東武動物公園にて6月25日（土）まで、「『けものフレンズ』コラボレーション企画！〜とうぶフレンズに会いに行くのだ！〜」が開催されている。
『けものフレンズ』は、ゲームアプリ、コミックス、アニメなどからなるメディアミックスプロジェクト。
巨大な総合動物園「ジャパリパーク」を舞台に、女の子の姿「アニマルガール」に変身した動物たち(フレンズ)が活躍する物語。2017年1月から3月までアニメが放送され大人気となった。
(C)けものフレンズプロジェクトA
筆者も『けものフレンズ(けもフレ)』に魅了されたひとり。正直、最初は「よくある擬人化でしょ？」 とタカをくくっていた。しかし、かわいらしいキャラクターと、一見ほのぼのとしていながらときにスリリングで奥深い設定。根底にある「みんな違ってみんないい」、「お互いを尊重し認める」というあたたかさ。
オープニング曲を聴きながらいつの間にか泣いていたときは、自分でも驚いた……。
『けもフレ』の大きな魅力のひとつが、モデルになったいきものたちの生態を反映した「フレンズ」たちのリアルな行動である。番組内では飼育員による解説もあり、より深くいきものについて知ることができた。モデルとなったいきものたちへの愛とリスペクトがあふれているのである。そんな『けものフレンズ』が、リアルな動物園とコラボ。『けもフレ』ロスに陥っていた筆者は、迷うことなく足を運んだ。
「ようこそ東武動物公園へ」 アライグマのアライさんがお出迎え
ゲートをくぐれば、さっそく花壇に人気キャラクターのひとりであるアライグマの「アライさん」のパネルが。コラボ期間中は園内のあちこちにこうしたキャラクターのパネルが飾られている。さらに「アライさん」の声優・小野早稀さんによる園内放送も一時間おきに行われる。1回あたり約1分間程度で、天気や時間帯によって内容も変わるとか。園の紹介やパネル展示の告知もしてくれる。
アライグマの展示場所に行ってみると、そこにも「アライさん」のパネル展示が。実際のアライグマも人懐っこくユーモラスなしぐさで、多くのお客さんのハートをつかんでいた。
サービス精神も旺盛で、カメラの前に進んで躍り出るあたり、いかにも「アライさん」らしい。
目の前のパネルと、実際の動物たちを見比べられるのが今回のコラボ企画のよいところ。ライオン、アルパカ、ワシミミズクなど、アニメで活躍したフレンズたちと、実際の動物たちが目の前に！ ライオンはやっぱりごろごろしているなぁ、アルパカのキャラクターデザインは特徴をいかしているなぁ、など見飽きることがない。パネルと檻をセットで撮影すると、自分でアニメの解説コーナーを写真再現した気分になれる。
しかし、中にはよく探さないと分からない場所にあるパネルも……。どこにパネルがあるのか探すのも楽しみの一つだろう。
けもフレファンが大集合で「ドッタンバッタン大騒ぎ」!?
イベントの開催を記念して、本物のどうぶつとアニマルガールがデザインされたオリジナル缶バッチも発売される。東武動物公園の飼育スタッフがアニメ内で解説したいきもの6種（1.コツメカワウソ、2.アメリカビーバー、3.ライオン、4.ワシミミズク、5.アミメキリン、6.ヒグマ） 。
さらにイベント中に行われる飼育スタッフによるガイドの最後の回に参加すると、ガイド終了後に東武動物公園の人気動物ホワイトタイガーとアニマルガールとのコラボ缶バッチもプレゼントされた。
しかし、筆者が到着したときにはすでに売り切れていた。スタッフの方によると、開園前から数百人以上が並び、2時間程度でなくなってしまったとのこと。今回のイベントの注目度の高さがうかがえる。(缶バッヂの次回入荷日は未定。
決まり次第、HP等で告知)
来場者層も普段とは少し違うようだ。東武動物公園の方によると、いつもはそこまで多くない、男性グループが多いとのこと。確かに、エリアによってはお客さんの8割くらいが男性たちだった。イベントとしてはそこまで大がかりなものではないが、アニメをきっかけに足を運ぶ人たちがかなりいるようだ
「君をもっと知りたいな」 飼育員のおねえさんによるガイド
