黒髪ロングの清楚なビジュアルの内に、熱いオタク魂を秘めたコスプレイヤー・きちぴよ。薙刀部、経済学部、アニメ会社勤務という異色の経歴を持つ彼女は、かつて「目立ちたいのに目立てない」内気な少女だった。
趣味のコスプレが公式イベントの舞台へとつながるまでの逆転劇に迫る。(前後編の前編)

【写真】初音ミクのコスプレで人気!コスプレイヤー・きちぴよの撮り下ろしカット【12点】

――まずは簡単な自己紹介をお願いします。

きちぴよ 普段は趣味でコスプレをしていて、たまにお仕事でもさせていただきます。あとは……かわいい女の子が好きです。2次元でも3次元でも(笑)。

――ご出身は岩手県だそうですが、いつ上京されたんですか?

きちぴよ 高校を卒業してから、大学進学と一緒に上京してきました。

――コスプレでは公式イベントのお仕事が増えています。きっかけはなんだったのでしょう。

きちぴよ 2023年の夏コミで、『勝利の女神:NIKKE』というゲームのブースに立たせていただいたのが初めてです。X(旧Twitter)で「ブースのお手伝いしてくれる人を募集します」っていう公募があって。そのときフォロワーは3000人弱だったので、「絶対無理だわ、ガハハ」って思いながら応募したんですよ。そしたらまさか連絡が来て。


――『NIKKE』のブースは、コスプレイヤーがずらりと並び、来場者がリアル10連ガチャを体験できるという趣向でした。あちら側からの景色は。

きちぴよ すごかったですよ!一番意識するのはもちろん目の前のお客さんなんですけど、その後ろには自分の番を待ってる人がいるじゃないですか。その人たちが写真や動画を撮ってるので、目の前の一人だけじゃなくて「いっぱい撮られてるな」っていろんな方向を意識しました。

――初めての公式のお仕事で、そこまで視野を広く持てたのはすごいですね。

きちぴよ 今もそうなんですけど、「うおー、やってるぜ!」っていう前向きな気持ちが半分ありつつ、もう半分は共演者がいっぱいいるから、「誰も私のこと見てないな」って。そう思うと逆に自由にできるんです。何やっても許されるじゃないけど、堂々とできるみたいな。

――その「誰も見ていない」という感覚は、内気だった少女時代と関係していそうですね。幼少期はどんなお子さんでしたか?

きちぴよ 今と変わらないんですけど、周りを見て動くタイプでした。良くも悪くも。自己主張がそんなに得意じゃなかった。
でも「やりたいこと」は思うだけ思っていましたね。例えば小学校のとき、文化祭で劇をやったんですけど、主役は挙手制だったんです。「うわー、やりてー!」って思いつつも手を挙げることができず……。

――その「目立ちたい」という気持ちはいつから持っていたのでしょうか。

きちぴよ え、生まれたときからじゃないですかね(笑)。……承認欲求はちゃんとあるのかな。

――ちなみに幼少期の夢は何でしたか?

きちぴよ 当時はお絵描きするのがすごく好きだったので、絵を仕事にしたいなと思っていました。だから、芸術科のある高校に行きたいって思ったんですけど、両親に「いや、高校までは普通科行ったほうがいいよ」って言われて。親が厳しくないからこそ「いい子にしなきゃ」みたいな気持ちもあって、普通科に進みました。

――でも、その普通科の高校生活で人生が変わったと。

きちぴよ コスプレを始めたのが大きいかなって思います。中学のときよりオタクになっちゃったんですけど、高校は自由な人が多くて、同じテンションで話せる人もいたし、オタクじゃない子も仲良くしてくれて。


――部活動はされていたんでしょうか。

きちぴよ 薙刀部でした。

――珍しいですね!なぜ、薙刀?

きちぴよ オタクだったので。「女の子がでかい武器を持ってるのってすごいロマン」なんですよ。弓道部は割とありふれてるけど、薙刀部があるってレアじゃないですか。それで決めました。

――もしかして、薙刀部があるからその高校を選んだ、とか。

きちぴよ 8割その理由です(笑)。あとは学力的にも行けるな、と。部活では全国大会も経験したんですけど、県内に薙刀部がある学校が片手で収まるくらい少ないので、そんなにすごくはないんですよ。

――そして、薙刀と並行して始めたのがコスプレですね。そのきっかけを教えてください。


きちぴよ 最初はニコニコ動画の「コスプレで踊ってみた」を観ていて、そのときコスプレにも興味があったし、ダンスも好きだったので、「そんなの両方足したらおもしろいじゃん」って。

――高校でコスプレに目覚め、大学進学を機に上京。活動の頻度は変わりましたか。

きちぴよ 増えましたね。バイトができるようになったし、大学って高校よりちょっと時間があったので。いっぱいやってました。

――フォロワーが伸びてきたな、と実感したのはいつ頃?

きちぴよ バズったわけじゃなく、じわじわって感じなんですけど、反応が増えたなと感じたのは『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のコスプレを始めてから。原作ゲームのファンの方も見てくれるようになったのがきっかけでした。

――初コスプレもブレイクのきっかけも、初音ミク関連。

きちぴよ そうですね。ずっと好きなんです。

――大学卒業後は、一度就職されたんですよね。


きちぴよ 偉いので、ちゃんと新卒で入社しました(笑)。オタクなのでアニメ制作会社です。

――そして今はフリーランス。そこから公式のお仕事につながっていくわけですね。

きちぴよ 公式のお仕事をいただくのは認められてる感がありますよね。タイミングとか運とかもあるんですけど、公式コスプレイヤーは誰でもできないから、やりたいんです。

【PROFILE】
きちぴよ
岩手県出身のコスプレイヤー。趣味で始めたコスプレを軸に、近年は『勝利の女神:NIKKE』など公式イベントにも出演。高校時代は薙刀で全国大会を経験し、大学では経済学部に在籍。卒業後はアニメ制作会社の営業部を経てフリーランスに。『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のコスプレをきっかけにファンを増やし、黒髪ロングの清楚なビジュアルと深いオタク知識で支持を集める。今後は配信活動にも挑戦予定。


【後編】注目コスプレイヤー・きちぴよ「ガチャは天井まで回す」黒髪ロングに秘めたディープなオタク魂
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