人気情報番組「王様のブランチ」(TBS系列)で、レポーターとして長く活躍したタレント・鈴木あきえさん(39歳)。
元気で明るい姿でおなじみの彼女も、先日第3子を出産。
2人の時の方が大変だったと語る彼女だが、芸能活動と育児をどう両立させているのか。本人を直撃した。

3人の我が子に囲まれる鈴木あきえ(39歳)。「精神的に追い込...の画像はこちら >>

3人育児で身についた“諦め”

――今年2月に3人目のお子様を出産、おめでとうございます。率直に3人の子育てって、忙しすぎませんか?

鈴木:物理的にやることが増えたのは事実ですね。家を回さないといけないので、朝早く起きてご飯を作ったり、帰宅が遅い日はみんなの夕食まで作っておいたり、掃除したり子どもたちとコミュニケーションをとったり。だけど、「3人になったから急に大変になった!」という感覚は少ない日々です。

――意外ですね。物理的にはやることは増えているのに。精神面で変化があったんでしょうか?

鈴木:私としても意外でした。精神的に「いい諦め」がつくようになったんだと思います。NHKの『すくすく子育て』に出演させてもらっていた時、子どもは2人だったんですが、専門家の方に「大変すぎて、悩みがつきなくて」って相談してましたね。

――むしろ2人の時の方が、心情的に追い込まれていたんですね。

鈴木:そしたら専門家の方が、収録の合間の雑談で「もう一人産んだら変わるかもよ」とおっしゃられていたんですね。
その時は「ホントかな」と思っていたんですが、今はめちゃくちゃわかります。2人だと両手を繋げちゃうんです。でも3人となるともう手が足りないから、どうやっても諦めるしかないことが出てきますね。それで、私も「いい諦め」ができるようになりました。

――親がその諦めを持つことで、子どもも自発的な成長ができそうですね。

鈴木:3人目が生まれた後に私がワンオペだった日があって、3人同時にお風呂に入れるのは、さすがに無理だと思って、小学2年と年長の2人に初めて「自分たちで入ってきて」って言ったんです。

そしたら、ちゃんと2人で入れたんですよ。ちゃんと体を拭いて保湿クリームまで塗って出てきました。逆に、私が赤ちゃんをお風呂に入れている間に、上の子2人はご飯をキレイに食べ終わってました!

母になるのは夢だったが、現実は厳しく

3人の我が子に囲まれる鈴木あきえ(39歳)。「精神的に追い込まれていた」時期を経て、育児と芸能活動を両立させるまで
今では3人の母に
――親子ともに成長した瞬間ですね!「母親になりたい」という意識は、独身時代からあったんですか?

鈴木:めちゃくちゃありました。高校時代から「お母さんになりたい!」と思っていて。とにかく子どもが好きで、保育系の短大・専門学校を目指していましたし、「早く自分の子どもにも会いたいな」って思っていましたね。

――その母性が生まれるには、なにか環境の影響もあるんですか?

鈴木:たしかに母性は大きいのかもしれません。私の実家がものすごく仲のいい家族だったからかもしれませんね。
そのおかげで「家族という最高のチームを作りたい」って思うようになりました。

――そうして2018年に最初のお子様を出産されますが、母親ルーキーとしてはイメージ通り行きましたか?

鈴木:私が未熟だったせいもあって、イメージ通りにはいきませんでしたね。夫に「あなたはいいよね。仕事だけやってればいいんだから。私は仕事から帰っても、育児や家事という仕事もあって全然休めないのに」みたいに、不満をめちゃくちゃ溜め込んでいました。

――未熟だったというのはどんな部分ですか?

