6月なのに、もう暑い。気象予報士の森田さんも、今年も暑くなりそうだと話していました。

灼ける滑り台に、タープを

そんな中、いま、まちのあちこちに「日よけ」を作ろうという動きが広がっています。まずは、公園。「暑すぎて遊べない」という声を受けて、地域の市民団体が手作りの日よけを組み立てました。杉並区の「善福寺どんぐり・ピクニッククラブ」の中島直人さんに伺いました。

善福寺どんぐり・ピクニッククラブ 中島直人さん

滑り台がついている遊具の、その上空が木に覆われていなくて、結構日が当たる。南側から日が当たるので、基本的にはそれを全体を覆う形で日よけをかけます。私たちはもともと子供たちを介してつながっていた親たちが作った団体なんですけども、そもそも公園で子供を遊ばせているとき、本当に遊具もものすごく熱くなってしまうし、熱中症にもなってしまう。

だけど一方で、特に夏休みになると、子供たちがずっと家にいる。家にこもってゲームをやったりする。少しでもやっぱり外に出て遊べる時間は大切なんじゃないかなと考えまして、こういうタープをかける取り組みをやろうと。その効果とか、とにかくずっとアンケートを配って、その場で答えていただく。朝から晩まで、大体真夏の二日間ぐらいは、公園にずっといたということになります。

外で遊ばせたいのに、暑くて遊べない。

そんな思いから生まれた取り組みでした。

灼ける滑り台、ジリジリの信号待ち 街に増える”日よけ”の画像はこちら >>
灼ける滑り台、ジリジリの信号待ち 街に増える”日よけ”

滑り台に、日よけ。とはいえ、張り方がちょっと独特です。地面にテントを立てるのではなく、全部頭の上で組んでいきます。滑り台の頂上に木の棒を立てて、そこを頂点として、周りの木にロープを放射状に伸ばす。そのロープとロープの間に、1メートル四方の布をかけていきます。大きな一枚布より、この方が風の影響を受けにくいのだそうです。

そもそも、夏の遊具はものすごく熱い。東京都の調べでは、表面が70度を超えたこともあるそうです。善福寺公園には木陰もありそうですが、ちょうど広場の真ん中にある「滑り台」には、影が届きません。

きっかけは、メンバーの一人の一言でした。オーストラリアのメルボルンでは「遊具に日よけをつけるのは当たり前」。

それを聞いて、「じゃあ善福寺公園でもやってみよう」と始まったそうです。この2年間は、中島さんたちが自腹でタープを買い、設置して、利用者にアンケートをとって効果を検証してきました。そのかいあって、今年から正式な取り組みとして東京都が予算をつけ、7月20日~8月末まで、期間限定で日よけが張られることになりました。手弁当の実験が、行政を動かしたのです。

駅前のスクランブル、ジリジリの信号待ちに

こうした「日よけ」は、実は今月から御茶ノ水にもできました。千代田区・環境まちづくり部の川又孝太郎さんに伺いました。

千代田区 環境まちづくり部 川又孝太郎さん

今年の6月1日からですね、御茶ノ水駅前の歩道に日よけを設置しました。まあテントみたいなもんですね。10人ぐらいは入れる。結構スクランブル交差点の歩道の脇になっているので、まったく建物の影にならないような場所になっている。やっぱり信号待ち、大体この交差点に滞留する人というのは信号待ちでいる人なので、信号待ちのときには皆さんその日よけのある場所の下に入っておられて、信号が変わると交差点を歩いていく。

もちろん他にも設置できうる候補はあると思いますけども、効果検証という意味で、まず一か所やってみようということで、そこに設置することにしました。

灼ける滑り台、ジリジリの信号待ち 街に増える”日よけ”

信号待ちは、日陰がないとつい電柱の細い影に入ったりしてつらいものです。

ここは街路樹を植えるのが難しい場所なので、人工的に日よけを立てたのだそうです。

実は、熱中症が起きた場所を東京都の統計で見ると、35%ほどが「道路上」。意外にも、こうした信号待ちや歩道で、たくさんの人が倒れているのです。

幅は5メートルほど。10人くらいが入れる大きさで、実際、利用している人が多くいました。信号待ちの空間の、ちょうど真上に、布の日よけが張られています。しかも出し入れができて、基本的には朝8時から夕方6時まで。夜間や、風の強い日は畳んでしまうそうで、時間になると、係の人がシュルシュルッと広げるロールタイプです。

「ありがたい」、でも「狭い」

赤信号の待ち時間を測ったら、「1分15秒」。短いようでいて、この間、直射日光に当たるとジリジリきます。では、通る人はどう感じているのか。現場で聞いてみました。

あ、そうなの。知らなかった、全然気が付かなかった。これだけ暑いから、私はもう傘を持って。これから暑くなったらね、太陽をあんまりかぶるとしんどい。

日差しのところとここだったら、多分暑さが全然違うと思う。

通ります、1週間に1回。ありがたいです。子供がいるんで、あった方が夏場はやっぱり助かるなって感じはします。

あんまり意味がないと思います。狭いから。人がもっと多いんで、狭いと思います。

毎日通ってます。

長さがちょっと微妙で、もうちょっと長くないと役には立たないかな。

改札を出た屋根の下で待ってました。青になったと思ったら、サーッと。この日差し、目からも日に焼ける。ありがたいはありがたいけど……ミストも出るんですかね。出なさそう。出そうにないね。

灼ける滑り台、ジリジリの信号待ち 街に増える”日よけ”

いちばん多かったのが、「狭い」という声でした。利用する人の数を思えば、たしかに10人ではやや手狭かもしれません。しかもこの交差点はスクランブルなので、信号待ちの場所が10か所くらいに散らばっています。今回、日よけが立ったのは、そのうち一番広い一か所だけです。

まずは10月末までの実験。

本当の酷暑日に、どこまで効果が出るのか、これから検証していくそうです。たった1分の信号待ちでも、日陰の取り合いになる。こうした工夫だけでは追いつかないほど、夏は暑くなってきました。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』より抜粋)

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