老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金を受給しながら複数のパートで働く場合、年金が支給停止になるのかについて解説します。

■Q:60代で年金受給中です。複数のパートで月20万円ほど働くと年金は支給停止になりますか?
「60代で定年退職し、年金を繰り上げ受給しています。今後は複数のパートを掛け持ちして働きたいと考えていますが、収入が月20万円を超えると年金は支給停止になりますか? 老齢厚生年金は月18万円ほど受け取っています」(sさん・60代男性)

■A:月収20万円、老齢厚生年金が月額18万円程度であれば、在職老齢年金による支給停止の対象にはなりません
60歳以上で老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受け取りながら働く場合、勤務先で厚生年金に加入していると「在職老齢年金制度」の対象になります。

在職老齢年金制度では、

老齢厚生年金の報酬比例部分の月額(基本月額)+給与や賞与を基にした総報酬月額相当額

の合計が、支給停止基準額を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります。

2026年度の支給停止基準額は65万円です。

sさんの場合、

老齢厚生年金の月額:約18万円
月収:約20万円

とのことですので、

18万円+20万円=38万円

となり、支給停止基準額の65万円を下回ります。

そのため、老齢厚生年金が支給停止となることはありません。

また、老齢基礎年金(国民年金)は在職老齢年金制度の対象外です。そのため、給与収入があっても老齢基礎年金が減額されることはありません。

なお、複数の勤務先で働いている場合でも、勤務時間や収入などの条件によっては厚生年金に加入することがあります。
賞与の有無などによっても計算結果が変わるため、具体的な金額を確認したい場合は、年金事務所で試算してもらうと安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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