心地よく安全な暮らしを維持するためには、日頃から挨拶やコミュニケーションを通じて近隣住民と良好な関係を築いておくことが不可欠です。そんな中、信じられない出来事に遭遇することもあるでしょう。

主婦の石塚エリさん(仮名・38歳)は、ありえない場面に遭遇したことがあると言います。

「ゴミの分別をしない人が現れて、集積所にゴミが散乱するようになったんです」

ゴミ捨て場が荒れ果てて……


「誰かが処理してくれると思った」ゴミ分別違反の20代男性を注...の画像はこちら >>
エリさんは、担い手不足と高齢化もあって自治会長をやっているのだとか。2、3カ月前から可燃ごみに缶やプラスチックが混ざっているゴミが出されるようになり、回収車が来てもゴミ袋に「収集できません」のシールが貼られるようになったそう。

「回収されなかったゴミが数日放置されて悪臭が発生し、カラスやネコに荒らされ道路にゴミが散乱するようになってしまいました。ゴミを出した人物が取りに来ないので、仕方なく私がゴミの処理をしていたのです」

「迷惑している」と貼り紙を出すも……


近隣住人から「ゴミ捨て場がカラスに荒らされて臭い」「ゴミが散乱していて衛生的にも良くない」とクレームが入ったので、ゴミ捨て場にある掲示板に「マナーを守ってゴミを捨ててください」と貼り紙をしたのだとか。

また、「早朝にゴミを放り投げる音がうるさい」と、騒音に対するクレームもあったそう。

「私は、違反ゴミを出す人と同一人物であると予想しました。どうしたらいいのかと考えて、とにかく犯人を特定しようと、ネットで色々調べてみることにしました」

ゴミ袋を勝手に開封して住所や名前が書かれた書類を探すという方法が見つかったと言います。でも、それで解決したところもあれば、逆に玄関前にゴミを突き出す嫌がらせを受けたケースもあると知ったのだとか。この解決方法はプライバシーの問題もあるうえ、やり過ぎな気がしたし、なるべく穏便に事を済ませたかったので他の方法を考えることにしたそう。

証拠集めを開始


「まず違反ゴミに関して証拠を色々な形で集めることにしました。違反ゴミの写真を日付がわかるようにスマホで撮って毎回保存して。あと『週に何回くらい捨てられるか』『どんなゴミか』をメモに残したのです」

まだまだクレームも多いので、具体的に「カラスが散らかして異臭がひどく窓が開けられない人がいます」「ハエやゴキブリなど害虫が発生している」と大きく書いてゴミ捨て場の掲示板に貼り紙を出したのだとか。

「ある日、違反ゴミをいつものように片づけていたら、近所の人に『出せば誰かが処理してくれると思われているんじゃない?』と言われました。そこで、あえて数日間ゴミを放置して、袋に『〇月〇日排出。
分別ルール違反(缶やプラスチック混入)のため回収できません。出した人は持ち帰ってください』と大きく書いた赤い紙を貼りました」

自治会で防犯カメラを購入


周りの目に触れるようにすることで犯人が羞恥心から持ち帰るのを期待したそう。それでも効果がなかったので、自治会で話し合って会費からお金を出して防犯カメラを購入したのだとか。

カメラを取りつける壁の所有者である田中さん(仮名・65歳)に事情を話すと、快く許可をしてくれたそう。

さらに、違反ゴミを出す人がいるので、防犯カメラをゴミ捨て場に取り付けることを回覧板でみんなに周知したと言います。

違反ゴミを出していた人物と対面


「誰かが処理してくれると思った」ゴミ分別違反の20代男性を注意したら“思わぬ結末”に
※写真はイメージです(画像生成にAIを使用しています)
「防犯カメラをゴミ捨て場に設置して『防犯カメラ監視中』のステッカーを目立つように貼りました。翌日カメラを見てみると、犯人は早朝に車で来て、ゴミを放り投げていたとわかって。

最初こそ一人で待ち伏せをしようと思ったけれど、なにがあるかわからなかったので、その時間帯に自治会の役員の男性である山下さん(仮名・50歳)と一緒に待ち構えることにしたのです。そこでゴミを捨てようとした20代くらいの男性に『いつも分別しないでゴミを捨てていますよね』『悪臭やゴミの散乱でみんなが迷惑している』『掲示板の注意書き見ましたか?』と、山下さんと2人で『みんなが困惑している』と伝えました」

さらに証拠としてスマホにあるゴミの写真もすべて見せたそう。

20代くらいの男性は反省した様子で「すみませんでした。2~3カ月前に引っ越してきたばかりで分別のルールがよくわかりませんでした」「次に来ても前回のゴミがなかったので、それでいいと思っていました」「掲示板の貼り紙は見ていなかった」と話したのだとか。

「ゴミの問題が解決したことで周りから『よくやったね』と褒められ鼻が高くなりました。ただ、20代くらいの男性とばったり顔を合わせることがあっても、少し気まずいというか。
こちらが挨拶しても向こうから顔をそらされるようになってしまいました」

こうした近隣トラブルは、個人だけで対応すると、逆恨みされたり、新たな火種を生んだりするおそれがあります。自治会で情報を共有し、必要に応じて行政にも相談するなど、地域全体で解決していくことが大切です。

<取材・文/菜花明芽>

【菜花明芽】
ライター。ゾッとする実録記事を中心に執筆中。カフェでのんびり過ごすことが好き。
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