前半では、オープニングテーマ「I-BULL」(読み:いぶる)に込められている、『BLEACH』にまつわる考察要素の答えを明かしてくれた。次項では、jo0jiのディスコグラフィにおける「I-BULL」の特異性について、そしてカップリングとして収録される「YOROSHIKU!!!」「zokkou」という2曲を通して表現したいjo0jiのマインドについて。最後には、海外ライブが増えているjo0jiの「日本の音楽を海外へ届けること」への考えと、こうして何度もインタビューさせてもらっている中で見えた「リスナーに対してどうありたいのか」という意識変化を、じっくりと語ってもらった。
ー久保帯人先生との対談はどうでしたか? 実際にお会いするのは、取材の日が初めてでした?
あのときに初めて会いました。めっちゃ緊張しましたね。漫画って、作者の方が全部作っているから「神様」みたいに思うじゃないですか。だから「神が来た!」と思って、最初はちょっと焦りました。覇王色がありました。
ー覇王色(笑)。ずっとjo0jiさんの音楽を聴いてきた人間からすると、「I-BULL」はびっくりしました。そもそも、これはいつくらいに作った曲だったんですか?
びっくりしますよね。そもそもの原型は2年前くらいからあって、それを1分半にギュッとしたものをコンペに出してみたら好感触だったようで、「じゃあ『BLEACH』用に書き直します」と言って去年の夏に作りました。
ー最初に提出したデモからそこまで変えるのは大胆すぎるけど、それだけ『BLEACH』に込めたい愛が大きかったのだろうなと思いました。『呪術廻戦』「死滅回游 前編」エンディングテーマの「よあけのうた」は、アニメ尺を完成させたあと、フル尺を作るのにかなり悩んだという話をよくされていますけど、「I-BULL」はどうでした?
この曲は駆け抜けた感じでした。『BLEACH』の内容にハマるようにということはすごくいっぱい考えながら作りましたけど、総じて楽しかったです。「何をやってやろう」「何を盛り込んでやろう」みたいなことを考えながら作ったので、苦しかったことはないですね。
ー『BLEACH』の歴代の主題歌やサントラまで全部聴いて作ったとおっしゃっていたので、ものすごい気合と時間を注いだのだろうなと思っていました。
もともと大好きだったので、全然苦ではなかったです。「I-BULL」には、初代オープニングテーマのORANGE RANGE「*~アスタリスク~」のギターリフがどこかに入っていたり、ラップの早口の感じもAqua Timez「Velonica」とかをリファレンスにしていたり、ストリングスの動く感じはサントラをイメージしたり。俺の中にあるすべての『BLEACH』を詰め込みましたね。
ー終わり方もユニークで、最後の1音まで『BLEACH』に寄り添った遊びが成されているのだろうなと想像していました。
この曲、ユーハバッハ目線でも、黒崎一護目線でも取れるように書いたんですよ。
ー音だけでなく、歌詞にも『BLEACH』に合わせた表現やギミックが多々隠れていそうですね。
たとえば、1巻に載っている巻頭歌が「我等は 姿無きが故に それを畏れ」で、最終巻が「我等は 姿無くとも 歩みは止めず」だったので、それを歌詞に入れたりとか。サビの〈穿つは明けない夜/暗闇の先に待つ太陽を示せ〉はーー一護の技の「月牙天衝」って、漢字で書くと「月を穿って天を変える」、つまり「太陽」「夜を明かす」という意味なのかなと思って。(アニメの)『千年血戦篇』は夜のイメージが強いので、一護はずっと太陽を晒すための技を打っているのかなと。髪の毛がオレンジ色の理由も、太陽のメタファーなんじゃないのかなと思って。〈爆ぜる希望〉で卍解をして、月牙天衝を打つという流れでサビを聴いてもらえると、よりサビ感が出る気がします。しかもラスサビの前の〈退けば老い、臆せば死ぬぜ〉という歌詞も、一護が斬月を解放するときの「退けば老いるぞ、臆せば死ぬぞ!」というセリフで、ここで始解をして、〈爆ぜる希望〉で卍解をして、月牙天衝を打つという流れになっています。そういったところも含めると、1話から続く流れに沿って聴いていただける気がしますね。答え合わせがたくさんできる曲にはなっているので、細かいところまで聴いてもらえると嬉しいです
「冷笑」に対するjo0jiの考え
ーここまでは「I-BULL」と『BLEACH』の密接な関連についてたっぷり明かしてもらったので、ここからは「jo0jiさんのディスコグラフィの中で見る『I-BULL』」という角度から話を聞いていきたいなと思うんですけど、まず私が何にびっくりしたかって、「こんなスタジアムロックでくるんだ!」っていう。FCライブ『磯遊び』で初披露した際の映像を見させてもらったんですけど、ライブ映えがハンパなくて。
