冷蔵庫や洗濯機など、毎日のように使う家電が突然動かなくなったとき、「修理するべきか、それとも買い替えるべきか」と悩む人は多いだろう。特に、想定より高額の修理費が提示された時などは、修理をためらうかもしれない。
そこで本記事では、家電ごとの寿命や部品の保有期間、最新モデルとの性能差などを踏まえ、判断のポイントを紹介していく。

●家電の平均使用年数は10年前後
 内閣府が公表している消費動向調査(2026年3月実施分)によると、2人以上の世帯における家電の平均使用年数は下記のとおりだった。
・冷蔵庫:13.1年
・洗濯機:10.1年
・テレビ:10.8年
・ルームエアコン:13.4年
 いずれの家電も買い替え理由として最も多いのは「故障」で、6割から8割弱を占めている。
 メーカーが定める「標準使用期間」は機種によって異なるが、おおむね6~10年程度に設定されていることが多い。消費動向調査は毎年発表されるため、調査年によって多少数字は変動するが、同調査による平均使用年数はおおむね10年を超えており、標準使用期間を超えた家電を使い続けている家庭は少なくないとみられる。
●修理費用の目安と保証の仕組み
 修理にかかる費用は故障の内容によって大きく変わる。フィルター清掃や軽微な部品交換であれば数千円程度で済むこともあるが、基板交換やモーター交換など主要部品に関わる修理は数万円規模になることも多く、購入時の価格に迫る金額になるケースも少なくない。
 メーカー保証は一般的に1年程度のため、保証期間を過ぎると修理費用は全額自己負担になる。家電量販店が提供する延長保証に加入していれば、メーカー保証終了後も同等の保証を受けられる場合があるため、購入時に確認しておきたい。
 修理を依頼する際は、メーカーの窓口だけでなく、購入店の修理受付や延長保証の対象範囲もあわせて確認すると、想定外の出費を避けやすくなるだろう。
●製造終了後の部品保有期間が修理可否の分かれ目
 家電が故障したとき、修理を依頼しても部品がなく修理できないケースがある。これは、メーカーが修理用部品を保有する期間が定められているためだ。

 家電製品は「補修用性能部品の保有期間」が設けられており、各メーカーは機種ごとに、製造終了後も一定期間、修理用部品を保有している。全国家庭電気製品公正取引協議会によると、保有期間の目安は品目によって異なり、この期間を過ぎると部品を確保できず、修理を受けられない場合がある。具体的には、冷蔵庫は9年、洗濯機は6年、エアコンは9年、テレビは8年だ。
 家電が故障した際は、まず保証書や本体の表示で製造年を確認し、品目ごとに変わる補修用性能部品の保有期間内かどうかを把握した上で、修理が可能か問い合わせてみよう。メーカーの公式サイトで型番から保有期間を調べられる場合もあるため、依頼前に確認しておくと無駄な手間を省ける。
●判断のポイントは費用対効果
 経過年数や部品の保有期間に加えて、もうひとつ見極めたいのは「費用対効果」だ。修理費用が新品購入価格の半分を超えるようであれば、修理せずに買い替えたほうが長期的にみると負担が抑えられる可能性は高いといえる。
 これに加えて、最新モデルとの性能差も考慮材料になる。特に冷蔵庫やエアコンは、旧モデルと比べて省エネ性能が向上している場合が多く、電気代の差が積み重なることで、買い替えたほうが結果的に家計の負担が軽くなるケースも多いだろう。
●慌てずに、まずは情報を集めよう
 家電が壊れたとき、つい焦って結論を急いでしまいがちだが、修理費用の見積もりを取り、部品の入手可否を確認した上で判断することが後悔のない選択につながる。購入時の保証内容や延長保証の有無もあわせて確認しておけば、いざというときに落ち着いて対応できるだろう。
 次に家電を選ぶ際は、価格や機能だけでなく、修理のしやすさや部品の保有期間も基準のひとつに加えてみてはどうだろうか。
長く付き合える家電を選ぶことが、結果的に無駄のない暮らしにつながるかもしれない。(蔵永ゆうこ)
出典:内閣府|消費動向調査(令和8年3月実施分)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun202603.pdf
出典:九州電気保安協会|「標準使用期間」って何?
https://kouhou-qdh2.jp/blog/385.html
出典:全国家庭電気製品公正取引協議会|別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間
https://www.eftc.or.jp/code/notation/notation_table3.html
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