首都圏ではすでに30度近い気温を記録している今夏。これほど暑くなった世界では、移動中の体温調節も大変だ。そんな時は、「ちょっといい」ハンディファンを買うのが「ちょうどいい」のかもしれない。長年親しまれてきた「風で涼をとる持ち運び可能な道具」といえば、扇子だ。しかし最近は、同じサイズ感のハンディファンが登場し、街中で見かけることも多い。「風情」などの話はいったん置いておくとして、この新参者は伝統的な納涼アイテムと比較して何が違うのか。改めて整理してみた(BCN・寺澤克)。
●扇子 VS ハンディファン いざ勝負
扇子は、筆者も高校時代まで使っていた。香り付きの扇子を親から譲り受けたので好んで使っていたことを覚えている。当時は教室にはクーラーなどなく、辛うじて扇風機が回るのみだったから、だいぶ重宝した。
さて、比べるのは、ポータブルファンブランドJisuLifeが展開する「Handheld Fan 9 S」。
●ぶっちゃけハンディファンはどこが優れているの?
まずは、両者を比較し、ハンディファンの良い点を探してみよう。
扇がなくて良い 大前提だが意外と大事
何から比べたらいいものかと思っていたが、基本的にハンディファンは扇がなくて良いのがうれしい。扇子は扇が振れるだけのスペースが必要だが、これなら人が多い電車内でも気兼ねなく使うことができた。ここは、「新聞か、スマホか」といった議論とも近しいものを感じる。
扇ぐ動作によるパワーロスで、汗が引かない逆転現象も起こらないだろう。いや、そこはもっと腕を鍛えた方が良いのだろうか。
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●局所的に風を送れる 脇の下から風が通せるのは気持ち良い
特に驚いたのは、小さな隙間から風を送り込める点だ。
あまり上品ではないが、扇子・団扇ユーザーなら「Tシャツの裾をガバッと持ち上げてそこから風を送る」行為に覚えがあるのではないか。かつて部活帰りの学生だった大人たちなら、なおのことだろう。しかし、ハンディファンで同じことをしても、実はそこまで涼しさを感じない。このことから、扇子は広範囲に風を起こす点で秀でていると言えよう。風の動きのせいか、裾もうまく舞い上がって、シャツの下全体に風が行き渡る感覚さえある。
ただし、ハンディファンは、局所的に送風するのが得意だ。首元に当てるのを推奨するメーカーもあるが、個人的に脇の下あたりから風を通してやると一番涼しい。最近はオーバーサイズな服もすっかり定番化し、袖も広いので、背中まで風が通る爽快感を得られる。
首元にあてる、といえば、ハンディファンにはひんやりとする「冷却プレート」を備えたものも登場している。ペルチェ素子によりプレート部分の温度を下げるので、ひんやりとした感覚を得られる優れものだ。
●ハンディファンを使い倒した結果 扇子にも良い面はあると再認識
さて、電池が必要ない。それはその通りなのだが、逆に扇子が秀でているのはどこだろう。
ほぼ無音 場所さえあれば気兼ねなく使える
実は、音がしないのは意外と良い点だと思っている。暑がりな筆者のハンディファンはすでにフル稼働。少し強めの風量で使っている。移動時には、ノイズキャンセリングイヤホンをしているから自分はあまり聞こえないが、周りのことを考えると少し使用をためらうこともある。
一方で、扇子はそもそも強さを変えても音がしないので、周囲の人を邪魔することはない。扇ぐ空間さえあれば、気兼ねなく使えるのだ。
バッテリーが必要ない 事故も起こらない
電池やバッテリーが必要ない、というのはまあ当然なのだが、事故が起こらないのは安全だ。
最近はバッテリーの発火事故なども目立つ。ハンディファンもリチウムイオンバッテリー式のものが多く、こうしたものと無縁ではない。
対策としては、落下防止のためのストラップを付けておき、衝撃を与えないようにするとか、しっかりしたメーカーのものを購入するとか、気を使わなければいけない項目が実は多い。
最近では、発火しにくい半固体リチウムイオンバッテリーを搭載したモデルや、バッテリーだけを取り外せるものも出ているから、そうしたものを探してみるのも手だ。
バッテリーがないから劣化しない サステナブルに長期間使える
そして、ハンディファンのバッテリーは劣化する。
確かに扇子は、修理サービスなどを展開しているお店もあるぐらいで、良いものであれば、末永く愛用することができる。この点はサステナブルと言えよう。買い替えるのが煩わしいと思う人にも、扇子の方に軍配が上がるかもしれない。
●灼熱の時代を生きる一つのツールとして 試してわかる良さと欠点
初めてハンディファンを日常使いしてみると、扇がなくても風が感じられるというのが思った以上に便利なことが分かってきた。しかし、最近は動作音を考えると扇子でも良いんじゃないかと考えを改め始めていたので、今回両者の特徴を改めて整理してみた。
その良さや欠点は使ってみて初めて分かる。ハンディファンを試したことがない人は、このとんでもない灼熱時代を生きるためのツールの一つとして、まず検討してみても良いのではないだろうか。どれを選ぶかは、それぞれのセンス次第だ。
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