ブルマ姿の女子が跳び箱ではなくコロネを飛んだり、お坊さんが木魚ではなくコロネを叩いたり……。日本人ならどこかで食べたことのある菓子パン「コロネ」に魅せられ、巨大コロネを用いた、斬新な写真を発表しているアーティストがいる。雑誌や広告などを舞台にフリーカメラマンとして活躍する、相澤心也さんその人である。
今年7月の個展『CORONATION』(IID世田谷ものづくり学校)に続き、去る9月には、ソウル市麻浦区のアートカフェ・siam(シャム)にて写真展『コロネ男、海を渡る』を開催。本人がコロネに跨り海に出発するという新作(写真上)ほか、多数の作品を披露した。
「コロネほどわけのわからない食べ物はありません。どうしてあれほどまでに形が斬新なのに味は驚くほど平凡なのか? どうしてあれほどまでに始めと終わりのチョコの割合が不平等なのか?(後略)」という展示序文に、ソウルの会場を訪れた筆者も共感。コロネへの愛あふれる、テンションの高い作品世界にぐいぐいと引き込まれてしまったのだが、ところで韓国の人に、コロネのことをわかってもらえるのか、いち日本人として心配ではある。
果たしてコロネは日韓をつなぐ架け橋となりえたのか? そこのところを、韓国を訪れていた相澤さんにインタビューした。
実は韓国にも、「ソラパン」という名前の、コロネによく似た渦巻状の菓子パンがあるという。「ソラ」とは韓国語でサザエのことだ。
「おもしろいことに、韓国と日本のコロネは立ち位置が似ているんですよ」と相澤さん。展示を訪れた韓国の人たちはソラパンについて、「昔はよくあったけど、最近見なくなったね」的に考えているそう。名前は違くても、日韓のコロネは非常に近い存在だったのだ。
コロネが最近、近所のパン屋に全く売っていないことに気がつき、それなら自分が宣伝しようとブランド広告のようにコロネを撮ったのが、相澤さんのコロネシリーズの始まりだ。
彼はコロネについての造詣も深く、「関西から西は『コルネ』と呼ばれることが多い」「円筒状のホルンに比べ、コロネには味のバリエーションがほとんどない」など、コロネトリビアが話の中にぽんぽん飛び出す。…



