宇宙開発の競争が激化する中、ごみ問題が深刻化。世界に先駆けて、問題解決に乗り出した日本企業とは。



月の裏側から見た地球。NASAが主導する半世紀ぶりの月探査プロジェクト「アルテミス計画」の宇宙船が撮影しました。

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1957年、ソ連のスプートニク1号以来ロケットを宇宙に打ち上げたのは7200回。月へ行ったり、宇宙ステーションを作ったり。人工衛星の数は、2万5000個を超えます。宇宙開発はますます加速していますが、実は大きな問題が。

廃棄された人工衛星や切り離されたロケットの部品、さらに小さな破片などを含めると1億数千万個もの「宇宙ごみ」が地球の周りを漂い、稼働する人工衛星との衝突リスクが高まっています。

ごみだらけの「宇宙の掃除」に取り組む、日本の最先端企業に潜入しました。

廃棄された人工衛星やロケットの残骸… 宇宙にあふれる“ごみ”が深刻化 「宇宙の掃除」に取り組む日本の最先端企業に潜入
CBC

宇宙の環境問題に取り組む会社に潜入!

東京都墨田区、スカイツリーのお膝元に本社を構えるのが、2013年創業のスタートアップ企業「アストロスケール」。

(大石邦彦アンカーマン)
「天井には人工衛星の模型が吊るされています」

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(大石)
「いきなり宇宙空間にいざなわれました。(部屋の)真ん中に地球があって、周りが宇宙ってことですね?」

(アストロスケール 広報宣伝部長 吉田晃さん)
「そうですね、宇宙の環境問題に取り組んでいる会社。スペースデブリ(宇宙ごみ)と言われる、過去に打ち上げたロケットの上段部分や壊れた衛星のソーラーパネルなどが浮遊している」

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廃棄された人工衛星やロケットの残骸などが放置

GPSや気象予報のため、続々と打ち上げられる人工衛星。しかし、使われなくなった衛星や打ち上げ後のロケットの残骸などを回収する技術はなく、宇宙空間にごみとして放置されています。

その数は年々増え続け、10センチ以上の大きなごみは約4万5千個、数ミリ単位の小さいものは1億数千万個と推定されています。

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(吉田さん)
Q.小さいものだったら、ぶつかっても大したことないのでは?
「スピードがめちゃめちゃ速くて、秒速7~8キロと言われている。東京~大阪を1分で行くほど、目にも見えないスピード。ちょっと衛星に当たるだけで、機能しなくなる」

秒速7キロ=時速25000キロ、音速の20倍です。2016年には、国際宇宙ステーションの窓に極小さな宇宙ごみと見られる物が衝突して痕が出来たほか、2021年には、宇宙ごみによって国際宇宙ステーションのロボットアームに穴があいた事例も。

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他の浮遊物にぶつからず“宇宙ごみ”をキャッチ!

(吉田さん)
Q.置かれている物はなんですか?
「デブリキャッチャーというもの」

デブリキャッチャーとは、地球の周りを高速で回るデブリ(ごみ)を捕まえてみる模型。

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(吉田さん)
「赤色の球(ごみ)自体が回っているので、その動きに合わせてアプローチする」

(大石)
「赤に近づく動きをすればいいんですよね?難しい…白色の球(他の浮遊物)にぶつかります」

(吉田さん)
「他の浮遊物にぶつからないようにするのが、弊社のRPOという技術」

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世界で初めて“宇宙ごみ”除去の実験に成功

2021年にアストロスケールが初めて打ち上げた実験衛星は、宇宙で模擬デブリを捕獲し、それを大気圏に落として焼却するという一連の流れを軌道上で実証することに、世界で初めて成功。

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2024年には、打ち上げた実験衛星が実際のデブリに約15メートルの距離まで接近し、観測を行いました。

(吉田さん)
Q.監視だけで、捕獲はどうする?
「フェーズ1は観測だったが、フェーズ2ではアームを付けます。それを同じデブリに飛ばして、穴に引っかけて捕る」

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“宇宙の掃除”始めたきっかけは?

岡田光信CEO。宇宙ごみの掃除会社を始めた理由をこう話します。

(アストロスケールホールディングス 岡田光信CEO)
「この宇宙のごみの問題を(学会で)知って、宇宙はこのままいくと持続利用不可能。そして、誰も解決策を持っていないというのを知って、ならば『自分が宇宙を掃除しよう』と決めて立ち上げた会社」

Q.宇宙に関しては知識があった?
「全くの素人でして、会社を作った日にメールを送る先が3件しかないぐらい、宇宙業界にはネットワークがなかった。『誰がお金出すんですか?』とか『市場がないですよ』とか『あなたはお金持ちですか?』とかいっぱい言われたが、市場がないということは競合もいないということなので、なんと爽やかな課題だろうというふうに思いました」

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世界のトップも注目「日本が誇る技術」

投資家らから資金を集め、創業からわずか13年でイギリス・フランス・アメリカ・イスラエルに支社をもつ企業に成長。今年4月には、フランスのマクロン大統領が高市総理とともに視察に訪れました。

(岡田CEO)
「ずっと質問が止まらなかった、マクロン大統領から。そこまでご関心いただいてるのが嬉しかったですし、6月もパリに呼んでいただいて、マクロン大統領にお会いした。

いかに持続利用可能な宇宙環境を作っていくか、自分たちの衛星を守るのかが大事な課題になっているので、世界のトップの弊社の技術に対する関心は高いと感じています」

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視察後、高市総理は…

(高市早苗総理)
「アストロスケール社の技術は世界一。日本が誇る技術です。政府としても、大きなエールを送りたい」

アストロスケールは2025年2月、防衛省から宇宙で他国の人工衛星の監視などを目的とする小型衛星の試作を約73億円で受注。さらに年末には新たに10億円の契約を受注するなど、国からの期待も大きくなっています。

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目指すは「宇宙のJAF」実用化はいつ?

初代・宇宙政策担当大臣を務めた、古川元久衆院議員は…

(古川元久衆院議員)
「今 宇宙はどこの国も一生懸命 力を入れている。そういう中で日本らしい技術、宇宙デブリ(ごみ)の除去については日本が一番進んでいますから、ぜひリーダーシップを日本がとっていってもらいたい」

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岡田CEOは、会社の将来像についてこう語ります。

(岡田CEO)
「イメージで言うと地上のJAF、ロードサービスみたいな。ガソリンがなくなったら燃料補給に来てくれるし、タイヤがパンクしたら修理してくれる。故障したらレッカーするが、同じことが宇宙の道・軌道で必要」

Q.何年くらいで「宇宙のJAF」になれる?
「2035年です。2027年から順次、今受注しているプロジェクトが打ち上がっていくので、2030年までには軌道上サービスがいろいろやっている世界観になる」

宇宙開発競争が激化する中、それを陰で支える日本のビジネス。実用化は目の前です。

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