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インタビュー

倖田來未

コウダ クミ

倖田來未

インタービュー

Excite: (甘い香りを漂わせ、倖田來未が入室)すごく良い匂いがします。
倖田來未: ありがとうございます。
Excite: (笑)さて、7thアルバム『TRICK』がリリースされましたが、キャッチーで倖田さんらしいタイトルですね。
倖田來未: タイトルはいつも最後に付けますが、今回は初めてコンサートを見据えたアルバム作りだったんですね。「コンサートの仕掛けでこんな曲を使いたい」「何曲目で歌うならこんな曲」といった感じで作りました。いつもコンサートは、一幕、二幕、三幕、そしてアンコールといった盛り沢山な感じなので、あまりにも色んなタイプの曲が出来てしまって、正直、「この子達をどういう言葉で表現したら良いのかな?」って悩むところではあったんです。
Excite: スタートから、魅せることを念頭に置いて作ったと。
倖田來未: サプライズ好きなので、昨年からこのアルバムを通して色んな演出をしたいと考えていたんです。そこから、皆さんに驚いていただけるサプライズ=マジックやトリックという発想が生まれました。それに、1曲1曲違うテイストの曲を選んでいったので、「こんな曲もあるんだ!」ってびっくりして頂けるかなと。それで、『TRICK』という言葉がぴったりかなと思ったんです。
Excite: とてもカラフルでビビッドな世界観が、DVD付きのアルバムジャケットの写真にも表れてますよね。
倖田來未: ねぇ(笑)。一見したら、誰だか分からないくらいの写真で、始めは「大丈夫かな?」って思ったりもしたんです。今まではパッと見て“倖田來未”と分かるものを選んできましたから。ただ今回は、『TRICK』という言葉を最も表しているのがこの写真だった。だから、初めて思いきった行動に出た写真でもあるんですよ。
Excite: なるほど。今作は、「show girl」という曲が一つのキーになったとか。
倖田來未: そうなんです。この曲を始め、今回はどれもコンセプトやストーリーがしっかりした曲が多いと思って。「show girl」は映画『ムーランルージュ』のような妖しげなムードがあって、まさに作り込まれた世界観。「This is not a love song」では、神様にお願いするけど、現実はそれほど甘くないと歌っていたり。こんなふうに突き放すような曲は初めてなんですよ。今までなかった歌詞ですが、まさに降ってきた感覚でした。でも、突き放すことで自分の力で歩き始めてほしいという気持ちも込めています。一方で、「Bling Bling Bling feat.AK-69」は、「私と付き合いたいならカバン買って」みたいな歌詞で(笑)。普段の私はもちろんそんなこと言わないですが、この曲はやっぱりそれくらい言っちゃおうと。一つ一つの曲が全て、絵に浮かぶような歌詞が降ってきたという感じはありますね。
Excite: 「Your Love」では久し振りに、他の人が書いた歌詞を歌ったそうですね。
倖田來未: この歌詞は「TABOO」を一緒に書いたHIROさんにメインで書いて頂いたものですが、とても自然に歌えました。共感するところがたくさんあったし、違和感なくデモテープの段階から口ずさんでいたんです。男性目線の歌詞なのに、自分の気持ちを込めて歌えるかなって思えたんですよ。
Excite: 今までは、自分の経験を投影させたリアルな歌詞が多かったので、そういった意味でも新しい。
倖田來未: そうなんですよ。今作は“TRICK”なんです!第一に、飽きのこないアルバムにしたかったんですね。ボーナストラックを入れて15曲。15曲をひとりが歌うので、それぞれの曲にあった歌い方で色々な表現をすることを意識しました。一曲一曲がシングル曲になっても良いものを作ったし、何度もループして聴いて頂ける作品になってると嬉しいですね。
Excite: ところで、ライヴを前提で作品を作ったことで、今までとの違いは?
倖田來未: そうですね…攻めな曲が多いですね。今までは「恋のつぼみ」や「WIND」といったキャッチーな曲を歌いつつ、「FREAKY」や「BUT」のような曲も歌ってきました。そして、両極端な楽曲をシングルとしてリリースしてもどっちもライブで盛り上がってもらえたんですね。だからアルバムでも、半分はカラオケで歌って楽しめるナンバー。もう半分は耳で楽しんで、ライヴで激しい演出ができるようなナンバーを入れるように心掛けています。ただ、今回は演出が映えるような曲を選んでいったら、8割が「Driving」や「Bling Bling Bling feat.AK-69」のような曲になったのでもしかして、カラオケで歌える曲が少なくなってしまったかなというのが、心配してるところです。
