収穫を目前にした約5000個の梨を盗まれた農家のため、モデルでタレントのダレノガレ明美が動いた。ホームページで支援金を募ると、受け付け開始から1日もたたずに目標金額を達成。
当初は8月31日までを予定していたが、予想を大きく上回る反響を受け、早期終了となった。

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今回の支援活動については、称賛だけでなく「売名行為ではないか」「偽善だ」といった批判もあった。ダレノガレは過去にも被災地支援などで、たびたび同様の言葉を浴びてきた。それでも彼女は、自身の知名度や発信力を人助けに使い続けている。なぜ批判を恐れず、すぐに行動へ移せるのだろうか。

発端は、福岡県うきは市の梨農園で、収穫間際の「幸水」約5000個が盗まれた事件だった。農園の男性が涙ながらに悔しさを訴える報道番組の映像を目にしたダレノガレは、7月22日にXで「本当に許せない。どうにか助けたい」と投稿。「私がクラファンしたら、みなさん参加してくださいますか?」と協力を呼びかけた。

彼女を突き動かしたのは、単なる義憤ではなかった。農家だったダレノガレの祖父にも、丹精込めて育てた作物を盗まれた過去があったという。今回被害を受けた農家が当時の祖父の姿と重なり、「胸がとても痛くなりました」と明かしている。


当初はクラウドファンディングを検討したが、返礼品の準備や発送が農家の負担になる。また、新たなサイトの開設にも時間がかかるため、自身が手がけるコスメブランドのホームページ内に募金用の窓口を設ける形にした。農家側の負担を避け、できるだけ早く支援を始めるための判断だった。集まった支援金は梨農家に加え、収穫直前のワサビ約5000本を盗まれた静岡県の農家にも寄付すると発表している。

ネット上では「売名行為」を疑う声もあったが、ダレノガレは目標達成後に「今回の件に関する取材のご依頼につきましては、すべてお断りさせていただきます」と宣言。「私が前に出すぎることで、農園の皆さまにご迷惑をおかけすることがないよう、今後もSNSでのご報告のみとさせていただきます」とし、あくまで被害者優先の姿勢を貫いた。

ダレノガレの社会貢献は今回に始まったことではない。2016年の熊本地震では現地で炊き出しを手伝い、避難生活を送るペット用の物資も届けた。当時も「売名行為だ」との批判があったが、ダレノガレは「それもしょうがない」「(聞き)流します」「やりたいからやる。やらなきゃいけないことをやる」などと語り、支援活動を続けた。

2024年の能登半島地震でも石川県珠洲市を訪れ、約400人分の炊き出しや支援物資の配布を実施した。出発前には「素人が行っても迷惑」といった声も届いたが、温かい食事を口にした被災者の笑顔を見て「行く前にたたかれたけど、行ってよかった」と振り返った。
現地で目にした「結果」が本人にとっての答えになったのだろう。

さらに、彼女は保護犬・保護猫の活動やヘアドネーションにも取り組んできた。ヘアドネーションは幼少期に病気で医療用ウィッグを使った経験から関心を持ち、自身の投稿などを通じて活動を広めた。ダレノガレは「自分のしたことが少しでも何かの役に立てば、ハッピーな気持ちになれる」と、動機を語っている。

芸能人の慈善活動を巡っては、「公表する必要があるのか」「黙ってやるべきでは」との意見も散見される。しかし、発信しなければ支援先の窮状も、支援の方法も広く認識されない。今回、早期の目標額達成でスピーディーに支援が実現するという事実は、影響力のある有名人が声を上げる意味を端的に示している。

国内外で福祉活動を続ける俳優の杉良太郎は、東日本大震災の復興支援の現場でテレビリポーターから「売名ですか」と尋ねられ、「当たり前じゃないか、売名だよ。あなたも(売名を)しなさいよ」と返したことで知られる。やはり強い信念があるからこそ、周囲の雑音に負けずに活動を続けられるのだろう。

今回の一件で確かなのは、ダレノガレの呼びかけによって農家の窮状が広く知られ、実際の支援につながったことだ。著名人の影響力は、ときに反発も招く。
それでも、支援を必要とする人のために使われたとき、大きな力になるのは間違いないだろう。

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