日経平均が7万円に到達し、上昇トレンドが今後も継続するかについて強気・弱気の意見が交錯しています。今回は、こうした先行きが不透明な状況で買っても安心感を得られる、割安な日経225構成銘柄を紹介します。


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日経平均:注目の割安銘柄TOP10、アサヒGHDや京王電鉄も(西 勇太郎)
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PBR(株価評価)とROE(収益性)の比例関係を利用して割安銘柄を探索

 今回は、日経平均株価225構成銘柄において、グローバル同業他社比較の観点で割安度が高い銘柄を紹介していきます。


 株式の評価と収益性がおおむね、図のような比例関係にあるため、この比例関係を利用して各銘柄の割安度合いを分析しました。


<株価評価と収益性はおおむね比例関係>
日経平均:注目の割安銘柄TOP10、アサヒGHDや京王電鉄も(西 勇太郎)
出所:各社資料より作成

 分析の対象になったのは、日経平均を構成する225社のうち、同業他社との間で株価純資産倍率(PBR)(株価評価)と自己資本利益率(ROE)(収益性)の比例関係が認められる137社(日経平均に占めるウエート合計は76%)です。これらの企業について、同業他社比での割安・割高を分析するとともに、その割安・割高が解消された場合の各社の株価について計算しました。


 137社について現在の株価からの上昇率が高い順に並べ、先週、トップ5をお届けしました。


2026年6月11日付: 日経平均:今こそ注目の「割安銘柄TOP5」(西 勇太郎)


 今回は割安銘柄6~10位をお届けします。


 以下が、日経平均構成銘柄の中で、グローバル同業他社比較の観点で割安感が高い銘柄の6~10位企業です。


<日経平均構成割安銘柄6~10位> 順位 社名 証券
コード 株価 PBR 割安感解消 PBR 株価 上昇率 6 三菱マテリアル 5711 4,898 0.9 1.7 9,500 94% 7 アサヒグループHD 2502 1,504 0.8 1.6 2,800 86% 8 JR西日本(西日本旅客鉄道) 9021 2,570 1.0 1.8 4,800 86% 9 住友電気工業 5802 12,320 3.5 6.4 22,400 81% 10 京王電鉄 9008 728 0.9 1.6 1,300 78% ※株価は2026年6月16日終値
出所:各社資料などより作成

6位:三菱マテリアル

 世界の上場銅精錬・加工企業には三菱マテリアル(5711 東京)以外に、アウルビス(NDA フランクフルト)、KGHMポルスカ(KGHA ミュンヘン)、アンホエ・トゥルーチャム(002171 深セン)、JX金属(5016 東京)、三井金属(5706 東京)、DOWAホールディングス(5714 東京)などがあります。


 これら上場銅精錬・加工企業主要11社について散布図を作成すると、株価評価と収益性がおおむね比例関係にあることが分かります。その中で、三菱マテリアルは割安方向にずれています。現在三菱マテリアルの株価は4,898円(PBR0.9)ですが、この割安感が解消された場合のPBR(散布図の青破線に乗る水準)は1.7であり、相当する株価は9,500円です。


 三菱マテリアルの株価が割安となっている主因の一つとして、2027年3月期に在庫評価益の反動減を主因とした経常減益が予想されていることが挙げられます。ただし、当期純利益ベースでは増益が見込まれている上、その後も安定した収益蓄積が予想されます。


<世界の主な銅精錬・加工企業11社のROEとPBRの関係>
日経平均:注目の割安銘柄TOP10、アサヒGHDや京王電鉄も(西 勇太郎)
出所:各社資料より作成

7位:アサヒグループHD

 世界の上場ビール企業にはアサヒグループホールディングス(2502 東京)以外に、ハイネケン(HEIA アムステルダム)、キリンホールディングス(2503 東京)、タイ・ビバレッジ(TBEV シンガポール)、サンミゲル・フード・アンド・ビバレッジ(FB フィリピン)、青島ビール(600600 上海)、サッポロホールディングス(2501 東京)などがあります。


 これら上場ビール企業主要15社について散布図を作成すると、株価評価と収益性がおおむね比例関係にあることが分かります。

その中で、アサヒグループHDは割安方向にずれています。


 現在アサヒグループHDの株価は1,504円(PBR0.8)と低迷していますが、この割安感が解消された場合のPBR(散布図の青破線に乗る水準)は1.6であり、相当する株価は2,800円です。


 アサヒグループHDの株価が割安となっている要因は、2025年にサイバー攻撃を受けて受発注システムが停止し業績が悪化したことや、2025年12月期の決算も現時点で発表できていないこと(7月8日発表予定)、当期純利益(会社予想)が前年比38%減の1,200億円であること、などです。


