アマゾンジャパンは7月4日、東京・品川区のAmazonオフィスでAmazon Alexaを活用したスマートホーム共通規格「Matter」の取り組みに関する記者説明会を開催した。
●スマートホームの簡単な接続・設定を実現する「Matter」
Matterは、IT企業など300社以上が参加するConnectivity Standards Alliance（CSA）が策定したスマートホーム・IoT機器の通信の共通規格。
音声アシスタントAlexaを搭載したEchoデバイスを展開するAmazonは、Matterの設立メンバーとして普及を促進している。バーコードの読み込みやSSID、パスコードの入力なしに、デバイス同士が認識しあってつながるという接続・設定の簡易さを訴求する。スマートホームデバイスの普及のネックとされている、さまざまな規格や接続・設定時のわずらわしさを解消することで、国内におけるスマートホームデバイスの普及に弾みをつけたい考えだ。
具体的に、Alexa搭載のEchoデバイスでは、Matter規格に対応したWi-FiやThreadで接続されるIoT電球やプラグ、スイッチ、センサのセットアップとオン・オフなど操作が可能になるという。
●Amazonアカウントとデバイス、Wi-Fi認証などを紐づけ
仕組みを簡単に説明すると、Matter対応デバイスを電源プラグに差し込むと、Echoデバイスと自動的に通信を行う。
アマゾンジャパンでAlexaインターナショナル技術本部の福与直也本部長は、AlexaにおけるMatter対応の取り組みとして、Alexaに新たに追加した三つの機能を説明した。
一つは「Matter Simple Setup」。これは先述したMatter対応デバイスをネットワークに接続する際、バーコードの読み込みやSSID、パスコードの手入力を省くことができる「フラストレーション フリー セットアップ（FFS）」という拡張機能のこと。
もともとFFSは、Wi-FiやZigbee、BLE Meshなどの通信規格に対応しており、「Matter Simple Setup」は、Matter用として新たに拡張したものとなる。
FFSに含まれるソリューションの一つが、新しいMatterデバイスをネットワークに参加させる手順（コミッショニング）を簡略にしたり、ユーザーによるバーコードの読み込みやパスコードの手入力を省いたりする。あらかじめユーザーのAmazonアカウントとデバイス情報を紐づけすることで、Proof of Possessionというセットアップ時のユーザー自らの操作を自動化している。
Amazonアカウントとデバイスの紐づけは、Amazonでデバイスを購入したときにAmazonの物流センター（フルフィルメントセンター）で行われる。同時に、先述した「Amazon Wi-Fiロッカー」として、あらかじめ登録してあるSSIDとパスワードとも紐づけされる。
残り二つの機能は、Echoデバイスを使ったMatter対応デバイスを、クラウド経由でもローカル経由でもコントロールできる「コミッショナブル エンドポイント」や、開発者向けの「Ambient Home Dev Kit」が拡張機能として追加された。
●日本企業初のMatter対応製品
なお、7月4日からNatureというベンチャー企業が、日本企業初のMatter製品として、Matterに対応したスマートリモコン「Nature Remo nano」の販売をAmazonのみで開始した。
Matterと赤外線（IR）のブリッジデバイスという触れ込みで、赤外線リモコンを備えた家電であれば、メーカーや型番・年式などに関係なく使用でき、センサを使った自動制御も可能になる。スマートフォンで外出先から家電の操作ができるほか、「Amazon Echoシリーズ」のほか「Google Home」や、「Apple HomePod」などのスマートスピーカーと連携する。
国内におけるMatterの普及は始まったばかり。ロードマップや対応機器の発売予定など不明な点はまだ多いが、新しい通信規格として今後、いろんな場面で見聞きすることだろう。
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●スマートホームの簡単な接続・設定を実現する「Matter」
Matterは、IT企業など300社以上が参加するConnectivity Standards Alliance（CSA）が策定したスマートホーム・IoT機器の通信の共通規格。
