株式会社角川アスキー総合研究所は2026年、約20年間発行してきたフリーマガジン「ハイウェイウォーカー」の休刊を節目に、新事業『ドコニーク』を始動しました。

『ドコニーク』は、10万人を超えるフォロワーを擁する(2026年7月現在)ハイウェイウォーカーの公式Xアカウントをベースに、当社のXトレンド解析、メディア総合研究所として蓄積してきた各種データベース、メディア運営で培った企画・編集力、地域とのネットワークを掛け合わせた、レジャー領域のリサーチプラットフォームです。


ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォ...の画像はこちら >>


『ドコニーク』という名称は、「ドコに行く?」という問いをもとに名付けました。フォロワーの声を起点に、企業や地域とともに次の行き先や体験を探していく。そんな双方向のリサーチプラットフォームを表しています。

約20年間で築いた読者やフォロワー、地域、企業との関係を、当社のアセットでどのように再設計し、新たな事業へ発展させたのか。その構想に至った背景と、これから目指す姿を紹介します。

◉約20年の蓄積を、次の価値へ

冊子の発行に区切りをつけることが決まった際、当初はXアカウントの運用終了も選択肢の一つでした。

観光・旅行系の情報発信はすでに多くのメディアやSNSアカウントが存在しています。新たに継続するならば、単なる情報発信としての存在ではなく、当社だからこそ提供できる独自性が必要になります。

一方で、私たちはこのXアカウントに大きな可能性を感じていました。10万人を超えるフォロワーとの接点は、容易に再現できるものではありません。さらに、フォロワーアンケートでは、運転免許保有率が91%に達していることも分かっていました。もちろんこの中には職業ドライバーの方も含んでおりますが、旅行やレジャーに関心を持ち、実際にアクティブに楽しんでいる層と継続的につながれることは、大きな財産です。

社内で議論を重ねる中で焦点となったのは、この大きな財産に、当社のどの強みを掛け合わせれば、新たな価値を生み出せるかということでした。


当社には、複数のメディア運営で培った企画・編集力、X上の公開投稿を分析するXトレンド解析、メディア総合研究所として蓄積してきた各種データベース、地域情報発信を通じて築いたネットワークがあります。

これらを横断的に組み合わせ、従来の情報発信を、レジャー層の声や行動の変化を捉える事業へ発展させることを、新たな事業設計の軸に据えました。

ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォロワーを基盤とするレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』誕生の舞台裏


ビジネスアクセラレーション部 ビジネスクリエイション課 課長 井口 真莉奈

「最初は、Xアカウントも冊子と同じタイミングで役割を終える可能性がありました。ただ、10万人を超えるフォロワーとの接点や、ドライブや旅行に関心の高い方々が集まっているという特徴を考えると、このアカウントにはまだ新しい価値をつくれる余地があると思い、当社の強みを掛け合わせることで、より付加価値の高い事業にできないかと考えました。」(井口)

◉10万人との接点を、リサーチ基盤へ

ただし、構想はすぐに固まったわけではありません。経営陣からは、観光・旅行系メディアが多く存在する中で、なぜ当社が新たに取り組むのか、どこに事業としての独自性があるのかという慎重な意見もありました。

そこでプロジェクトチームでは、フォロワー数を情報の到達規模としてではなく、季節や社会の変化に応じて意見を尋ね、継続的に声を聞くことのできる、10万人規模のリサーチ基盤として捉え直しました。

一般的なネットリサーチでは、本調査1,000サンプル規模で設計されることも少なくありません。10万人を超えるフォロワーは、そのまま回答者数を意味するものではありませんが、旅行やレジャーに関心を持つ人々へ継続的に問いかけられる大きな接点です。

その声に、Xトレンド解析や蓄積データを重ねることで、単発のアンケートだけでは見えにくい関心の変化や行動の兆しを読み解き、地域情報メディアで培った企画力、編集力、地域とのネットワークを掛け合わせ、企業や地域のマーケティング施策に生かす。

経営陣との協議を重ねて、この構想をブラッシュアップしていきました。

アンケートを通じて寄せられた声を分析し、その結果や新たな発見をレポートやコンテンツとしてフォロワーへ共有する。フォロワーの声を企業や地域の企画へ生かし、そこから生まれた情報を再びフォロワーへ還元するという、双方向の循環を構築していく。

この循環は、新しい観光施設やイベントの周知を目指す、自治体・観光関連団体、商業施設、生活者の関心を踏まえて商品やキャンペーンを設計したいレジャー・食品関連企業などにとって、企画の出発点となる声を集める仕組みでもあります。


ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォロワーを基盤とするレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』誕生の舞台裏


ビジネスアクセラレーション部 ビジネスアクセラレーション3課 富田 まどか



「観光や旅行の情報を発信するだけであれば、すでに多くの選択肢があります。だからこそ、当社が取り組む意味を明確にする必要がありました。10万人を超えるフォロワーとの接点に、Xトレンド解析、蓄積データ、編集力、地域とのネットワークを掛け合わせることで、企業や地域が“何を、誰に、どう伝えるべきか”を考える材料を提供できる。認知拡大だけでなく、来訪や購買、イベント参加につながる企画づくりまで支えられる事業にしていきたいです。」(富田)

・・こうして旧アカウントは、当社のアセットを結集したレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』として動き始めました。

◉三つの視点で「行きたい」を読む

『ドコニーク』では、フォロワーアンケート、Xトレンド解析、当社が蓄積してきた各種データという三つの視点を組み合わせます。

フォロワーアンケートでは、旅行先を選ぶ基準、期待していること、不安や迷いなど、設定したテーマについて直接意見を尋ねます。

例えば、大型連休の過ごし方、夏の暑さを避けた旅行、紅葉シーズンの旅先選び、年末年始のレジャー、物価上昇と旅行予算、混雑を避けるための工夫など、『ドコニーク』の解析チームが設定した質問です。

