステージに出られたので、ようやく自由になれたと言えますね(笑)」と笑顔を見せた。その一方で、「明日にはもう日本へ帰国します」と明かし、会場の笑いを誘った。
パネルには、事前に登壇が発表されていた共同ディレクターの安江泰氏、Disney&Pixar Gamesのプロダクト開発ディレクターを務めるナナ・ガッド氏も参加。俳優のクリオ・トーマスの進行で、ディズニーワールドの選定や最新作の開発について語った。
■「驚きのあるワールド」を意識
構想当初から「絶対に盛り込まなければならない」と確信していたディズニー作品を聞かれた野村氏は、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を挙げた。
「クラシックなアニメーション映画を登場させることは当然想定していましたが、それだけではなく、少し意表を突くような、予想外の要素を投げ込みたかったんです。それ以来、ナンバリングタイトルには、実写映画をベースにしたものなど、少なくとも一つは驚きのあるワールドを入れることを意識するようにしています」と答えた。
一方、安江氏は、ディズニーワールドを選ぶ際には、まず「プレイヤーにどのような体験をしてほしいか」を考えると説明。「アトラクションが詰まったディズニーランドのようなパッケージ」を目指しているという。
ガッド氏は、キャラクターが未知の環境に置かれても、そのキャラクターらしい反応を見せることが“本物らしさ”につながると紹介。映画のビジュアルや構図、物語のリズムまで細かく調整していると明かした。
■『リメンバー・ミー』選定の鍵はソラの現在
オリジナルの物語とディズニー作品を融合させる制作過程について、野村氏は、自身の頭の中にある世界を形にするため、チームと何度も意見を交わしていると説明した。
「チーム側にアイデアを投げてもらって、やり取りを何回も繰り返しています。それでも、自分の思い描くものと違ってくる部分や、譲れない部分はありますが、そこは常に話し合っています。楽しくね(笑)。全然もめていないですけど、ギリギリのところで『どうすれば、より楽しくなるか』を探り合っている感じです」
『リメンバー・ミー』のワールドについては、現在のソラが置かれている状況を考慮して選んだという。
「ソラが置かれている現在の状況は、過去とは大きく異なります。常にそうしたテーマ性を念頭に置きながらワールドを選んでおり、それがアプローチの根幹にあります」
ストーリー全体の整合性や連続性を保つため、チーム内のシナリオ担当者とも密接に連携。D23の会場へ来る直前まで、細かな指摘を受けながら議論していたといい、「これは制作における日常的なプロセスですね」と語った。
■マレフィセントは「物語上で非常に重要」
お気に入りのキャラクターをめぐるトークでは、マレフィセントやハデスをはじめとするヴィランへの愛着を語った野村氏。
「ヴィラン側の新しい魅力も、たくさん引き出せていると思います」とした上で、「彼らは原作のストーリーをなぞるだけではなく、『キングダム ハーツ』独自の物語にも深く関わってきます。書いていても動かしていても本当に楽しいキャラクターたちなので、ついたくさん登場させてしまうんです」と説明した。
最新映像に登場したドナルド、グーフィー、ハデスの掛け合いについては、「特に面白いシーンに仕上げられた」と手応えを口にした。さらに、「マレフィセントもストーリー上で非常に重要な役割を担っていますので、ぜひ楽しみにしていてください」と呼びかけた。
■ ミッキーを操作する「紙の世界」と折り紙アクション
安江氏によると、「スカラ・アド・カエルム」ではミッキーを操作して本の中の“紙の世界”を冒険することになるという。ミッキーは折り紙のように自身の分身を生み出すことが可能で、ペラペラになって壁の隙間をすり抜けたり、紙飛行機のように空を飛んだり、巨大化・小型化・箱型に変形したりしながら謎を解いていく。ソラのアクションとは大きく異なる、パズル要素の強い独自のゲームプレイが楽しめる仕上がりになっていると明かした。
クァッドラトゥムでは、キーチェーンを射出してビルの屋上へ飛び移るほか、電線を滑り降りたり、標識を利用してスイングしたりするなど、大都市を立体的に駆け抜ける新アクションが登場する。安江氏は、開発チームが東京各地を実際に歩き、光の表現や街のスケール感を研究したと話した。
■25周年を前に「頭はすでに30周年」
パネルの締めくくりには、2027年に迎えるシリーズ25周年について、野村氏は「すべては本当にファンの皆さんの応援のおかげです。これほど長くシリーズが続いてきたのは、皆さんの支えがあったからこそです」と感謝を伝えた。
25周年に向けて、すでに複数の企画が水面下で進んでいるという。「25周年が近づくにつれて、私が今考えているのは『30周年に向けてどうするか』ということです」と、さらに先を見据えていることを明かした。
今回発表されたオリジナルアニメーションシリーズ『キングダム ハーツ(仮題)』も、その展開の一つ。野村氏は、発表にあたって詳細を話そうとしたものの、「関係各所から『それはまだ言わないでください』と止められてしまいまして」と苦笑い。
「まだお話しできないことがたくさんあります。ただ、公式コメントでもお伝えした通り、私自身が深く関わっているプロジェクトですので、ぜひ楽しみにしていただければと思います」とアピールした。
なお、アニメシリーズはディズニー・チャンネルで放送され、動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」でも配信される予定。野村氏をはじめ、スクウェア・エニックスのクリエイティブチームが制作に参加する。
■「延期は絶対にない」発売への不安を一蹴
野村氏は最後に、『キングダム ハーツIV』の発売時期について、ファンへ伝えておきたいことがあると切り出した。
「ゲームの発売を『2027年後半』と発表した際、ネット上で『また発売延期になるんじゃないか』という声を見かけました。ここではっきり言わせてください。延期は絶対にありません」
続けて、「2027年の発売を安心して楽しみにお待ちください。プロモーションもまだ始まったばかりですので、今後の新情報にもぜひ期待していただければと思います」と呼びかけた。
安江氏も、開発スケジュールは極めて順調だと説明。「100%確実に間に合います。絶対にお届けしますので、楽しみにしていてください」と断言し、満員の会場から大きな歓声を浴びた。
また、歴代作品を収録した『KINGDOM HEARTS Collection[I~III]』が10月8日に発売されることも決定。Nintendo Switch 2、PlayStation 5、Xbox Series X|Sに対応し、予約を受け付けている。
パネル後半には、ディズニー・キャラクター・ボイスのクリエイティブディレクターを務めるレネ・ジョンソン氏が登壇。英語版でソラを演じるハーレイ・ジョエル・オスメントと、リク役のデヴィッド・ギャラガーとともに、Q&A形式で『キングダム ハーツ』の舞台裏や制作過程について語った。
ハーレイとデヴィッドがシリーズの名場面を再現して観客を喜ばせたほか、日本版ソラ役の入野自由もビデオメッセージを寄せ、会場のファンを沸かせた。


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