アニメでは東武動物公園でも数名の飼育係が声で出演しており、イベントでは動物の解説を飼育係が実施する「声のおにいさん、おねえさんのフレンズガイド」も行われる。アニメ『けものフレンズ』では、解説した飼育員たちも非常に注目を集めており、そんな彼らから直接説明を聞ける貴重な機会となる。
コツメカワウソの飼育を担当する「くどうおねえさん」こと、工藤さんによるカワウソガイドを聞きに行ってみた。
開始15分前にも関わらずコツメカワウソ舎の前にはたくさんの人が！ ガイド開始時間が近づくにつれてその数は増していき、開始時にはおそらく300人ほどいたのではないだろうか。通常では想定されていない人数なのかもしれないが、前列の人たちが座るなどして、会場全体でおねえさんのガイドを聞く体制が整った。
「こんなに大勢の人の前で話すのは初めてで、緊張します」と話していたくどうおねえさん。コツメカワウソは手先がとても器用で遊び好きなのが特徴で、アニメの中でお手玉をしていたシーンでそれが表現されているとのこと。
また、インタビューがどんな風にどんな番組で使われるのかあまり分かっておらず、さらに話した内容がそのまま使われるとは知らなかったそう。解説の中でコツメカワウソのことを『あの人たち』と表現したことも話題になったが、それもまったくの素だったことなど、裏話も満載だった。
ここまでの反響があるとは思わず驚いているそうだが、カワウソをじっくり観察して、そのかわいさを拡散して欲しいとも話していた。
【「声のおにいさん、おねえさんのフレンズガイド」 今後の開催日時】
2017年5月13日（土）、6月10日（土）
1)くどうおねえさんのカワウソガイド 13：00～約 10 分
2)やまかみおにいさんのキリンガイド 13：45～約 10 分
3)きたはまおにいさんのライオンガイド14：30～約 10 分
4)いたくらおにいさんのヒグマガイド 15：30～約 10 分
5)とみおかおにいさんのビーバーガイド 17：00～約 10 分
※動物の健康状態、天候等によっては中止となる場合がございます。
最後のビーバーガイドに参加すると、解説の音声を収録した部屋の見学（定員10名程度）などが予定されている。（※音声収録部屋見学の希望者が多数の場合はじゃんけんなどで決定） 今回、特別に収録部屋を見せてもらった。
関係者用の入り口から入り向かった先は小さな会議室。ここにアニメのプロデューサーさんが来て、解説を収録したとのこと。言ってしまえばただの会議室だが、だからこそのリアル感がある。アニメファンにとってはたまらないだろう。
「観覧車」に隠されたひみつ。サーバルちゃんが…？
アニメのエンディング曲でも重要なモチーフになっており、物語の中でも印象的だった「観覧車」に乗れることも、東武動物公園でイベントが行われる中でのポイントだ。
さらに、東武動物公園では飼育されていない、アニメのメインキャラクターのサーバルも見つかるかも……？(乗ってすぐ、左側を見ることをおすすめする)観覧車に乗って園内を見下ろしながら、かばんちゃんとサーバルちゃんに思いを馳せよう。
さらに園内のどこかには、こちらも東武動物公園では飼育されていないものの、人気キャラクターである「フェネック」もいる。隣にはいつも一緒のアライさんの姿も。彼女たちの後ろには、サファリカーがあり、なんとなくアニメとのつながりを想像できてうれしい。
現在、東武動物公園だけではなく日本各地の動物園で起こっている『けもフレフィーバー』。一過性のものと考える人もいるかもしれないが、アニメをきっかけにいきものたちについて知ることは、個人的にはとても喜ばしいことだと思う。ぜひ実際にいきものたちに会いに行き、『けものフレンズ』と、いきものたちの魅力を知ってほしい。きっと本当の愛はそこにある。
『けものフレンズ』コラボレーション企画！〜とうぶフレンズに会いに行くのだ！〜
◆開催期間
2017年4月22日（土）～6月25日（土）
◆場所
東武動物公園
◆チケット
・入園料のみ
おとな1,700円 こども 700円 シニア 1,000円
・ワンデーパス(入園料 + のりもの乗り放題)
おとな4,800円 こども3,700円 シニア3,700円
※6月の月曜日は休園日となります。
※掲載内容は余儀なく変更する場合がございます。予めご了承ください。
（篠崎夏美／イベニア）