Photo by Yu Hashimoto
これ、完全にウェポンですよね。こんな曲はなかなか作ろうとしても作れなくて、『BLEACH』がないと作れなかったなと思います。『BLEACH』の最終クールのオープニングなのでどデカくいかないといけないなと思ったし、「ギターサウンドでデカいもの」というのが俺の中で『BLEACH』然としているなと思ったので、こういうサウンドになりました。あとは脚本を読ませてもらった上で、全員が拳を上げて戦っている雰囲気を出すために、声を出すバースを作ったり。「熱くなれ」というのがひとつテーマとしてあって、人々を熱くさせられる音楽の最適解はスタジアムロックな気がしたので、こういうことになりましたね。
ーラップで言えば、『BLEACH』に合わせてやったというより、「ついにラップしてきたな!」という印象を持ちました。というのも、5月のライブ『jo0ji tour 2026「よあけまえ」』を観ていたときも、jo0jiさんの音楽的ルーツというと忌野清志郎さんとか、ロックやフォークがまず挙がるけれど、ヒップホップ要素もあるよなということを思っていて。譜割とか、韻の踏み方とかも。
たしかに。R&Bとラップのあいだみたいな感じでやっているときはありますね。韻シスト、5lack、PUNPEE、LIBRO、EVISBEATS、鎮座DOPENESSとかを聴いてきたので、そういうのが出ているのかなとは思います。
ーしかも、地元の友達がラップをやっていて、その影響でjo0jiさんも曲を書いたと言ってましたっけ?
そうそう、周りもヒップホップ好きがめちゃくちゃいて。ラップ好きなやつに「ラップしたいからトラック作って」って言われて作ってみたものの、Aメロ→Bメロ→サビみたいなトラックを作ったせいで、「これはラップじゃなくね? 歌とか入れたほうがいいと思う」って言われて、俺が自分で歌を入れたのが「不屈に花」。なので、影響は多大にありますね。
ーあとjo0jiさんのこれまでの流れから見てびっくりしたことで言うと、jo0jiさんの歌って、「まあ大丈夫よ、なんとかなるさ」くらいの温かさが流れていたと思うんです。でも今回は、熱いロックサウンドとともにケツを蹴り上げてくれる系の背中の押し方をしてくれるところ。〈お前らに告ぐ〉みたいな言葉遣いも、これまでなかなか言わなかったよなと思いました。
言わなかったと思います。「加減なしにぶち込む」というのが一個テーマだったので、フルスイングしましたね。『BLEACH』のオープニングを作るとなって全部見返したときに、俺が小学生の頃に見ていた記憶と重ね合わせながら、「あのときはこういうふうに思っていたな」「自分の卍解を考えたり、技の名前を叫びながら、サッカーのシュートを蹴ったりしていたな」とかを思い出して。幼いときにあって今は薄れてきた熱さみたいなものって、大人になってもなくしちゃいけないもの、人生を楽しくするにあたって大事なものだなと思って。そう思ったときにーーじゃあ今は何が引っかかりになっているんだろうと思ったら、SNSとか「冷笑」みたいなものだなと思って。そういう冷ややかな目線を想像することによって、ブレーキがかかっている部分がたくさんあるから、「ブレーキを折る」というのをテーマに作ったところもあります。
ー「ブレーキを折る」って、この曲を表現する上で的確な言葉ですね。こうやっていろんなアーティストをインタビューしていても、いよいよ「冷笑はもうやめよう」ということを世に伝えようとしている表現者が増えているなと感じるんですよね。
自分もどちらかというと冷笑サイドなので、それがすごく心地いいこともわかるんです。冷笑が救いとして機能してもいいと思うんですけど、昨今の感じはあまりにも配慮がなさすぎるので。だから一回、「馬鹿にはできないことなんだぜ」っていうのを示しとくべきだなという意味で、これくらい強い言葉を使って言ってみました。
ーたしかに、冷笑することで自分を守っている側面もあるから、一概に否定するのは難しいんですよね。
そう、難しいんですけど。ただ、配慮が足りてないのが一番よくないというか。2Bが特に、それを嫌味ったらしく言っていますね。
ー〈まるでシニカルなゾンビ/粗を探して、抉りとって食べる〉、〈はやくスピンドクター回してよ/おいらそれに乗っかるだけ/馬鹿にされる前に先手打っとく?〉とか。2番サビ終わりの〈その面を汚せ〉というのも、今の時代に投げかけるのに意義深い言葉だなと思いました。
みんな恥をかくのが怖いし。
ーここまで話を聞いて逆に気になるのはーーこれまでは、いつも自分や身近な人のことを歌にしてきたじゃないですか。ここまで他の作品に合わせて曲を書くのは新しい筆致だったと思うんですけど、そのあたりはご自身の中でどうだったんですか?
