マドンナが(Madonna)の7年ぶり通算15作目となるオリジナル・アルバム『CONFESSIONS II』がついにリリース。早くも世界中の主要メディアから絶賛されている。
クイーン・オブ・ポップはこの最新作で何を歌うのか?

〈ダンスミュージックは単に薄っぺらなものだと思われがち〉(People think dance music is just superficial)と、マドンナは素晴らしい新作アルバム『CONFESSIONS II』の序盤で宣言する。〈でもそれは大間違い。ダンスフロアは単なる場所ではない。それは出発点であり、身体性が言語に取って代わる儀式的な空間なの〉。それこそが、マドンナが全生涯を過ごしてきた敷居にほかならない。80年代に大ブレイクして以来、ポップ界の女王の中の女王は、ダンスフロアがいかに複雑で、ドラマチックで、恍惚としたものになり得るかを証明することにそのキャリアを捧げてきた。

『CONFESSIONS II』でマドンナは、自分自身を再発見するためにいつも赴く場所であるフロアへと帰還する。本作は、ロンドンのディスコマスターであるスチュアート・プライスとコラボレーションした2005年の最も愛されている一枚『Confessions on a Dance Floor』の続編だ。それと同時に、21年前の前作以来で最高のアルバムでもある。クラブのDJセットのように各曲が次の曲へとフェードインしながら流れ、ダンスミュージックの歴史のあらゆる場所から要素を汲み取った、64分間に及ぶ途切れることのないグルーヴがそこにある。ここには「I Feel Love」の煌めきが、他方では「Apache」の気配が聞こえてくるかもしれないが、彼女はその歴史のレッスンを自らの音楽的自伝へと昇華させている。

アルバムは「I Feel So Free」「Good for the Soul」「One Step Away」という3部作で華々しく幕を開ける。
これは12分間に及ぶ組曲であり、彼女はエレクトロの脈打つビートに乗りながら、自身をフロアへと駆り立てる内なる承認欲求について思索を巡らせる。〈時々、ただ影に隠れたくなる〉と、彼女はLil Louisによるハウスの古典「French Kiss」をサンプリングしたグルーヴに乗せてつぶやく。〈どんな自分にでもなれるし、新しいペルソナだって作れる。正直、他の人たちみたいに、ただ何も気にせずにいられたらいいのにって思うこともある──でも、このダンスフロアの上にいれば、すごく自由になれる〉

アルバム全編をスチュアート・プライスがプロデュースし、アンドリュー・ワット、サーカット(Cirkut)、ミルウェイズ、アルカ、トライアングル・パーク、パリージ(Parisi)らが共同プロデューサーとして名を連ねている。カトリックの悪魔払いをテーマにした「My Sins Are My Savior」ではベルギーのアーティスト、ストロマエ(Stromae)が加わり、「Read My Lips」ではタイニー(Tainy)がプロデュースを手掛け、フェイド(Feid)によるスペイン語のボーカル・インタールードが挿入される。

「Bring My Love」はサブリナ・カーペンターとの激しい息づかいのデュエット曲で、ふたりのスターは4月のコーチェラでこの曲を初披露した。インナー・シティによる1988年のクラシック「Good Life」をサンプリングし、デトロイト・テクノの煌めきの上で急上昇しながら、二人は芸術的なインスピレーションについての対話を繰り広げる。〈サブリナ、連れてきなさい〉とマドンナが命じる──サブリナが生まれる前から精神年齢の低い男たちをズタズタに切り裂いてきた彼女だけに、これは巧妙な組み合わせだ。

「Danceteria」は、80年代の伝説的なニューヨークのクラブに捧げた、本作で最も愉快なディスコ・トリップの一つだ。彼女は、まだ有名になっていないパーティガールが、同じくまだ有名になっていない友人たちに会うために出かけるスリルを捉えており、〈エレベーターに乗って、デビ・マザールと鉢合わせする〉といったフレーズでその情景を描写する。中西部から出てきたばかりの彼女は、ジャン=ミシェル・バスキア、ファブ・ファイブ・フレディ、キース・ヘリングといったダウンタウンのアーティストをはじめ、クラブで目にするあらゆるスターたちに目を奪われる。しかし、彼女が本当に心を奪われるのは、音楽界のレジェンドたちだ。
〈ナイル・ロジャースとデヴィッド・バーン、B-52'sは使い切れないほど金を持っていて、ラウンジ・リザーズはとにかくスタイリッシュ。ロウアー・イースト・サイド、ワイルド・サイドを歩け〉と歌った後、ルー・リードのクラシックでおなじみの「Doo de doo」というチャントを彼女自身のバージョンで炸裂させる。

