ここ数年、ブランドロゴを前面に出さず極限までそぎ落とされたミニマルなデザイン、そして上質な素材と仕立てで無言のステータスを語る「クワイエット・ラグジュアリー(Quiet Luxury=静かなるぜいたく)」のトレンドが続いています。

クワイエット・ラグジュアリーの台頭とともに、トレンドカラーはベージュ、グレー、ネイビー、黒を中心としたニュートラルカラーが主流となり、上質で洗練されて見える一方、「少し地味」「みんな同じに見える」という声も増えてきました。


今シーズンは、コーディネート全体は上品にまとめつつ、赤で個性を添えるスタイルが支持されています。全身赤ではなく、赤いバッグ、赤いサンダルなど小物で使うのが旬!

今回は、ニュートラルカラーに赤を一点投入したコーディネートをご紹介します。

■ネイビーのセットアップに、赤のカーディガン
ニュートラルカラーに「赤小物」を一点投入! 40代におすすめしたい「夏の差し色コーデ」4選
出典:WEAR

このコーディネートは、ネイビー×レッドの反対色を使った“差し色コーデ”です。

ネイビーのブラウスとパンツのセットアップは寒色系・沈静色なので、そのままだと単調になりがち。レッドのカーディガンを肩に掛けたことで視線が上半身に集まり、コーディネート全体に躍動感とメリハリが出ます。

ネイビーとレッドはコントラストの強い組み合わせですが、首元にホワイト系のパールネックレスを挟むことで視線が一度そこで休まり、色同士の衝突が和らいでいます。色×色の組み合わせに使う小物に無彩色を選ぶのは、差し色コーディネートの定石。リラックス感のあるセットアップスタイルに「きちんと感」をプラスする役割も果たしています。

オフィスやお出掛けにぴったりな、きちんとカジュアルな夏コーディネートに仕上がっています。

■黒白モノトーンコーデに、赤のバッグ
ニュートラルカラーに「赤小物」を一点投入! 40代におすすめしたい「夏の差し色コーデ」4選
出典:WEAR

このコーディネートは、黒のパンツと白黒ボーダーのTシャツのモノトーンコーディネートに、赤のバッグを差し色にした、王道でありながら効果の高い配色です。

白黒ボーダーは単色より少し表情がありつつも、全体のトーンはあくまでニュートラル。ボーダーの細めデザインがカジュアルすぎず、上品さをキープしています。
黒パンツのとろみタックギャザーが落ち感のあるシルエットを作り、リラックスしながらもきれいめな印象に。

こっくりとした深みのある赤のバッグが、このコーディネートの最大のポイントです。モノトーンに赤を入れると視線を集め、こなれ感と華やかさが一気にアップ。差し色を小さい面積に集中させることで、コーディネート全体は上品なリラックス感を保ちながら、視線を一点に集める効果があります。

■ナチュラルコーデに、赤いジェリーサンダル
ニュートラルカラーに「赤小物」を一点投入! 40代におすすめしたい「夏の差し色コーデ」4選
出典:WEAR

このコーディネートは、ナチュラル配色に赤いジェリーサンダルを差し色にした組み合わせです。

白のレースブラウスとブルーデニムは、夏らしく爽やかな組み合わせの定番。そこにベージュのかごバッグを合わせることで、全体が「白・青・生成り」という彩度の低いナチュラルトーンでまとまっています。素材はレースやラフィアなど質感のあるものを選んでいるため、色数を抑えても単調に見えません。

ナチュラルカラーだけだと優しい印象止まりになりがちですが、レッド系のサンダルを効かせることで視線が足元に集まり、コーディネート全体が締まって見えます。差し色は面積の小さい小物から、という配色の基本セオリーに忠実な使い方です。

イヤリングのゴールドで上品さと華やかさをプラス。肌なじみのいい暖色寄りの艶は、ほかの色を邪魔せず全体を高見えさせています。


■ブラウンコーデに、赤いキャップ
ニュートラルカラーに「赤小物」を一点投入! 40代におすすめしたい「夏の差し色コーデ」4選
出典:WEAR

このコーディネートは、ブラウン系のグラデーションに赤いキャップを差し色にした組み合わせ。

パンツはダークブラウン、バッグ・サンダルはより明るめのブラウン、Tシャツはベージュ(ブラウンの最も明るいトーン)というように、同系色の中でも濃淡(明暗)に幅を持たせた「トーン・オン・トーン」の配色です。

ブラウンやベージュはどちらも彩度が低く穏やかな色なので、そのままだと全体がややおとなしい印象に。頭部に赤いキャップを持ってくることで視線が自然と一番上に集まり、コーディネート全体にメリハリと元気な印象が加わっています。ブラウンとレッドはどちらも暖色系のため、全体としてまとまりのある調和が生まれています。

カジュアルコーディネートに、ヒールのサンダルで女性らしさをプラス。抜け感のあるこなれたスタイリングとなっています。

■4つのコーディネートの特徴と相違点
今回ご紹介した4つのコーディネートは、ベースの配色は違えど必ずどこかにレッド系のアイテムを1つ効かせています。ファッションにおいて、差し色は定番のテクニックの1つです。

・1番目:赤×青の補色コントラスト
赤×青の補色配色は、強い視覚的コントラストで華やか&鮮やか。きちんと感とリラックス感のバランスが◎。明るく活発、夏らしい爽やかさと華やかさを楽しむことができるでしょう。


・2番目:モノトーン+赤差し色
白黒モノトーンに赤の一点差しは、シンプルでまとまりやすく、こなれ感をプラス。落ち着きの中にアクセントがあり、上品カジュアル、リラックスした大人っぽさが持ち味です。

・3番目:白ベースのマルチカラー
白を基調に、ブルー・ベージュ・レッド・ゴールドの多色づかい。爽やかで明るく、複数の色を調和させた華やかなマルチカラー配色は、フェミニン&アクティブな印象に。

・4番目:アーストーン統一+赤アクセント
ブラウン・ベージュのアースカラーに赤の一点差しは、暖色ならではの優しく落ち着いた統一感があり、カジュアルながら高見えしやすいのが特徴です。日常づかいしやすい、ナチュラルな大人カジュアル。

4つのコーディネートを比較すると、差し色を“面”で使うか“点”で使うか、ベースを寒色・無彩色・ナチュラル・同系グラデーションのどれで組むかによって、印象が大きく変わることがよく分かります。皆さんもぜひ参考にしてみてくださいね!

▼松本 英恵プロフィールカラーコンサルタント歴20年。パーソナルカラー、カラーマーケティング、色彩心理、カラーセラピー、ラッキーカラー(色占い)などの知見を活用し、カラー監修を行う。執筆、メディア出演、講演、企業研修の講師など幅広く活動。近著に『人を動かす「色」の科学』。
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