音楽×ダンス×映像の新感覚エンタテインメント・パフォーマンスショー『THE ALUCARD SHOW』が、12年の沈黙を破り“アルカドニア”(劇中アーティスト・アルカードのファンの名称)の前に再び姿を現す。2013年の初演、2014年の再演に出演した松下優也と平間壮一が、再び『THE ALUCARD SHOW』のステージへ。

10月の上演へ向け、期待に満ちた胸のうちを語ってもらった。

【写真】“アルカードの本田圭佑&長友佑都”!? 松下優也&平間壮一、インタビュー撮りおろしショット

◆同世代の多かった2013年の初演は“青春”っていう感じ

――2013年の初演や、翌年の再演を振り返ってみて、どんなことが印象に残っていますか?

松下:当時は僕も20代前半で、壮ちゃん(平間)をはじめ同世代が多くて、青春っていう感じでしたね。稽古が終わったら、みんなでゲーセンに行ったり公園で遊んだり。

平間:懐かしい~! 海にも行ったよね。今振り返ってみると、もともとダンスが好きだった僕としては、自分らしいダンスができる。優也でいえば、自分らしい歌が歌える。そういう作品だったので、僕にとってはこの作品があったから今も舞台をやれているのかなって。だって、この作品以外で、ああいうダンスやったことないもん(笑)。

松下:演劇とライブが融合したショーという構成も珍しい中で、僕らアルカードのダンスも一般的なミュージカルではあまり取り入れないストリートやヒップホップの要素が強くて。当時もそういう作品って他に見なかったけれど、あれから12年経った今でも『THE ALUCARD SHOW』みたいな作品って未だにないと僕は思うんですよね。だからこそ、今やっても面白いと思うし、やる意味があるのかなって感じています。

――構成も新鮮、さらにアルカードメンバーはブラド以外ほとんどセリフがなく、ダンスでの表現でした。
当時はどんな思いで作品に向き合っていたのでしょうか。


平間:当時は舞台経験もそこまでなかったから、正直、俳優として立っている自覚があんまりなくて、ダンサーとして立っていた気がします。だから、ほぼセリフがないですけど(笑)、ありのまま受け止めていたかな。

松下:当時は初舞台を経験した数年後で、アーティスト活動の比率のほうが高くて。役者をやる時間の方が僕の中ではアウェイだったから、アーティスト活動と似たところのあるこの作品はやりやすかったのを覚えていますね。一応舞台なんだけど、自分のフィールドという感覚がありました。でも、僕以外のキャストにとってはだいぶ特殊な現場だったと思うけどね。役者を集めているのに、ほぼ芝居してないから(笑)。

平間:そうだよね、変だよね(笑)。出ている僕自身が舞台と思ってなかったからなぁ。

松下:そういう意味では尖っている作品ですよね。

◆キャリアを重ねた今だからこそ生まれる変化に期待

――12年間、役者としてのキャリアを積んだ今、また作品の捉え方や見え方は変わってきそうですね。


松下:マジで変わると思います。ただ、どっちがいいのかは蓋を開けてみないとちょっと分からない。もちろん今の方が視野が広がって、できることも増えている。でも、あの頃の若さ故の怖いもの知らずで勢いがある感じは、あの当時にしか出せない良さだったはずで。今回は、それを凌駕する何かを持ってこなきゃいけないなとは思いますね。

平間:そうだね。分からないながらもがむしゃらに、それまで培ってきた武器に誇りを持ってやっていたあの形が『THE ALUCARD SHOW』には合っていたように思うので、お芝居をやるようになった今、どうなるんだろうって楽しみです。ただ、あの頃みたいに、ずっと踊っていたいってなるのは怖いですね(苦笑)。でも、ここまで踊りまくる作品に出るのはこれが最後くらいの気持ちで、この期間だけは踊り倒したい。これで人生終わってもいいって思えるくらい、この作品には賭けています。

――お二人の12年分の変化もそうですし、新キャストによる新生アルカードが誕生という点でも当時とは雰囲気が変わりそうですね。

松下:そうですね。
この12年間でダンス人口がすごく増えたし、それだけダンスがうまい人たちも増えている。今回も本当にダンスがうまい方々が呼ばれているから、ダンスそのもののクオリティがグッと上がると思います。もう、「ちょっとダンス得意です」くらいだと……。

平間:足りないかもね(笑)。

松下:そうそう。僕らも、もう若さはないけどキャリアを重ねて実力は持っていると思っているので、新生アルカードもすごく魅力的なグループになると思います。

――平間さんは新生メンバーと一緒の時間がほとんどですよね。

平間:そうなんですよ~! 優也より圧倒的に一緒に過ごすことになりますね。

松下:だから、壮ちゃんにまとめてもらおうかなと。壮ちゃんには“アルカードの長友(佑都)“になってもらって(笑)。

平間:アハハハ! 長友になれるよう頑張ります(笑)。困ったら優也に話しに行くね。


――今回はせっかくの対談なので、お互いに好きなところ・尊敬するところを教えてください。

松下:壮ちゃんは自分が明確に好きなものがあって、それとは別でお芝居のキャリアをこれだけ重ねてきてるっていう部分は本当にすごいと思うし、めちゃくちゃ尊敬してる。今作に関していえば、お芝居の面での奥行きや重さは、確実に壮ちゃんに担ってもらわなきゃいけないと思うから、そこはもう安心しています。

平間:僕はもうずっと、初共演のときから尊敬しています。優也も自分を持っているところがかっこいい。年齢的には優也が年下なんだけど、ずっと年上のように思っています。本当に心の底から付いていきたいって思った人は優也が初めてかもしれないです。

松下:じゃあ、僕が“アルカードの本田圭佑”だ(笑)。

平間:いいね、長友と本田でいこうか(笑)。あと、優也って当時は感覚派だったんですよ。でも最近の優也と話していると、理論派な視点が加わっていて、今の優也は最強だと思います!

――最後に、本作の魅力とあわせて、公演を楽しみにしているファン、“アルカドニア”へのメッセージをお願いします。

平間:普段舞台を見慣れている人からしたら、珍しい感じの作品だと思います。
カーテンコールもなくて、びっくりするかもしれません。媚びをうらないというか、いい意味で突き放して終わる感じが僕たちも大好きですし、お届けするものだけで皆さんを楽しませる自信があります。新生アルカードを僕自身も楽しみにしていますので、ぜひ観にきてください。

松下:初めて作品に触れる方にどう紹介すべきか難しい作品なんですが(苦笑)、演劇とショーが合体していて、そこにイマーシブシアターの体験的な要素も混ざっているというか。言葉にするのが難しいので、まずは一回体験しにきてもらいたいです。お客さんに急に振って何かやってもらう、みたいなことはないので、安心して観たことのない作品を劇場に味わいにきてください。

(取材・文・写真:双海しお)

 『THE ALUCARD SHOW』は、10月6日~22日東京・日本青年館ホール、10月29日~11月1日大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。

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