俺、本当に物心つく前から、いとこと一緒にばあさん家で『BLEACH』を見ていたので。気づいたときには『BLEACH』があったくらい身近なものだったので、本当に困らなかったんですよね。むしろ「もう1曲で表現できるかな」くらいの感じでした。
ー自分が吸収してきたものをそのまま書けばいいんだと。そもそも、jo0jiさんの歌に表れている死生観を形成しているものは、田舎で生まれ育ったから、死やそれをどう受け入れるのかということが常に身近にあったとよく話してくれていますけど、小さい頃から『BLEACH』を読んでいた影響も多少はあると思いますか?
たしかに、思ってみればーー死した魂を死後の世界である尸魂界に導いたり、虚と呼ばれる生者・死者を区別なく襲い魂を喰らう存在を昇華したりするのが『BLEACH』における死神の設定で。死を死と捉えていないというか、生き死にを循環みたいに捉えているところは、近いものがあるのかもしれないですね。
ーあと曲名とか、やたらと漢字が凝っているのも、もしかして『BLEACH』が源泉?
その可能性はめちゃくちゃありますね。というか、多分そうだと思います。技の名前とか、全部めっちゃかっこいいですもん(笑)。
今の世の中に必要な「毒」を撒く
ー「I-BULL」のカップリングとして収録される「YOROSHIKU!!!」「zokkou」に関しても聞かせてください。3曲に共通するテーマのひとつは「ロック」で、もうひとつは「勇気」だと思いました。3曲目の「zokkou」の最後が〈止めなきゃバッドエンドはないぜ〉で終わるのも名言だなと思って、結局、「行動することや生きることを止めないための勇気」を歌ってくれている3曲だなと思ったんです。
実はTOYOTAカローラのCMのとき、デモを2曲提出したんですよ。その1曲が(CMに採用された)「条司」で、もう1曲が「YOROSHIKU!!!」のサビでした。「I-BULL」は反骨的な部分と勇気というものをフィーチャーしている曲で、「YOROSHIKU!!!」はダメな大人というか……ひと癖もふた癖もあるけど、憎めないやつっているじゃないですか。それもいいよなって思うので、そういう意味で恥を晒す、というか。「zokkou」は、「諦めない」と「怒り」みたいな。全体的に「怒り」というのはひとつ、テーマなんですよね。だから次のツアーのタイトルも『いかり』にしました。若干キレてるけど、ネガティブなキレではない。よりよくしたく思っているための「怒り」というのがテーマですね。
ーなぜ今「怒り」がテーマになったんだと思いますか? それこそ「YOROSHIKU!!!」の2番みたいに、ここまではっきり他者に中指を立てる感じって、これまであまりなかったんじゃないかと思ったりして。
器用に世渡り上手な人が、あまりにも求められすぎているなと。だけど、それは面白くないって思っちゃうんですよ。配慮は大事なんですけど、ちょっと配慮が足りなかったくらいで揚げ足を取るのは、みんなも生きづらいだろうし。俺がこうやって曲を出していく中で、多方面からの視線を全部鑑みて刺されないように書いていると、どんどん芸術がつまらなくなっていく気がしたので、「そういう感じではやんねえけど、よろしく」っていう曲ですね。「こうあってほしい」とか、いろんな人の意思や願いに合わせて呼吸するつもりはねえよ、っていうことを言ってます。考えるという作業は大事なんですけど、考えた末に言った言葉でもし何かが起きたときに、「その言い方はダメだったけど、お前もお前なりにちゃんと考えた上でやっているんだったら」ということを想像する余力や余裕が受け手にないのが問題だと思うんですよ。あまりにも無菌室みたいなところにいるのは、生きづらくしているだけな気がするので、そろそろこういう毒を撒く人が出てこないといけないなと思って。
