『天幕のジャードゥーガル』は、トマトスープによる歴史マンガで、秋田書店『Souffle』(スーフル)にて連載中、13世紀のモンゴル帝国の時代を舞台に、過酷な運命の中で ”知” を武器に生き抜こうとする少女・シタラと、帝国への深い恨みを抱く妃・ドレゲネが、復讐の絆で結ばれ運命に抗う姿を描く歴史後宮譚。宝島社「このマンガがすごい!2023」オンナ編第1位、「マンガ大賞」2023・2024の2年連続ランクイン、第55回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞するなど、数々の漫画賞を受賞し注目を集める本作。アニメーション制作は、『ダンダダン』や『平家物語』、『映像研には手を出すな!』など圧倒的なクオリティで世界中から高く評価されているサイエンスSARUが手掛ける。
【レポート】
一刻も早く作品を視聴したい熱量のあるファンが会場を埋め尽くしたTVアニメ『天幕のジャードゥーガル』のU.S.PREMIERE。サイエンスSARUが手掛ける圧倒的な映像美、ペルシャやモンゴルの精緻な世界観、そして主人公シタラが過酷な運命に立ち向かっていく重厚なドラマが大スクリーンに映し出されると、会場からは割れんばかりの大きな拍手と歓声が巻き起こるなかアメリカでの初上映を迎えました。
そして、上映後には山田尚子総監督、三角理恵アニメーションプロデューサー(サイエンス SARU)、遠藤一樹プロデューサー(テレビ朝日)が登壇しトークセッションがスタートしました。
MCからアニメ化に至るまでの経緯を聞かれたテレビ朝日の遠藤プロデューサーは、「原作の漫画を読ませていただいた時に面白くて壮大な歴史ドラマが魅力的だなと思い、ぜひ自分の手でアニメ化したいと思ったのが始まりでした。通常のアニメ化ではなかなか難しい内容だなと思ったのでクリエイティブに関するところでサイエンスSARUさんしかいないと思いオファーさせていただいたという経緯です」と自らアニメ化を熱望したと経緯を説明。また、本作の豪華スタッフ陣がどのように集結したのかについて聞かれると、三角アニメーションプロデューサーは「Able監督はもともと『アルプスの少女ハイジ』が好きで、今回の作品(天幕のジャードゥーガル)にも通じるところがあるのではないかという点と、今まで監督をされた『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』、『ダンダダン』などの作品とは今回違ったドラマ性がある作品になってまして、そういった意味で違った演出を見せてくれるんじゃないかという期待を込めてオファーさせていただきました。山田さんについては原作を読んでいただく機会があり、作品の舞台になっているペルシャやモンゴルに興味を持っていただけとことと、Abel監督をはじめ、新しいスタッフとの作品作りを刺激的だと捉えていただき参加していただいたという経緯です。吉田健一さんは原作がとてもお好きというお話を伺っておりまして、これまでのキャラクターデザインを務められている作品も素晴らしく今回サイエンス SARU としては初めてご一緒することができました。そして本作のポイントの一つでもある美術は『鬼滅の刃』の美術監督もされていた樺澤侑里さんにオファーさせていただきました」と、豪華制作陣が集結した経緯を明かしました。
さらに、第1幕はAbel監督、第2 幕は山田総監督がそれぞれ絵コンテ・演出を担当したことが紹介され、実際の絵コンテや制作資料を交えながら制作時のこだわりについても語られました。
Abel監督に代わり、三角アニメーションプロデューサーは、第1幕の冒頭でシタラが街を駆け抜けるシーンについて「このシーンは原作にはない完全オリジナルシーンとなっていまして、監督が入れた経緯として昔のペルシャの都市が美しく魅力的でそうしたところを本編でもたくさん見せたいということでこのようなシーンを考えたと伺っております。またシタラはこの当時5歳という設定なんですけど、奴隷のお店から逃げ出すという彼女の『勇気』も見せられたらという狙いもありました」とコメント。続けてこのオリジナルのシーンを作る上で苦労した点を聞かれると「歴史上の作品ということで当時のペルシャがどういった都市だったのかを参考資料を調べたり、シタラが逃げながらどういう風に面白く見せるかという点が苦労しましたが、レイアウトと原画を担当していただいた榎本柊斗さんという非常に素晴らしいアニメーターさんに入っていただけたおかげで素晴らしいものになったかなと思います」と原作にはないアニメオリジナルの演出を取り入れた理由や、街並みや文化を映像の中でどのように表現したのかを明かしました。
山田総監督は第2幕のシタラとファーティマのシーンを例に挙げながら、「1幕はAbel監督が担当しており、シタラが大好きな街を楽しく走り回るシーンがたくさんあってこれから幸せに生きていくだろうというところだったのですが、相反して2幕では会話のシーンをとても大切にしていて ”心と心の対話” を大切に描きたかったので少しアニメーションとしての動きは少ないですけれども、表情の芝居を大切にしようと思ってこのような話数となりました」と意識したポイントや演出面での工夫を解説。さらに、シタラの印象的なシーンについても「ザクロはシタラの住んでいるペルシャに咲いているお花なので彼女の大切な故郷を象徴する意味でも描いていますし、ザクロの実としては子孫繁栄などの意味も込めているので故郷を大切にするシタラが未来に希望を持っている姿を描きたくて大切に描写していきました」と語り、キャラクターの感情表現に込めた思いを明かしました。
そして、キャラクターデザインや美術ボードの制作過程についても紹介があり吉田さんによる初期スケッチや設定資料を交えながら、キャラクターたちがどのように形作られていったのかが語られました。
イベントを締めくくる最後の挨拶として、ゲスト全員から海外ファンへ感謝の言葉が述べられた後、会場全員でのグループフォト撮影へ。MC提案により、「本日惜しくも来られなかったAbel Gongora監督に向けて、みんなの声を届けましょう! せーの、Abel!」という掛け声に合わせ、会場を埋め尽くすファンが一斉に熱いエールを会場中に響かせパネルイベントは大盛況のうちに幕を閉じました。
TVアニメ『天幕のジャードゥーガル(英題:Jaadugar: A Witch in Mongolia)』は、7月4日(土)より、テレビ朝日系列 ”IMAnimation” 枠・BS朝日ほかにて大好評放送中。全世界ではCrunchyrollにて配信スタートとなる。お楽しみに。
(C)トマトスープ(秋田書店)/天幕のジャードゥーガル製作委員会
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