6月2日、東京都北区王子の「王子交差点」で、電動キックボードと小型軽トラックの衝突事故が発生し、キックボードに乗っていた運転者が死亡した。
各紙報道を総合すると、事故の経緯はこうだ。
62歳の運転者が乗る電動キックボードと、会社員が運転する小型軽トラックは、JRの線路などをまたぐ都道455号の大型跨線橋「南大橋」方面から、東向きに同じ方向へ走行していた。交差点に差し掛かり、電動キックボードが直進しようとしたところへ、都道306号方面へ緩やかに右折しようとした小型軽トラックが衝突した。
同方向に走っていた両者がなぜ衝突に至ったのか、警視庁が捜査中だという。そもそも法律上、電動キックボード(特定小型原動機付自転車)は車道の左側走行が原則だ。小型軽トラックがその右側から右折していたのであれば、両者の進路は本来交差しないはずだが……SNSにも疑問の声があがった。
《王子三丁目交差点って直進レーンと右折レーンに分かれてるから、直進していた特定小型原付と右折しようとしてた車両がぶつかるってちょっと考えられない》
《右折しようとしてるのに直進してくるとか意味わからん》
北区区議会議員の加藤みき氏は、実際に車道で貨物車と同じルートを走行した動画を公開。現場は北区内でも事故が最も多い交差点だという。そして電動キックボードが走っていたのは自転車専用の横断帯であり、巻き込み事故だった可能性を示唆した。
そしてこの電動キックボード、かねて物議を醸してきたあのLUUPだったようだ。警視庁は「捜査中」を理由に事業者名に言及していなかったが、6月9日、LUUP社が公式サイトでリリースを出したことで確定した。
ついに死亡事故が起きてしまったLUUP。SNSでは「廃止論」も飛び交っている。
一方で、SNSにはこんな声もある。
《毎回思うがなんで交通手段が豊富で人がめちゃくちゃいる密集地にしか設置されてないんだよ 1時間にバスが2本しか来ないとかそう言う地域に設置しろよって毎回思うわ》
実際、バスの減便はもはや地方だけの話ではない。運転手不足を背景に、東京の多摩地区や横浜市内、相模原市内などでも路線の縮小・減便が進み、公共交通の空白地帯で「交通難民」が増えつつある。短距離移動を補うマイクロモビリティが本来力を発揮できるのは、むしろこうした地域のはずだ。
もちろん、利用者数が見込める23区に車両を集中させるのは、事業として合理的な判断ではあるのだろう。しかし「新しい公共交通インフラ」を掲げるのであれば、採算の取りやすい密集地で事故リスクを積み上げるのではなく、交通の足を失いつつある地域へサービスを届けることこそ、その看板にふさわしいのではないか。死亡事故という重い現実を前に、いま問われているのは廃止か存続かの二択ではなく、「どこを走るべきか」なのかもしれない。
文:BEST T!MES編集部
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