■Q. 「熱中症」と「日射病」、命に関わり危険なのはどっちですか?
Q. 「最近は『日射病』についてはあまり聞かなくなり、ニュースでも『熱中症』の搬送ばかり報じられています。熱中症と日射病の違いが分からないのですが、どちらが危険なのでしょうか?」
■A. 「日射病」は昔の名称ですが、現代の基準で「最も重い熱中症」に当たります
「日射病」という言葉を聞かなくなったと思われている方は少なくないようですが、「日射病」という名称は2000年に「熱中症」という言葉に統一されました。
現在は「熱中症」という名称で、重症度によってI度(軽症)・II度(中等症)・III度(重症)に分類されています。かつて「日射病」「熱射病」と呼ばれていた症状は、今で言うIII度に当たります。ですので現代の基準では、「日射病」「熱射病」は、「最も重い熱中症」と言えるでしょう。
熱中症は体を適切に冷やして休めば回復すると思われるかもしれませんが、命に関わる危険な症状であることを忘れてはいけません。昔で言うところの日射病、つまり現代の「III度の熱中症」は、強い日差しの下や、汗が蒸発しないような高温多湿の場所において、体温調整が追いつかなくなることで起こります。
体温が41度を超えるほど上昇し、体内のたんぱく質は壊れ始めます。腎臓が機能しなくなり、尿が出なくなることもあります。顔の皮膚は熱くなって乾燥し、脈は弱いのに速いという特徴が見られます。ここまで重症化してしまうと、少し休んだだけで回復する軽度の熱中症のレベルではなく、命に関わる危険性が高い状態です。ただちに医療的な適切な処置を受ける必要があります。
熱中症は、正しい知識を持って行動すれば予防できます。
・暑い日は炎天下を避け、涼しい場所で過ごす
・のどが渇く前にこまめに水分と塩分を補給する
・日傘や帽子を活用し、直射日光を長時間浴び続けないようにする
・体調がすぐれないときは無理せず、涼しい場所で身体を休める
・屋内でも油断せず、エアコンなどを活用して適切な温度・湿度を保つ
症状が重く進行するほど、応急手当だけで済まなくなり、速やかな医療機関への受診が必要になります。まずは、予防をしっかり行うことです。そして、少しでも様子がおかしいと感じたら、我慢せずに周囲に助けを求めましょう。
▼清益 功浩プロフィール小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。
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