実家暮らしで婚活4年、なぜか成果が出ない
昨年、相談に来た智美さん(仮名・34歳)から「結婚しました」と報告をもらいました。相談時の智美さんは、実家暮らしで、交際経験がありませんでした。20代後半から婚活を始め、途中で休んだ期間も含めると婚活歴は約4年。マッチングアプリ、結婚相談所、婚活パーティー、独身サークルなど、さまざまな出会いを経験してきたそうです。
メイクレッスンを受け、イメージコンサルも活用して婚活向けの服装も整えていました。プロフィール写真も、東京で人気のスタジオで撮影したもの。さらに月会費3万円ほどの高額な結婚相談所でも活動していました。それでも、思うような成果が出ていませんでした。
それが、相談を受けて私が「実家を出ること」を提案し、一人暮らしを始めたら半年後に結婚できたのです。実家暮らしの何が、婚活のさまたげになっていたのでしょうか。
デートは18時解散、夕食は実家で
相談に来た当時、智美さんは千葉県柏市の実家暮らしで、都内の会社へ通勤していました。一人暮らし経験はありません。通勤時間はドア・ツー・ドアで約1時間15分でした。
智美さん「夜ご飯の時間には帰らなきゃって、無意識に思っていました。18時くらいには解散していたと思います」
菊乃「門限があったんですか?」
智美さん「いえ、そういうわけじゃないんです。でも相手から見たら、“いい年して門限がある人”に見えていたかもしれませんね」
さらに、「今日どこ行くの?」「何時に帰るの?」「誰と会うの?」と母親から詮索されることも、思っていた以上にストレスだったと、離れてみて気づいたそうです。
服装でも影響がありました。本当は着てみたかったデコルテの開いた服も、「母に何か言われそう」という理由で購入してからほとんど着ていなかったそうです。
親から買い物や外出に誘われれば、その日は婚活の予定を入れません。
「“用事がある”って断ればいいのでは?」と聞くと、
「あ、そうですよね。でも、断るって発想が思いつかなかったんです」と苦笑していました。
相手の卒業大学を聞き「親が気に入りそうにない」
また、過去に何度か会った男性を、「親が気に入りそうにない」という理由で断っていました。「性格悪いと思われるかもしれませんが、大学名を聞いて“親が気にしそう”って思って、関係を進めるのを躊躇った方がいました。
あと、ご両親が離婚している方とか、お父さんが大卒じゃない方も、“うちの親は気にしそう”と思って断ったことがあります」と智美さん。
ただ、実際に親へ確認したわけではなく、すべて智美さんの妄想です(ちなみに、智美さんが結婚した相手の両親は大卒ではありません)。
私から見ると、今の若い世代は、親との距離が近い人が少なくありません。智美さんのお母さんも、特別に過干渉というわけではないでしょう。一人暮らしを始める際も強く反対されたわけではなく、本人の意思を尊重して送り出してくれたそうです。
親が子どもの婚活にどの程度関わりたいかについては、やや古いですが調査があります。明治安田生活福祉研究所が2016年に行った「親子の関係についての意識と実態」によると、中学生~29歳以下の娘を持つ母親の56.1%が娘の結婚に関与したいと答えています(親調査=中学生~29 歳の子を持つ父母9715人が回答)。
おそらく、今調査したらもっと多いのではないでしょうか。
最近は、反抗期らしい反抗期がないまま大人になる人も多いと聞きます。智美さんもそうでした。
相談されて、一人暮らしを提案してみた
そんな智美さんの相談を受けた昨年、私はこう提案しました。「一人暮らしをしてみてはどうでしょうか」
智美さんは少し驚いた様子でした。
智美さん「一人暮らしに興味はあります。実家暮らしだからって理由で2人ぐらいから断られたこともあるけれど、別にその人はご縁がなかっただけかな。料理はしていますし、親からも“家に居て貯めたらいいんじゃない”と言われていて」
菊乃「料理は家事のごく一部です。自立するには、料理よりも、食材を管理したり、生活費をやりくりしたり、洗濯や掃除を含めて生活全体を回すことのほうが重要ですよ」
智美さん「やろうと思えばできるかもしれません。でも婚活もお金がかかるし、結婚するタイミングで実家を出るのだから、今わざわざ一人暮らししなくても。それでも一人暮らししたほうがいいですか?」
収入が足りないなどで実家暮らしをするのは仕方ないですが、智美さんは年収400万円台で余裕はありました。
菊乃「今の結婚相談所は月会費3万円ですよね。それでも結果が出ていない。写真はそのまま使えるのだから、もっと安いオンライン型結婚相談所に乗り換えてもいいと思います。一人暮らしにお金を使うほうが、婚活にはプラスになると思います。
もちろん最終的に決めるのは智美さんですが……お母さんに相談せず、自分一人で決めてくださいね」
やってみたら、一人暮らしのほうが楽だった
智美さんは、一人暮らしをするか迷っていた時、お金が減ることや帰宅して誰もいないことが不安だったそうです。家探しも経験がないため、どの辺のエリアで探すのがよいかもわかりません。
職場の同僚に相談したところ、「柏って遠いよね。毎日よく通ってるなと思ってた」と言われ、ショックを受けたそうです。
同時に、「周囲からはそう見えていたんだ」と気づき、一人暮らしを決意しました。大学時代も片道2時間近くかけて通学していたため、本人にとっては「1時間15分は普通の通勤圏内」だったそうです。
ところが、実際に一人暮らしを始めると想像以上に快適でした。
「通勤時間が30分以上短くなって、すごく楽です。自炊できるか不安だったけれど、通勤が短いと疲れにくいんですよね。“料理しか家事が見えていない”って言われた意味も分かりました。ご飯なんてお惣菜でも何とかなるし、洗濯をためないほうが大事なんですよね」
「自分で決める」習慣がつくメリット
「夫は18歳から一人暮らしをしていて、週末に食事の作り置きもしているし、本当にしっかりしているんです。実家暮らしの時はそういう夫のすごさが分からず、趣味とか、親が気に入るかばかり見ていたと思います」智美さんが結婚相手として、両親に紹介したとき「いい人に出会えてよかったね」と言って祝福してくれたそうです。
実家暮らしの人に伝えたいのは、「一人暮らし=家賃がかかるだけ」ではないということです。
もちろん、収入など諸般の事情があって実家暮らしをするのはよいと思いますが、一人暮らしが可能なら得るものは大きいのです。
もし今、「親に一人暮らししたいと言ったら“結婚する時に出ればいい”って反対されそう」と想像して不安になってしまうのなら、自立できていない証拠かもしれません。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活アドバイザー、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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