ー「どんどん芸術がつまらなくなっていく」というのは重要な言葉だなと思います。それを表現する上で、『男はつらいよ』の寅さんからのインスピレーションを混ぜ込んだのは、どういう理由からですか?(〈恐惶万端引き立って YOROSHIKU!!!〉という歌詞は車寅次郎のセリフをモチーフにしている)。
寅さんって、みんなから慕われている粋ないい男だと思っていたんですよ。そのイメージがある状態で大人になって見ると、すぐキレるし、どうしようもない瞬間がめちゃくちゃあって。だけど憎めないし、みんなが愛しちゃう。その感じとか、そういうものを許すということが、今の世の中に必要なんじゃないかなって。だからこの曲は、寅次郎みたいな厄介おやじが「よろしく」って言っているような曲にしましたね。
ーライブレポにも書いたけれど、そういう「はみ出たところにこそ、人から深く愛される成分が宿る」と思うんですよね(ライブレポートの最後の一文から引用)。ツアータイトルの「いかり」は、そういった「怒り」プラス、船の「錨」のほうの意味もありますよね?
「I-BULL」は、PEOPLE1のサポートメンバーでもある(Hajime)Taguchiさんというアレンジャーの方と作ったんですけど、Taguchiさんからいろんな引き出しを教わったし、それこそTaguchiさんも『BLEACH』が好きだったから一緒にアイデアを出し合いながらいろんな音を詰め込んだりして、制作により自由を感じたというか。「もっとこんなこともやっていいんだ」みたいな意味での自由さを感じたので、音楽でやれることが増えたなと思って。しかもこの3曲、バンドメンバーも演奏なりアレンジなり何かしらで入っていて、バンドメンバーとも連携がより強固になったので、そういう意味でも地に足付くというか、俺の音楽性の一個の指針となる体験ができた気がしたので、ここで一旦「錨を下ろす」というイメージもありました。
ー〈地に足付ける日はまだ遠い〉と、「YOROSHIKU!!!」では歌っているけれども。
地に足付いてるわけでもないけど、重心がちゃんと下にある、みたいなことなんですかね。だから「錨」ですね。「陸」ではないっていう。
ーjo0jiさん自身もこれから、周りの波に流される感じではないよ、ちゃんと自分でコントロールするぞ、と。
流されはせんよと。動くときはちゃんと錨を上げて動くから。
昭和、平成、令和を掻い摘んだロック
ー「zokkou」は、曲を聴きながら「自分も全然大人になりきれてないな」っていう感情に浸っていたら、梅津(和時)さんのサックスが聴こえてきて、こんなに歳を重ねてもロマンを追い続けて生きてくれている人が先にいるんだっていうことを思い知って、すごく勇気もらう曲でした。端的に言えば、めっちゃ沁みます。
ありがとうございます! これは梅津さんと出会って書けた曲ですね。「雨酔い」で入ってくれたときも、ライブを一緒にやったときも思ったんですけど、76歳の梅津さんが誰よりも若い瞬間があって。「かっけえな」「いつでも青春やってんな」みたいな感覚がすごくあったんですよ。俺は今26で、自分よりも年下のミュージシャンなんてたくさんいて、自分は年相応のものを作らなきゃみたいな気持ちもちょっとあったんですけど、「そんなの関係なくね?」という勢いとか、「今が一番若いんだぜ」みたいなメンタルってすごく大事だなと思って。「I-BULL」で書いたように〈面を汚せ〉みたいな勢いはいつになっても持っておくべきだし、きっとそれが人生を豊かにするんだなということを、梅津さんを見て思ったんですよね。だから「青春を続行する」「パーティーを続行する」という意味で、「zokkou」というタイトルをつけました。小さい頃の思い出とかがなくなっていったとしても、また新しく作っていけばいいということを、そのまま勢い任せに突っ切る曲ですね。