それは、異なる世代のニューヨーク特有の華やかでクールなかっこよさに満ちた楽曲であり、ダンスフロアの汗まみれの民主主義へと昇華されている。彼女は〈ここにいる誰もが芸術作品〉(Everyone here is a work of art.)というフックを連呼する。それは1982年のデビュー12インチシングル「Everybody」から「Vogue」、「Ray of Light」に至るまで、彼女のキャリア全体を貫く信条とも言えるものだ。彼女は、ダンステリアのスピーカーから自分の曲が鳴り響くのを聴いたときのスリルについて歌っている。DJのマーク・カミンズが彼女の「Everybody」のデモテープをかけた夜であり、レコード契約をもたらし、彼女の物語のすべてを始動させた瞬間だ。一人の音楽ファンとして、マドンナはクラブのビートからポストパンク、初期のラップに至るまで、そのすべてを吸収していた──究極のディスコ愛好者が、究極のディスコの仕掛け人へと変貌を遂げたのだ。

近年の実験作から回顧録的な『CONFESSIONS II』への軌跡

オリジナルの『Confessions on a Dance Floor』は、1985年に「Into the Groove」「Material Girl」「Crazy for You」といったヒット曲の猛攻で自らの王座を確立してから20年、誰もが納得する一手であると同時にキャリアの頂点でもあった。しかし彼女が、大衆受けするようなアプローチを試みたのは──今作に至るまで──それが最後だった。『Confessions on a Dance Floor』は、奇妙さには事欠かない彼女のキャリアの中でも、とりわけ突飛な時代の幕開けとなったのだ。彼女は風変わりなポップアルバムの数々(『Hard Candy』『MDNA』『Rebel Heart』)を世に送り出した後、2019年にはポルトガルのファドからバレエのインタールード、そして「Bitch Im Loca」という宣言に至るまでを詰め込んだ、人生半ばの旅日記とも言える奇想天外な実験作『Madame X』を発表した。
我々のような筋金入りのファンはこの愛すべき作品を大切に思っているが、ポップシーン全体が完全に困惑したのも無理はない。

『Madame X』以降の彼女は、90年代のアーカイブプロジェクトである『Veronica Electronica』や『Bedtime Stories: The Untold Story』、さらには自身のキャリアを網羅した「The Celebration Tour」を通じて、自らの過去への深掘りを行ってきた。それが、今作の持つ内省的で回顧録的な側面にインスピレーションを与える手助けとなったようだ。かつての『Confessions on a Dance Floor』には、ABBAをサンプリングし〈Time goes by so slowly〉というチャントを乗せた、彼女のキャリア最大級に華やかな大ヒット曲「Hung Up」が収録されていた。一方で、彼女はこの『CONFESSIONS II』の多くの時間を、過ぎ去った日々の振り返りに費やしている。「Fragile」は、長年疎遠だったものの2024年に亡くなる前に和解した弟クリストファーへの、痛切な哀悼の歌だ。「The Test」は娘のローデス・レオンとの感動的なデュエット曲であり、これほどまでに狂ったセレブリティの世界に彼女を誕生させてしまったことを謝罪している。彼女が生まれたばかりの娘に捧げた1998年の優しい愛の歌「Little Star」の一節を引用する一方で、大人になったローデスは母への献身を誓う。

「L.E.S. Girl」は、クラブでの狂乱の一夜が明けた翌朝を舞台にした、物憂げなギターバラードでアルバムを締めくくる。それはロウアー・イースト・サイドにいた若き日のマドンナの姿だ。前夜のアイライナーを残したまま朝の光の中で目を覚まし、アベニューBの家賃の支払いに苦労しながらも、隣にいるロウアー・イースト・サイドの少年の元に自分が本当に居着くことは決してないのだと悟る。彼女が若き日の自分に向けて歌うように──〈夜は優しく、昼はブルー。
あなた以外のすべてが消え去っていく〉。

1時間に及ぶディスコの打ち上げ花火を経て、「L.E.S. Girl」は実に痛切なクールダウンとなる。だが、まだ若く、信じられないようなキャリアのすべてがこれから待ち受けていたその時期にさえ、彼女はすでに自分が「マドンナ」であることを自覚していた。彼女の歌声は、世界を征服する準備が整った飢えたパーティガールのようだ。『CONFESSIONS II』において、彼女はそれらの若き日の夢を再訪する──そして、それらをいかにしてすべて現実のものにしたのかを、見事に証明してみせている。

From Rolling Stone US.

マドンナ新作『CONFESSIONS II』徹底解説──過去20年の最高傑作で、ダンスフロアの女王は何を歌うのか?

マドンナ
『CONFESSIONS II』
配信中
日本盤CD: 2026年7月29日(水)リリース
再生・購入:https://wmj.lnk.to/MDNA_CFNS2

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