■Q. 「朝ごはんを食べ過ぎるとしわが増える」って本当ですか?
Q. 「定期的にファスティング(断食)をしている友人から、『朝ごはんを食べ過ぎるとしわが増える』と聞きました。本当でしょうか? 朝食抜きは体に悪そうなので、食欲がない朝もしっかり食べるようにしています。
■A. 朝ごはんに限らず、食べ過ぎは老化を早めます。正しく理解して健康的な食生活を
同い年なのに若々しく見える人と老けて見える人がいるのは、「細胞の老化度合い」の差によるものだと考えられています。
細胞の中にある遺伝子の両端には「テロメア」と呼ばれる部分があり、これは細胞が分裂した回数をカウントする役割を持つ、いわば「寿命の回数券」です。この回数券が尽きると、細胞は分裂できなくなり寿命を迎えます。ポイントは、分裂の「回数」は決まっていても、次の分裂までの「間隔」は決まっていないということ。つまり、次の分裂が遅くなるほど、若い状態を長く保つことができるのです。
このことを裏付ける有名な実験があります。『Science』誌に掲載された、同い年(27.6歳、人間でいう83歳ほど)のサルを比較した写真です。好きなだけえさを食べたサルと、エネルギー制限をして食事を続けたサルとでは、見た目の老け方に明らかな差が見られました。食事制限をしたサルのほうが若々しく見えたのです。この結果から、食べ過ぎが老化を早める可能性があることが分かります。
遺伝子そのものは変えられませんが、細胞分裂のスピードは食事の工夫によって変えることができます。
・「腹八分目」を意識する
・全粒粉の穀類・野菜・果物・豆類など植物性食品を積極的にとる
・脂肪の多い動物性食品や精製された炭水化物、加工食品は控えめにする
・抗酸化作用のあるビタミンCなどをとり、活性酸素をためないようにする
・夜中に食べない、よく噛んで早めに満腹感を得るなど、時間栄養学の考え方を取り入れる
毎日の食事の影響は一つひとつは小さなものですが、継続することで長い時間を経て大きな差を生みます。ウオーキングなどの運動やストレス発散も、テロメアを守るうえで有効です。日々の「健康的な生活」の積み重ねこそが、いつまでも若々しくいられるポイントだといえるでしょう。
▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
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