2026年8月30日に打ち上げられたナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡。現在は観測を行う場所である第2ラグランジュ点(L2点)に向かっています。

ローマン望遠鏡の運用は10年間が予定されていますが、運用可能な期間がその2倍以上に伸びたとNASA(アメリカ航空宇宙局)が発表しました。近赤外線で観測を行うローマン望遠鏡は、ハッブル望遠鏡と同等の解像度のまま、ハッブル望遠鏡の100倍以上の広い視野を一度に観測することができる最新の宇宙望遠鏡です。

三つの要因で12年分の燃料が確保された

ローマン望遠鏡は5年間の主要ミッションと、その後の5年間の拡張ミッションの合計10年分をまかなうための燃料を搭載するよう設計されていました。その燃料を節約できれば、設計上の運用年数を超えて観測を継続できる可能性が出てきます。複数の要因が重なり、さらに12年間の運用延長が可能になりました。

要因の一つは、8月31日に実施されたローマン望遠鏡の進路を調整するための噴射が高精度だったことです。使用した燃料がもとの計画の10%未満に抑えられたとのこと。これにより4年分の燃料が確保できるようになりました。

またローマン望遠鏡の打ち上げ時の重量は、当初の計画よりも軽くなっていました。燃料の量を計算する際には、望遠鏡の重量を9800キログラムと想定していましたが、実際の重量は8056キログラムでした。機体が軽い分だけ使用する燃料が少なくてすみます。また重量に余裕があったため、10年間のミッションに必要な量を超えてタンクに燃料を充填することができました。

それによりプラス4年分の燃料が確保されました。

さらに最初に軌道修正が成功したことで、今後の軌道制御なども燃料消費が少なくてすむと見込まれており、それによりさらに4年分の燃料が確保されるとのことです。

ローマン望遠鏡がL2点周辺の軌道に達したあとは、約28日ごとに軌道位置を維持するための噴射を行うだけですみます。

なおローマン望遠鏡は、L2点での燃料補給が可能な設計になっています。ただし現時点では、L2点にある宇宙望遠鏡への燃料補給を可能にする技術はまだ開発されていません。

ローマン望遠鏡について詳しくはこちら→(参考)ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡 ハッブル望遠鏡と同等の解像度で広視野観測を行う最新宇宙望遠鏡

Image Credit: NASA's Goddard Space Flight Center/CI Lab

(参照)NASA

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