ー「雨酔い」と同じレコーディングのタイミングで梅津さんに吹いてもらったとかではなく、そのあとまたスタジオに来てもらったんですね。ということは、jo0jiさんともバンドメンバーとも、梅津さんとの関係性が深まった中で、あれを吹いてくれたんですね。
そうです、最近録りました。できたてほやほやです。「勇気をくれ」って言ったあとに、間奏でサックスが入ってくるということをすごくやりたくて、だからこの歌詞を書きました。それを説明してブースに入って吹いてもらったら、梅津さん、一発で決めたんですよ。そこでも「やっぱり梅津さんはかっけえな」って思いました。
ーしかもこれ、サウンドも、いわゆる古き良きロックと今のロックを混ぜ合わせたような仕立てになっていますよね。
そうですね。ドラムとかが特にそうで。ドラムンベースなんですけど、半分のテンポで叩いたものを倍速にしてあれになっているんですよ。生音だけど生音じゃない、みたいなことをわざわざやったりして。梅津さんが吹けば何十年ものキャリアが乗って、歴史があって、懐かしさも感じるような音が鳴ることが担保されていたので、ブレイクビーツとかでデジタルっぽいものも混ぜてみました。最後の〈嗚呼、なんてロマンチック!〉のセクションから一気にバンドになるんですけど、ここは全部生音なんですよ。だから機械とか世の中のしがらみに雁字搦めになって、肉体性をなくしている私たちが、勇気をもらって解放される、というストーリーです……作っている途中にふざけながら、みんなでそんな話をしていただけなんですけど(笑)。
ーいや、jo0jiさんの曲はどれも、そうやってアレンジで描き上げるストーリーが美しいなと思います。しかも「zokkou」はそのアレンジによって、jo0jiは過去と現在のロックを繋ぐ人だというアーティストとしての立ち位置を示す曲にもなっていますよね。
昭和、平成、令和をちゃんと全部掻い摘むという意識ではやっていました。だからこの曲はちょっとチバユウスケさんっぽく歌ってみたりとか、色々していますね。
ライブのMCで吐露したこと
ー6月にはイギリス、オランダ、フランスで『呪術廻戦』の劇伴ワールドコンサート『Jujutsu Kaisen in Concert』に出演されていましたけど、海外ライブはどうでした?
めっちゃ楽しかったです。土地ごとで反応が違ったんですけど、総じてめちゃくちゃ盛り上がりました。やっぱりアニメってすごいなと思いました。これだけ距離が離れている人たちにも届いているんだって思ったし、言語が違っても音楽で伝わるものがたくさんあるんだなと改めて感じました。音楽をやっていてよかったなと思った瞬間でしたね。
『Jujutsu Kaisen in Concert』
ーこのあと8月にマレーシア、台湾でのライブも決まっていますよね。そうやっていろんな国でライブをすることで、自分の音楽を海外に届けることの理想も変わってきました?
今年初めてパスポートを取ったのに、いっぱい海外に行くことになって。日本人として日本語で歌って届くことがわかったし、特にライブならなおさら伝わるんだなと思ったので、やっぱり日本語で歌うべきだろうなと思いました。「意味はわかんねえけど、多分こういうこと言っているんだろうな」みたいなことを、なんとなく感じて聴いてくれていた気がしたので。
ー最近のjo0jiさんのライブを観ていて、お客さんに対して何を手渡したいのかとか、自分がどうありたいかが、ちょっとずつ変わってるんじゃないかなという気がしたんですけど、そういった変化はありますか?
