先月6日の手術からわずか1か月で復帰したスクバル(C)Getty Images

 メジャー屈指の怪腕が鮮烈な形で実戦復帰を果たした。

 現地時間6月7日、タイガースのタリク・スクバルは球団傘下A+での試合で先発登板。

故障離脱後では初の実戦マウンドとなったが、5回を投げ、被安打2、無失点、6三振。全54球のうち44球がストライクで、計16の空振りを奪うなど、圧巻の内容で終えた。

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 それにしても劇的な“カムバック”である。4月29日に負傷者リスト入りしたスクバルが、肘の遊離体除去手術を執行したのは先月6日のこと。通常であれば、復帰まで数か月以上を要する大けがだったが、スポーツ医学会の権威として知られるニール・エラトロッシュ医師が行った「ナノスコープ手術」によって復帰までの期間を短縮させた。

 まさに最先端医療の賜物だ。ナノスコープ手術は、従来の内視鏡手術よりも小型で、切開が最小限に抑えられる。そのため、術後の腫れや可動域の回復に要する時間が短縮され、身体の負担も少ない。実際、地元紙『Detroit Free Press』などの取材に応じたスクバルも「投球が格段にスムーズになり、より自由に投げられる感覚があった」と証言。術後わずか3日で軽い投球練習を開始したという。

 いまだ完全復帰の過程にあるとはいえ、最先端技術によって、短期間で本格的な投球に至った。実際にメスを入れる決断を下した最強左腕は、「ナノスコープを提案された時、最初に言われたのは『回復が早くなる』ということだけだった」と証言。

さらに「遊離体の位置が関節の中じゃなくて、かなり表面的だった」とした上で、術後の感覚について明かしている。

「手術をして以来、肘には何の症状も出ていないんだ。今、一番辛いのは、調子がすごく良くて、この勢いをもっと解放したい気持ちもあるんだけど、『少し抑えるように』と言われていることだ。それぐらいに状態はいいよ」

 復帰登板で記録した最速は99マイル(約159.3キロ)。まさに故障前と遜色ない状態となっている。そんな大エースは今オフにFAとなるため、トッププロスペクト獲得を狙うタイガースが8月3日のトレード・デッドラインまでに放出に踏み切る可能性が注目されている。

 スクバルの今後について、球界の裏事情に精通する米紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール記者は、「まずは健康状態が良好である球界内で証明しなければならない」と指摘。その上で「ライバル球団の幹部たちは、少なくとも3登板は見たいと考えている。だから彼らに万全の状態であると見せつける必要がある」と伝えた。

 超が付くほどの早期回復によって、実践投球を開始したスクバル。このまま本格復帰を果たし、活躍を続ければ、彼の行った「ナノスコープ手術」は、トミー・ジョン手術と並ぶものとして球界内のトレンドとなるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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