『エレクトロ・ショック』(河出書房新社)著者:ロラン・ガルニエ,ダヴィッド・ブラン=ランベールAmazon |honto |その他の書店

◆フランスのテクノ社会論
あまり知られていないが、フランス産のテクノは世界的市場を持つ。最近ではダフト・パンクやAirの成功がある。
だが、フランスで一番有名なDJは誰か、と問われれば、みんな、この本の著者、ロラン・ガルニエと答えるだろう。たぶん。

ガルニエは、フランスのテクノ・オリジネイターの一人だけれど、最初からDJだったわけではない。イギリスのホテルでの修業時代。クラブでの刺激的なパフォーマンスに出会い、自分でプレイする道を選ぶ。

フランスに帰国したガルニエは、徐々にシーンと関係していく。九四年、ファーストアルバム。卓越した技術で聴衆を魅了。この本の魅力は、ガルニエを中心としつつも、当時のフランスのテクノ環境を細かく記述していることだ。レイヴと称するパーティがいかに弾圧にあっていたか、ドラッグや法律の締めつけで致命的な後退を余儀なくされたシーンがどう蘇生するのか。ガルニエは、シーンの内側から語る。

中でも九三年から九六年の官憲の弾圧は異常だ。
ちょうどフランス社会が移民に厳しくなった頃。テクノ社会論とでも言うべき名著。

【書き手】
陣野 俊史
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロージョン』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)など。

【初出メディア】
日本経済新聞 2006年10月25日

【書誌情報】
エレクトロ・ショック著者:ロラン・ガルニエ,ダヴィッド・ブラン=ランベール
翻訳:プラット・アレックス
監修:野田 努
出版社:河出書房新社
装丁:単行本(411ページ)
発売日:2006-09-21
ISBN-10:4309269117
ISBN-13:978-4309269115
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