Excite: 常に聴き手を意識しているんですね。
倖田來未: 約9年やってきて、身に染み付いてる感覚なんです。きっと私自身がカラオケが大好きだからなんでしょうね。それに、バイトのお金を貯めてCDを買いにいったころの自分を思い出して、みなさんにも「お得」と思ってもらえるようDVDを2枚つけたりしています(笑)。
Excite: 今回、突き詰めたことで見えてきた“倖田來未らしさ”とは?
倖田來未: らしさ、ですか…。そうですね、(一人の女性である)“くぅちゃん”には出来ないことですね。例えば、「TABOO」をリリースして感じたのは、「倖田來未」はある意味タブーを打ち破る存在でありたいななと。これまでも、「そんな格好で歌って」って言われたこともあります。でもカッコ良いと思ったから信念を貫き通してきました。だからこそ、受け入れて応援してくれる人も増えた。根性と我慢でやり続ける、続けることは大事だと思います。ファンレターを読んでいても周囲の目を気にして悩んでいる方もいるんですね。でもそれは自分の可能性を狭めてもったいないなって思います。だからこれからも、「歌手なのに」と言われるようなことをしていきたい。例えば、歌手なのに水の中から出てくるとか(笑)(※2007年Black Cherry ツアーのオープニングの演出)。そういった、まだ誰もやったことがないところを狙っていきたいですね。
Excite: とは言え、それを決断し実行するまでには葛藤もあるのでは?
倖田來未: やっぱりどうしても、素の“くぅちゃん”が出てくる部分はあります。歌詞に可愛らしい所が増えたら、「あら、私って恋しちゃってる」とか(笑)。隠せない部分もありますが、“倖田來未”と“くぅちゃん”がいるからバランスを取れているとも思うんですね。個人としての私だったら「着こなせないかも…」と思うような服も、倖田來未として着た方がいいなって思ったら着ますね。
Excite: 確かに、「show girl」のミュージックビデオなどは、まさに“ザ・倖田來未”な世界ですよね。
倖田來未: スパンコールのボディースーツとか(笑)。ミュージックビデオも、本当はアルバム全曲を撮りたかったくらいなんです。でも今回はバランスを考えてよりアルバムの世界観が明確に伝わるよう、新しく2曲のミュージックビデオを撮影しました。素の自分に近いのは「JUST THE WAY YOU ARE」、倖田來未として演じている世界観は「show girl」ですね。全曲の世界観はコンサートで実現したいと思ってます。
Excite: このアルバムを立体的に表現するとなると、すごいものになりそうですね。
倖田來未: しかも、アルバムタイトルが『TRICK』じゃないですか!もう、期待して見に来てくれるのと思うので、自分でハードルを上げてしまったなぁと(笑)。ただ、「きっとこんなだろうな」って想像出来そうなことはしなくない。皆さんの期待を、良い意味で裏切るコンサートになるように頑張ります。
Excite: 期待してます!曲調や歌詞の内容など、様々のチャレンジがあったアルバムですが、どんなふうに聴くとより楽しめそうですか?
倖田來未: そうですね…攻めの曲調が多いので、何かに入り込んだり、没頭したい時が良いかなぁと。私も実際、クローゼットの整理をしながらこのアルバムを聴いてたんですよ。そうしたらいつの間にか、アルバム3周しちゃってて。3時間経ったことを感じさせないから、いつのまにかでしたね。
Excite: 集中しながらもアガる感じは、なんとなく分かりますね。
倖田來未: でしょ!だから、車の運転中は気を付けてって思ったり。特に、「Driving」は、(スピード感があって)グワッと行けちゃうので(笑)。とにかく、何かに集中したい時はオススメです。
Excite: では、最後にファンへメッセージを。
倖田來未: 昨年はコンサートやイベントなどを通じて、皆さんのところへ出来るだけ会いに行って感謝の気持ちを伝えるというのがテーマでした。今年はそれを続けつつ、色んな方法で作品を発表していこうと思っているので、一年間を通して様々な自分を表現していきたいですね。女の子っぽいと思ったら急にメンズライクになったりと、色々と変化してめくるめく一年になると思うので、期待していて欲しいですね。