脳科学者の成田奈緒子先生が、子どもの「論理力」を育む方法を教えます。
■10歳までにどれだけ論理性を体感するか
 走る。
転ぶ。どうして転んだ? 同じように転ばないためにはどうする? ――これが、論理力の原点です。
 人間の脳の中で論理力をつかさどるのは前頭葉です。前頭葉が急成長するのは10歳以降であることがわかっています。小学校低学年までの子どもたちが「非論理的」な行動をとってしまうのは、そのためです。しかし、10歳までにどれだけのことを体験し、論理性を体感することができたかによって、前頭葉の成長の仕方に差がつくことがわかっています。
 論理力は、お勉強だけで身に付けることはできません。自分で動き、失敗し、その結果を受け止める――そうした体験の積み重ねが、「なぜ」「どうして」「次は」という思考を生み出します。
 ところで、「テストの点数が悪かったから、おやつ抜き!」といった非論理的なコミュニケーションをしている親御さんをよく見かけます。こうした体験は、子どもの「自分で考えよう、判断しよう」という意欲を奪い、論理的思考が育つ道を奪ってしまいます。
 机の上での論理は、あとからいくらでも学べます。幼少期は「体感としての論理」を学ぶことが大事になります。

※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。

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成田 奈緒子(なりた・なおこ)

文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表

小児科医・医学博士・公認心理士。1987年神戸大学卒業後、米国ワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』(共著、合同出版)、『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新書)など多数。

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(文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表 成田 奈緒子 構成=金子聡一)
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