ウクライナのゼレンスキー大統領は25日夜のビデオ演説で、ロシアが中東の米軍基地を衛星で偵察し、その情報に基づきイランが攻撃を行っていると主張。「悪は常に状況をさらに悪化させ、広げる方法を探している。
一方、ウクライナは軍需物資を輸送していたと見られるイランの船舶をカスピ海で攻撃したと発表。イランは船員1名が死亡したとして、報復に言及した。
欧州と中東の戦争がつながりを強めた形で、不気味というほかない展開だ。
イランはウクライナ戦争の開戦初期から、大量のドローンを提供するなどしてロシアを支援してきた。ウクライナ軍の攻撃を受けるのは時間の問題だったのかもしれない。
一方、ロシア軍が使用する弾薬の最大4割を供給し、2度目の派兵まで準備中と伝えられる北朝鮮が「例外」でいられると考える根拠は見当たらない。ここに挙げた国々の中で唯一、戦火に包まれていない北朝鮮だが、ロシアのもたらす「状況の悪化」により、これまでは想定できなかった事態に直面する可能性もある。
前回、ロシア西部のクルスク州に北朝鮮が派兵した際には、ある種の目標を定めていた可能性が高い。両国は戦略的パートナシップ条約を締結しており、そこには「一方が武力侵略に直面した場合、あらゆる軍事的支援を遅延なく提供する」との内容がある。これに基づき派兵された北朝鮮軍部隊は、クルスク州の一部を一時占領していたウクライナ軍を「追い出す」ことを任務にしていたのではないだろうか。
しかし、今回の派兵先とされるロシア西部ボロネジ州にはウクライナ軍がいない。
いずれにしても、ウクライナが全面的に屈服しなければ、「勝ち」という結果を作りにくい状況と言えるだろう。一方、ウクライナ軍は、北朝鮮軍部隊に甚大な損害を与え、継続的な派兵を抑止するという目標設定が可能だ。
北朝鮮はクルスクへの派兵ですでに7000人とも言われる死傷者を出しており、損失はすでに甚大だ。今回もまた、多大な犠牲が出るにせよ、金正恩総書記は懲りずに同じことを繰り返すかもしれない。
だが、どのような物事にも限界はある。犠牲者の単位が膨れ上がっていけば、国内に動揺が起きてもおかしくはなかろう。また、戦争への関与が大きくなれば、それだけウクライナ軍からの敵意も強まることになる。
金正恩氏は、東アジアで大人しくしていれば、しばらくは独裁体制を維持していけるだろう。しかし自ら戦争に足を突っ込んだことで、これまでとは次元の違うリスクを抱え込もうとしているのかもしれない。








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