毎週月曜日は東京新聞との紙面連動企画。

今週、台風6号が近づくと言われていますから、みなさんの身近でも起こるかもしれない『都立公園で相次いでいる倒木』について、取材をした記事を取り上げます。

砧公園で5本、GWには善福寺公園でも!

どのような状況なのか。東京新聞社会部記者の奥野斐さんに伺いました。

東京新聞社会部記者 奥野斐さん

「今年3月以降に、世田谷区の砧公園で5本の木が連続して倒れた日もありまして、それからゴールデンウイーク中の5月5日にも杉並区の善福寺公園でクヌギの木が倒れました。

東京都建設局の担当者の話では、今年、倒木が急激に増えたというわけではないということでした。昨年度、都立公園などでの倒木は86本ありまして、来園者でけがをした方が3人、車などに当たってへこんだというような物損事故が34件あったとのことです。ただ、細かな数字っていうのは、なかなか東京都の方も把握してませんで、こちらの取材では、昨年度は86件というのは出たんですけども、それより以前っていうのの細かな数字は、ちょっと教えていただけませんでした。」

86本も倒れていたんですね。意外に多くて驚きました。

都立公園の管理は、基本的に指定管理者と呼ばれる指定されたところが行いますが、そこが、それぞれ対応してるので、倒木して対処した時に報告が上がってくる、という形。なので、どうも、細かな数字は把握できていないようなのです。例年このくらいなので特別に多いわけじゃないですよ、というには昨年度だけだと、ちょっと不安な気もしますよね。

老木や記録にない自生樹もあり、把握が難しい!

とはいえ、都立公園の指定管理者は、毎日の公園の監視や木の定期点検もしています。では、なぜこんなに相次いで倒れるのか?再び奥野記者のお話です。

東京新聞社会部記者の奥野斐さん

「外観からは分からない樹木の病気もあるようなんですね。取材の中では、人間ドックを受けていても突然死を完全に防げないように、定期点検をしていても倒木はゼロにはならないという声もありました。

で、そもそも、都立公園と都立庭園が全部で84か所あるんですけれども、約三分の一は開園が1965年以前で、開園から60年以上経っているようなところで、古い樹木も多いんですね。さらに開園以前に、公園みたいな形ですでに使われていて、そこに木があったり、風で運ばれた種から芽が出て大きくなった木もあったりして、どれくらいの樹齢の木が何本あるかという詳細が把握できてないということでした。」

昔からある大きな木がたくさんあることで、利用者にとっては緑豊かな良い公園になるわけですが、それが故に一本一本の木々を把握するのが困難な状況でもある、ということなのです。

相次ぐ倒木を受けて、都は連休前の4月に都立公園の、高さ3m以上の木80万本に対して、職員による緊急の一斉点検を行いました。そして、約1万4千本に枝折れや枯れという異常があったことを発表しました。そして、これらの木は、必要に応じて伐採や剪定、植え替えを進めています。

相次ぐ都立公園での倒木の画像はこちら >>
<倒木があったこと、そのため調査をしている旨を伝える看板が善福寺公園にありました。>
相次ぐ都立公園での倒木
<近づかないように紐を張った木や、支えが施された木も>
相次ぐ都立公園での倒木
<あちこちに、注意喚起の看板がありました。>

対策は必要、でもあんまり切ってほしくない

身近な都立公園での相次ぐ倒木や今回の一斉点検について、利用者はどう感じているのか?善福寺公園でお話を聞いてみました。

▼「ちょうど倒れて2~3分後にそこ通りかかって『今、倒れたところ』って言われましたけど。池に倒れたので、水しぶきがバーって上がって道路が濡れてましたね。急にすごくチェックが入って、まあ、どうなんですかね、ちょっとやり過ぎかなって気もしないでもないです。これだけ大きくするのには時間もかかりますので。」

▼「なんか今ね、あちこちで倒れてたりしてるので、公園とか行くと、大丈夫かな?ってちょっと気をつけながら歩くようなところは、最近はありますね、やっぱり。危ないのかなとは思いますけど、まあねえ、切ってしまうとね、それで終わりなので。」

▼「全然怖くはないけどね、なんか自分のペース崩されて、ちょっと戸惑ってんですけどね、いつもあそこずーっと通って、あの辺のベンチでいつも座ってるんだけど、今そこ、ちょうど仕切られて入れなくなってるでしょ?だからあの辺のあれが倒れたのかどうか、ちょっとわかんないんですけど。

全然そんな気配は感じられなかったですけどね。」

▼「子供と一緒に来てます。まあ、怖さはあるんですけど、気をつけながら使ってます。なんか若い木は良いんですけど、年齢がいってる木は、たしかにちょっと、少し切っていただいた方がいいかな~とは、思ったりはするんですけど、難しいですよね、この辺は緑が多くて、そこが良いとこだったりもするので。」

対策はきちんとしてほしい、でもなんとなく切ってほしくはない。古い木が切られてしまうことに抵抗がある人が多かったです。その気持ちも分かりますが、今の利用者の声のように、自然保護の観点から伐採には反対意見も多く、都も、安全対策とのバランスに非常に苦労していると奥野記者はおっしゃっていました。

実際、取材の中では、切るのはかわいそうという声が多く、寿命を迎えた木を切れなかったこともあった、と話す都の職員もいたそうです。

けが人も出ているので、都は、必要な伐採については、理解を得るため周知を徹底する、としています。

風が強い日の翌日は、倒木の危険が高まる!

最後に奥野記者に私たちの方でもできる、倒木対策についても教えてもらいました。

東京新聞社会部記者の奥野斐さん

「私の取材の中では、風が強い日にはあんまり外に出ないとは思うんですけど、その翌日、やっぱり揺さぶられた後は、枝が落ちたり倒木の危険性は高まるそうです。なので、特に幹回りの太い木、古い木っていうのはそういうことなんですけど、あとは背丈の高い木には、ちょっと近づかないようにしてみるとか、いつも以上に注意して歩いてみるとか、そういったことも必要かと思います。」

風が止んだら油断してしまいそうでしたが、強い風に揺さぶられた翌日も倒木の危険が高いんですね。

台風も近づく可能性がありますし、これからの時期は外での活動も増える季節ですから、気をつけたいですね。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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