 ただし、2025年12月期の当期純利益がマイナスといっても過去10年間の平均水準は維持するものであること、サイバー攻撃による影響はおおむねなくなる中で2026年12月期は増益に転じることが見込まれるなど、今後も安定した収益蓄積が予想されるため、株価の変動がなければ、割安感がさらに高まっていくことになります。


<世界の主なビール企業15社のROEとPBRの関係>
日経平均:注目の割安銘柄TOP10、アサヒGHDや京王電鉄も(西 勇太郎)
出所:各社資料より作成

8位:JR西日本、10位:京王電鉄

 世界の上場鉄道企業にはJR西日本(西日本旅客鉄道:9021 東京)などのJRグループ各社や京王電鉄(9008 東京)に加え、ユニオン・パシフィック(UNP NYSE)、CSX(CSX NASDAQ)、カナディアン・ナショナル・レイルウェイ(CNR トロント)、ノーフォーク・サザン(NSC NYSE)など多くの企業があります。


 これら上場鉄道企業主要30社について、前述の通り、収益性についてはROEを、株価評価についてはPBRを適用した散布図を作成すると、株価評価と収益性がおおむね比例関係にあることが分かります。


 その中で、JR西日本、京王電鉄は割安方向にずれています。現在JR西日本の株価は2,570円(PBR1.0)ですが、この割安感が解消された場合のPBR(散布図の青破線に乗る水準)は1.8であり、相当する株価は4,800円です。同様に、現在京王電鉄の株価は728円(PBR0.9)ですが、この割安感が解消された場合のPBRは1.6であり、相当する株価は1,300円です。


<世界の主な鉄道企業30社のROEとPBRの関係>
日経平均:注目の割安銘柄TOP10、アサヒGHDや京王電鉄も(西 勇太郎)
出所:各社資料より作成

 人口が増加している米国と人口が減少している日本の鉄道企業を比較することに異論があるかもしれませんが、実際に過去10年間の業績をカナダ企業も含めて比較してみると、JR西日本および京王電鉄の売上高、利益、株主資本の伸び率は北米2社に比してそん色ない水準となっています。


 これは、日本国内の外国人旅行客増加や、不動産、商業、ホテルなどの非鉄道事業の成長などによるものです。これらの要因で長期にわたって収益拡大を実現できている2社の株価について、現在の割安水準は是正されるべきと考えます。


<JR西日本、京王電鉄と米国・カナダ同業の業績推移>   単位 2015年度 2025年度 変化
(倍) 2026年度
予想 売上高             JR西日本 億円 14,513 18,458 1.3 18,290 京王電鉄 億円 4,163 4,969 1.2 5,040 ユニオン・パシフィック 百万ドル 21,813 24,510 1.1 25,987 カナディアン・ナショナル 百万加ドル 12,611 17,304 1.4 17,964 当期純利益             JR西日本 億円 859 1,275 1.5 1,000 京王電鉄 億円 195 429 2.2 430 ユニオン・パシフィック 百万ドル 4,772 7,138 1.5 7,457 カナディアン・ナショナル 百万加ドル 3,538 4,720 1.3 4,741 株主資本             JR西日本 億円 8,779 12,077 1.4 12,826   京王電鉄 億円 3,116 4,438 1.4 4,450   ユニオン・パシフィック 百万ドル 20,702 28,467 1.37 22,513   カナディアン・ナショナル 百万加ドル 14,950 21,568 1.4 20,909 出所:各社資料およびFactSet資料より作成

9位:住友電気工業

 世界の上場電線・ケーブル企業には住友電気工業(5802 東京)以外に、LSコープ(006260 韓国)、プリズミアン(PRY イタリア)、コーニング(GLW NYSE)、ネクサンス(NEX パリ)、古河電気工業(5801 東京)、フジクラ(5803 東京)などがあります。


 これら上場電線・ケーブル企業主要10社について散布図を作成すると、同様に比例関係にあることが分かります。その中で、住友電気工業は割安方向にずれています。現在住友電気工業の株価は1万2,320円(PBR3.5)ですが、この割安感が解消された場合のPBR(図の青破線に乗る水準)は6.4であり、相当する株価は2万2,400円です。


 住友電気工業は同業他社に比して電線・ケーブル以外の事業(自動車用ワイヤーハーネス、光ファイバー、半導体材料)も多く、事業ポートフォリオの複雑さが嫌気されて評価が伸びにくいとされていますが、1,000億円台から2025年度に一気に3,000億円台に乗せた当期純利益の水準を今後も維持し続ける見通しとなっており、同業他社比で割安な状況は是正されるべきと考えます。


<世界の主な電線・ケーブル企業10社のROEとPBRの関係>
日経平均:注目の割安銘柄TOP10、アサヒGHDや京王電鉄も(西 勇太郎)
出所:各社資料より作成

(西 勇太郎)

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