歌手の藤井フミヤ(64)が12日、東京国際フォーラム・ホールAで、全国47都道府県ツアー「F-UTA-TABI」のファイナル公演を開催。ライブ終了後に報道陣の取材に応じ、1年以上にわたるツアーを完走した思いや、64歳を迎えた現在の心境、今後の活動について語った。


 藤井は2023年から2024年にかけて自身初となる47都道府県ツアーを実施。その後、2025年4月18日から2周目となる「F-UTA-TABI」をスタートさせ、全67公演で約14万5000人を動員した。チェッカーズ、F-BLOOD、ソロ楽曲を織り交ぜたステージで全国を巡り、1年以上に及ぶ“唄の旅”に幕を下ろした。

 ツアーを終え、「長かったですね」と率直な思いを口にした藤井。「こちら側から出向くと、『近くまで来た』という感じで来てくれる。手応えはすごく感じました」と全国を回る意義を実感したという。

 ライブ中にはツアーが終わってしまうことを「寂しい」とも語っていた藤井。その理由については、「今はSNSもあるので、ファンも全国を移動していることがわかる」と説明。「金沢だったら観光して、おいしいものを食べて、ファン同士で交流して、そこにコンサートも組み込む。ファンも一緒に全国移動しているような感じだった」と振り返り、「ずっとファンの人たちと1年以上一緒にいた感覚があった。土日祝日は全部歌っていたので、離れるのが寂しい気持ちになりました」と笑顔を見せた。

 67公演を歌い切る上で、最も気を配ったのは体調管理だった。


 今回のツアーでは、5月末に体調不良のため仙台公演を延期。「運良く1ヶ月以内に振替公演ができた。延期になると、来られなくなる人がいたり、チケットが余ったりすることもある。でも満席になって、本当にありがたかったですね」と、ファンへの感謝を語った。

 「声が楽器なんで、病気になると歌えない。だから真面目に生きるしかない」ときっぱり。「昔は次の日がライブでも飲んでいましたけど、食事で少し飲んだら帰る。二軒目がなくなりましたね。バーに行かなくなりました(笑)」と長期ツアーを支えたストイックな生活ぶりを明かした。

 前日の11日、64歳の誕生日を迎えた。今後については、「動けるうちは動きます」と力強く宣言。「歌は諸先輩方を見ていても、この年齢まで歌えるんだと教えてもらっている。
パフォーマンスはだんだん動かなくなるかもしれないけど、歌は結構いけるんじゃないですかね」と、歌い続けることへの自信ものぞかせた。

 抱負を問われると、「この年になると健康しかないんですよ。欲しいものもないし、新しい大きな夢もない。健康で、ステージで歌えれば、それでいい」と語り、「声帯は1.5~2センチくらいしかない。そのために生きているようなもの」と、歌手としての覚悟をにじませた。

 また、ツアー中は各地を巡る様子をインスタグラムで積極的に発信。「今回はせっかく回るなら観光もしようと思って、できるだけ前乗りして神社や観光地にも行きました」と明かし、「改めて日本は景色がきれいで、人も優しくて、食べ物もおいしい。インバウンドで日本を褒める外国人の気持ちがよく分かりました」と、日本の魅力を再発見したと話した。

 さらに、先月開設したTikTokについては、「今は歌番組も少ないし、音楽雑誌もほとんどなくなった。プロモーションをやるならインスタグラムやTikTokの時代」と説明。「バズりたいですね」と笑い、「ギザギザハートで踊る動画が少しバズったけど、若い世代がチェッカーズ時代の映像を見てライブに来てくれることもあって、本当にありがたい」と期待を寄せた。

 全国ツアーを終えたばかりだが、10月には大阪城ホールと日本武道館で360度センターステージによるアリーナライブ「藤井フミヤ ARENA LIVE 2026 360°」の開催も決定している。


 「今回と前回の47都道府県ツアー、2周分の集大成のようなライブになる」といい、「チェッカーズ、F-BLOOD、ソロのヒット曲をたくさん盛り込む予定です」と予告。「360度ステージは倍近く疲れるので、引き続き真面目に生きます」と笑わせつつ、「チェッカーズ時代から円形ステージには慣れているけど、若い頃みたいに走り回れないので、ごまかしながら盛り上げたい」と意気込みを語った。

 最後は、長年支えてきたファンへ向けて、「本当に1年以上の長いツアーでしたが、ファンの皆さんにはお世話になりました。同じ時代に生きてきた皆さんがいる間は、なるべく歌い続けたいと思います。これからも私の歌を聴きに来てください」と感謝のメッセージを送っていた。
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