スマートホームのデバイスやシステム、音声アシスタントの簡単な相互接続を目指して開発された。
音声アシスタントAlexaを搭載したEchoデバイスを展開するAmazonは、Matterの設立メンバーとして普及を促進している。バーコードの読み込みやSSID、パスコードの入力なしに、デバイス同士が認識しあってつながるという接続・設定の簡易さを訴求する。スマートホームデバイスの普及のネックとされている、さまざまな規格や接続・設定時のわずらわしさを解消することで、国内におけるスマートホームデバイスの普及に弾みをつけたい考えだ。
具体的に、Alexa搭載のEchoデバイスでは、Matter規格に対応したWi-FiやThreadで接続されるIoT電球やプラグ、スイッチ、センサのセットアップとオン・オフなど操作が可能になるという。
●Amazonアカウントとデバイス、Wi-Fi認証などを紐づけ
仕組みを簡単に説明すると、Matter対応デバイスを電源プラグに差し込むと、Echoデバイスと自動的に通信を行う。
Echoデバイスは、あらかじめユーザーが登録しているクラウド上の「Amazon Wi-Fiロッカー」にある認証情報を読み込みに行く。そして、Wi-FiやThreadなどの認証情報をMatter対応デバイスに自動的に送信することで相互接続が可能になる。こうして、ユーザーによるパスワードなどの手入力なく機器同士の接続・設定が完了するというわけだ。
アマゾンジャパンでAlexaインターナショナル技術本部の福与直也本部長は、AlexaにおけるMatter対応の取り組みとして、Alexaに新たに追加した三つの機能を説明した。
一つは「Matter Simple Setup」。これは先述したMatter対応デバイスをネットワークに接続する際、バーコードの読み込みやSSID、パスコードの手入力を省くことができる「フラストレーション フリー セットアップ（FFS）」という拡張機能のこと。
ユーザーにとって、Matterによる簡単な接続・設定を直感的に理解できる機能だろう。
もともとFFSは、Wi-FiやZigbee、BLE Meshなどの通信規格に対応しており、「Matter Simple Setup」は、Matter用として新たに拡張したものとなる。
FFSに含まれるソリューションの一つが、新しいMatterデバイスをネットワークに参加させる手順（コミッショニング）を簡略にしたり、ユーザーによるバーコードの読み込みやパスコードの手入力を省いたりする。あらかじめユーザーのAmazonアカウントとデバイス情報を紐づけすることで、Proof of Possessionというセットアップ時のユーザー自らの操作を自動化している。
Amazonアカウントとデバイスの紐づけは、Amazonでデバイスを購入したときにAmazonの物流センター（フルフィルメントセンター）で行われる。同時に、先述した「Amazon Wi-Fiロッカー」として、あらかじめ登録してあるSSIDとパスワードとも紐づけされる。
残り二つの機能は、Echoデバイスを使ったMatter対応デバイスを、クラウド経由でもローカル経由でもコントロールできる「コミッショナブル エンドポイント」や、開発者向けの「Ambient Home Dev Kit」が拡張機能として追加された。
●日本企業初のMatter対応製品
なお、7月4日からNatureというベンチャー企業が、日本企業初のMatter製品として、Matterに対応したスマートリモコン「Nature Remo nano」の販売をAmazonのみで開始した。
Matterと赤外線（IR）のブリッジデバイスという触れ込みで、赤外線リモコンを備えた家電であれば、メーカーや型番・年式などに関係なく使用でき、センサを使った自動制御も可能になる。スマートフォンで外出先から家電の操作ができるほか、「Amazon Echoシリーズ」のほか「Google Home」や、「Apple HomePod」などのスマートスピーカーと連携する。
国内におけるMatterの普及は始まったばかり。ロードマップや対応機器の発売予定など不明な点はまだ多いが、新しい通信規格として今後、いろんな場面で見聞きすることだろう。
（BCN・細田 立圭志）
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