なんて言うんでしょう……今までの人生で、音楽を生業にするために何かを積み上げてきたかって言われたら、全然そんなことなくて。運とか成り行き任せでここまできちゃっているから、頑張って準備はするんだけど、最終的には「出たとこ勝負」みたいなところがある気がしていて。だから自分がやれることは、取り繕うというより、自分を晒し上げることしかないんだろうなって。
ー「アーティストという立場から何を与えられるのか」みたいなことより、自分が裸で行くのが一番だっていうマインドになったんですね。
そうですね。そうじゃないと人を動かせないというか。スキルがないので、裸一貫でいかないと何も変えられないなというふうに思う。そういうふうにやるしかない、という感じですけど。
ースキルがないことはないですけど、絶対に。
やっぱり上には上がいるということを、東京に来るとより知るし。「こんなにできる人がたくさんいるんだ」ということを思ったので。そうなったときに、自分に差し出せるものはそんなことくらいしかないな、っていう感じですかね。
ーツアー中に作った「東風」という曲を、ファイナルの東京では、できたてほやほやの状態で弾き語りで披露する場面がありました。あれも丸裸ソングですよね。曲自体も、jo0jiさんのギター弾き語りも素晴らしくて、ファンからはリリースも待ち望まれているだろうなと思います。
どこかで出せたらいいですね。最近のFCライブでもやったんですけど、反応がよくて、ちゃんと作り上げようと思っています。あれが一番新しい曲ではあるんですよね。
ーあの曲を演奏する前に、ツアーのリハ期間中は「五月病だった」という言い方をMCでされていましたけど、改めて聞くと、その時期は何にモヤモヤを感じていたんですか。
なんでしょうね……自分と世の中の乖離がデカかったんでしょうね。どうしてもこっちもいい面しか出さないし、「いい人」みたいな感じで思われるのに嫌気が差していたのかもしれないですね。世の中、悪いやつのほうが少ないじゃないですか。それは当たり前のことじゃないですか。「いい人」の値は人によって違うかもしれないけど、「いい人」は基本というか、いい人じゃないと生きていけないし。それはそうだけど、「すごくいい人」みたいになっているのが、なんか気持ち悪くて。誰かから思われている「いい人」という像を崩さぬように、ニコニコしたりするのもめんどくせえなってなってたし。関わる人間が増えて、いろんな人の期待が乗って、それに応えなきゃっていう、自分の中の「いい人」が先行するがあまりに自分のやりたいこと、やりたくないことが、ちょっとずつ見えなくなってくるんだろうなって。大体の人は見えなくなってから困ると思うんですけど、その手前だったのでよかったです。「東風」を書いて、心が整った気がします。
ーよかったです。そういうのが見えなくなっちゃって苦しんでいるアーティストも、たくさん見てきているので。
そうですね、多分たくさんいるんだと思う。そういうことを言えないような状況にいる人もいると思うので、自分がこうやって言える状況でやれているのはすごく幸せなことだなと思います。
ー裸でステージに出て、恥を晒して、怒りも見せて、それでいて錨を下ろすか上げるかも自分で握ってーー自分がちゃんと生きやすいように、jo0jiとして歩き続けやすいように、この先も積み重ねていってください。
そうなってほしいですね。
<INFORMATION>
jo0ji
『I-BULL』
配信中
https://jo0ji.lnk.to/I-BULL_PaPs
jo0ji
2nd Single『I-BULL』商品情報
9月2日(水)発売
初回仕様付期間生産限定盤 KSCL-3668 ¥1,650(税込)
※アニメジャケット絵柄ミニステッカー封入
CD購入リンク:https://jo0ji.lnk.to/I-BULL_PKG
<収録曲>
1. I-BULL
2. YOROSHIKU!!!
3. zokkou
4. I-BULL Anime size
5. I-BULL Anime size – instrumental-
【CD購入者特典】
・Amazon:メガジャケ
・楽天ブックス:アニメJK絵柄ポストカード
・セブンネット:アクリルカラビナ型
・タワーレコード:アニメJK絵柄ポスター
・Sony Music Shop:jo0jiロゴピック
・アニメイト:アニメJK絵柄ミニフォト
・応援店:jo0jiアーティスト写真絵柄ポストカード
【ライブ情報】
jo0ji one-man tour 2026 「いかり」
2026年11月1日(日) 神奈川 KT Zepp Yokohama 開場 16:00 / 開演17:00
11月3日(祝・火) 石川 金沢 EIGHT HALL 開場16:15 / 開演17:00
11月8日(日) 大阪 Zepp Namba(OSAKA) 開場16:00 / 開演17:00
11月14日(土) 香川 高松 festhalle 開場16:15 / 開演17:00
11月15日(日) 広島 BLUE LIVE HIROSHIMA 開場16:15 / 開演17:00
11月22日(日) 北海道 Zepp Sapporo 開場16:00 / 開演17:00
11月28日(土) 福岡 Zepp Fukuoka 開場16:00 / 開演17:00
12月5日(土) 愛知 Zepp Nagoya 開場16:00 / 開演17:00
12月13日(日) 東京 Zepp DiverCity(TOKYO) 開場16:00 / 開演17:00
12月19日(土) 宮城 SENDAI GIGS 開場16:00 / 開演17:00
eplus.jp/jo0ji/


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