このアンケートから分かるのは、問いに対する『ドコニーク』フォロワーの意識です。

一方、Xトレンド解析では、X上で公開されている幅広い投稿を分析し、実際にどの地域や体験が話題になり、どのような言葉や感情とともに語られているのかを捉えます。アンケートでは想定していなかった新しい関心や行動の兆しが見つかることもあります。

ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォロワーを基盤とするレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』誕生の舞台裏


※2025年9月12日発表 Xトレンド解析「避暑地」言及数ランキング、TOP10の表。右端の「共起語」とは、地名・スポット名とともにつぶやかれたキーワード。

さらに、当社がメディア総合研究所として蓄積してきた各種データを参照し、得られた声や傾向を、トレンドが一時的な盛り上がりなのか、より大きな市場や社会の変化と結び付いているのか、社会の変化の中に位置付けます。


アンケートで「直接尋ねた声」を捉える。Xトレンド解析で「自然に発信された声」を読む。蓄積データから、その背景や変化を検証する。

本人が語る意向、SNS上に表れる関心、世の中の変化。この三つが重なり合う領域にこそ、単独の調査だけでは見えにくい、レジャー層の期待、判断基準、行動を阻む要因など、企業や地域が次の企画として向き合うべきニーズの兆しがあります。

『ドコニーク』では、その重なりを見つけ、読み手に届く企画や情報発信へ変換していきます。

ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォロワーを基盤とするレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』誕生の舞台裏


◉リサーチを次の企画へ

『ドコニーク』では、調査結果を、フォロワー、企業、地域にとって次の行動につながる企画へ組み立てます。

分析結果を単なるランキングや数値の紹介にとどめず、なぜその傾向が生まれているのか、レジャー層の行動にどのような変化が起きているのかを、解析チームが考察の上、わかりやすい形にして発信します。

企業や地域にとっては、レジャー層が今、何に期待し、何をためらい、どのような情報を求めているのかを把握する材料になります。

商品やサービスの企画、プロモーションの切り口、観光施策、地域への誘客などを考える上で、発信者側の想定だけでは見えなかった課題や可能性を発見するきっかけとなります。

フォロワーにとっては、自分たちの回答がどのような傾向となって表れ、ほかの人が何を考えているのかを知る機会になり、新しい行き先や過ごし方を考えるヒントにもつながります。

アンケートを実施する。X上の動向を分析する。
蓄積データと照合する。結果を編集して発信する。フォロワーの反応を次の問いや企画へ生かす。

この循環が、『ドコニーク』のリサーチプラットフォームとしての基本設計です。

ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォロワーを基盤とするレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』誕生の舞台裏


◉地域の「伝えたい」とレジャー層の「行きたい」をつなぐ

私たちは、地域情報メディアの運営や、地域関連事業を通じて、自治体、観光関連団体、企業などとともに、地域への来訪や回遊を促す情報発信に取り組んできました。

そこで学んだのは、単に情報の量を増やすだけでは、人が動くきっかけにならないということです。誰に、どのタイミングで、どのような切り口で届けるのか。地域の魅力を、レジャー層の関心と接続する施策が必要です。

地域や企業が伝えたい価値を、レジャー層が「行ってみたい」「体験してみたい」と感じる情報へ編集する。同時に、フォロワーから寄せられた声を、地域や企業の商品、サービス、観光施策などの新たな企画へつないでいきます。

地域が伝えたい魅力を発信するだけで、人が旅先や訪問先を決めるとは限りません。レジャー層が知りたいことや、行き先を選ぶ際の判断材料と結び付いて初めて、「行ってみたい」という気持ちにつながるからです。

地域の魅力をどう伝えるか。
どの層に、どのタイミングで、どのような体験として提案すれば行動につながるのか。『ドコニーク』は、その問いを企業や地域と一緒に考えるプラットフォームでもあります。

ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォロワーを基盤とするレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』誕生の舞台裏


◉フォロワーと探す、次の行き先

『ドコニーク』は、まだ始まったばかりです。

今後は、毎月のフォロワーアンケート、Xトレンド解析、各種データの分析を重ね、結果をレポートとして共有していきます。

同時に、フォロワーが参加したくなる企画や、これまで知らなかった地域や体験に出会えるコンテンツも増やします。

「人は今、どこへ行きたいと思っているのか」

「何を楽しみにし、何を不安に感じているのか」

「まだ広く知られていない、どの地域や体験に可能性があるのか」

その答えを、フォロワー、地域、企業の皆さまと一緒に見つけていきます。

ハイウェイウォーカー休刊からの新たな挑戦。10万人超のXフォロワーを基盤とするレジャー領域のリサーチプラットフォーム『ドコニーク』誕生の舞台裏


「フォロワーの皆さまの声を聞くだけでなく、そこから分かったことを共有し、次の企画へつなげていきたいと考えています。『ドコニーク』を通じて、自分の声が新しい行き先や体験、地域との出会いにつながる。そんな参加型のプラットフォームに育てていきます。」(富田、井口)

・・フォロワーには、自分たちの声から生まれた新しい発見を。企業や地域には、レジャー層の現在地を知り、次の企画を考えるための新しい視点を。

10万人超のフォロワーの皆さまとともに、次の行き先や体験の兆しを探す。

それが、『ドコニーク』の挑戦です。
編集部おすすめ