鈴木:母親になって気づいたんですが、私は誰かに助けを求めるのが超苦手だったんですよ。出演していた『すくすく子育て』で「受援力」という言葉を学んで変わってきたね。つまり、助けをもらう力のことなんですが、周りに頼るのが苦手な人も、どうすればサポートを受けられるかという話で。

――実際問題、1人で抱えるには負担が大きすぎますからね。

鈴木:受援力の考え方を学んでから、助けを求めるスキルがメキメキと上がってきました(笑)。今は、家族で色々補い合ってのチーム感も出てきたし、ここ1~2年は私が頑張っている感じはほとんどないくらいまできました。ママ友に助けてもらっていることもたくさんあるし、助けてもらいすぎですかね(笑)。


「対等の視点」を得ることができた

3人の我が子に囲まれる鈴木あきえ(39歳)。「精神的に追い込まれていた」時期を経て、育児と芸能活動を両立させるまで
育児の資格も取得した
――育児の中で、チャイルドマインダーの資格も取られていますよね。これはどういう資格ですか?

鈴木:イギリス発祥の資格で、家庭保育のスペシャリストという感じですね。イギリスでは国家資格になっています。コロナ禍で授業がオンラインだったので、育児しながらでも通学せずに勉強ができました。

――どんなことを学ぶんですか?

鈴木:育児や教育をすると、どうしても親子は上下関係になってしまいがちなんですが、子どもにもちゃんと人格があって、教えるという構造があってもどう対等に接するかという視点は、いい学びになりましたね。

――時間的に追われていたり、繰り返し言うことを聞いてくれなかったりすると、どうしてもトップダウンな言い方になってしまいますが。

鈴木:そうですよね。でも、子どもが成長する中でどんな時期にどんな感情が芽生えるか、その感情が行動としてどう現れることが多いかも教わります。そのおかげで、「あ、今はこんな気持ちになっているからなんだ」と、子どもの感情ごと受け入れながら接することができるようになりました。まあ、心に余裕がある時だけなんですけどね(笑)。

悲しい経験を乗り越えて…

――先日3人目が生まれて、思いを新たにしたことはありますか?

鈴木:妊娠出産の奇跡も感じましたし、子どもが元気で目の前にいてくれることは当たり前じゃないんだと、改めて実感する毎日です。

――日常だと忘れがちですが、命は儚い一面もあります。その思いは、昨年の辛いご経験からきている部分もありますか?

鈴木:そうですね。
3人目が生まれる1年くらい前に、稽留(けいりゅう)流産を経験しました。年齢的にも、流産する可能性が低くないことは頭ではわかっていましたが、「まさか自分が」という気持ちでしたね。

――簡単には受け入れられないですよね。

鈴木:検診で「赤ちゃんの心拍が動いていません」って伝えられたんですけど、家に帰ったらリモートで働いている夫がいて「どうだった?」と聞かれました。もちろん、当たり前に元気に育ってた報告が来るだろうというスタンスで。夫の問いかけを聞いた瞬間、声をだして泣きましたね。私、感情を出して泣くタイプじゃないんですが、その時はもうダメでした。7年前に父が亡くなったんですが、声を出して泣いたのは人生でその2回だけですね。

――言葉にならないショックですよね。

鈴木:でも、授かった赤ちゃんが少しの間でも私のところに来てくれたことで、色々と考えることができました。子どもたちは毎日うるさいですけど、「うるさくてありがとう」くらい思えるようになりましたね。

どんな事も意味があって起きていると思うので、あの赤ちゃんに会えなかったのは残念ですけど、今の子育てのハッピーにも繋げてくれている感じがします。


=====

「元気で明るい鈴木あきえ」はあくまで表の顔。育児に苦しんだ時期も、言葉にできない喪失もあった。それでも、悩みながら自分なりの答えを探し続けてきたからこそ、今の柔らかな強さがあるのだろう。「完璧じゃなくていい」という彼女の言葉は、同じように日々に追われる私たちの心を少し軽くしてくれる。

3人の我が子に囲まれる鈴木あきえ(39歳)。「精神的に追い込まれていた」時期を経て、育児と芸能活動を両立させるまで
鈴木あきえ


<取材・文/ Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
編集部おすすめ