北朝鮮でペットを飼う住民が増えるのに伴い、専用フードや衣類などペット関連用品の消費も拡大していることが分かった。かつては「資本主義的」として批判されていたペット文化が、近年では新たな生活様式として広がる一方で、住民の間では貧富の格差をより強く実感させる象徴の一つにもなっているという。
デイリーNKの平安南道の消息筋によると、最近は平壌市や平城市など主要都市を中心に、さまざまな犬種の愛犬を飼う住民が目立って増えている。以前は防犯や食用を目的に犬を飼うケースがほとんどだったが、現在では家族の一員としてペットを飼う住民が増えているという。 また、中国から持ち込まれた専用フードやおやつ、首輪、衣類など愛犬向け用品の需要も増加しているとされる。2020年代初頭までは、犬に服を着せる行為は「ブルジョア的生活様式」あるいは「腐敗した資本主義文化」として批判されていたが、現在ではこうした批判は事実上ほとんど見られなくなったという。 この背景には、金正恩総書記と娘のジュエ氏がペットと一緒にいる姿が公開されたことが影響しているとの見方がある。最高指導者一家がペットを身近にする様子が公になったことで、ペット文化そのものを公然と批判しにくい雰囲気が生まれたという。 そして、最近では「いよいよ犬の服屋も本当にできそうだ」と語る住民もいるという。 消息筋は「多くの人は犬に服を着せるなど想像もできずに生きてきたが、それが現実になった」と述べた。その一方で、「人間には社会主義的な服装や髪形を守るよう厳しく統制するのに、ペット文化は問題視されない。そこに矛盾を感じる住民もいる」と話した。 さらに、生活苦にあえぐ住民が依然として少なくない中、富裕層が愛犬用の専用フードやおやつまで購入する姿は、相対的な剥奪感を強めているとの指摘もある。 消息筋は「犬専用の餌を買い、おやつまで与えていると聞くと、『犬の方が自分より良い暮らしをしている』という言葉が自然に出る」と語り、「食べていくのも苦しい人々にとって、そうした光景を素直に受け入れるのは難しい」と説明した。
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