少子化が進む今、「大企業社員や公務員など安定した収入がある人しか子どもを産めない」といった声をSNSでよく見かける。女性が働きやすい環境整備が進む一方で、「男性が家族を養い、女性が育児・家事に専念できる環境こそ求られているのではないか」という意見にも共感が集まっている。
そんな中、芸能界では人気芸能人が20代・30代で結婚し、複数の子どもを産む例が目立つ。今回は芸能界に目を向け、産み控えと女性のキャリアについて考えてみたい。

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こども家庭庁の「令和8年版こども白書」によると、2025年の出生数は67万1236人で、統計が始まった1899年以来、過去最少となった。また、合計特殊出生率も、2025年には1.14人と過去最低を記録した。

しかし、芸能界に目を向けると、若くして結婚・出産する女性の姿が目立つ。芸能人にとって20代は人気絶頂期を迎えたり、主演に抜擢されたりする貴重な時期であるにもかかわらず、結婚し、子どもを育てる選択をする人が少なくない。

例えば、EXILEのTAKAHIROと結婚した武井咲は、32歳(2026年8月時点)にして3児の母である。2017年放送の『黒革の手帖』(テレビ朝日系)ではヒロイン・原口元子を好演し、艶やかな着物姿でお茶の間を魅了するとともに、元子の内面に潜む陰の部分を繊細に表現した。しかし、2018年に第1子を出産して以降は芸能活動をセーブし、子どもとの時間を大切にしているようだ。

また、堀北真希山本耕史と結婚し、家事・育児に専念するため、2017年に芸能界を引退した。このとき彼女は28歳であった。2014年放送の『ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル~』(日本テレビ系)や、2015年放送の『まっしろ』(TBS系)など、主演作が続々放送される中での引退であった。


そして、2026年の芸能界にも、20代で結婚し母となった女性、20代・30代で複数の子どもを育てている女性が多い。例えば、乃木坂46の元メンバーでタレントの衛藤美彩が33歳にして第3子を出産したことが先日発表された。また5月には、藤田ニコルが第1子出産を発表したが、このとき彼女は28歳だった。

芸能界は時代の最先端を行く華やかな世界でありながら、昭和の女性を彷彿とさせるような、結婚や出産を機に仕事との距離をとる選択をする姿も見られる。それが可能なのは、若くして本人に資産があったり、パートナーに十分な収入があったりして経済的な不安がなく、複数の子どもと暮らせる住まいも用意できるからだろう。

今月13日、山本舞香が今秋放送予定の『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)続編への出演辞退を発表した。

山本は8月7日に第1子出産を発表したが、本作の辞退について「子どもとの時間を大切にしたい」とコメント。撮影が産褥期にかかることもあり、このコメントに対しては「日々成長するお子さまを見てあげてください 」「母としての選択は尊重します」といった肯定的な声が圧倒的だ。

共働きが当たり前となった今、育児に専念する女性への風当たりが厳しいと感じることもある。しかし、子育てを優先する選択をあたたかく受け止める人が多いと、今回の件で気づかされた。

本作における芳森芙美子は山本の"ハマり役"と評されており、「芙美子役が他の女優さんに代わるのは抵抗がある」との意見も一部にはある。だが、その人にしかできないと思われる仕事であっても、不在となれば意外となんとでもなるものだ。
一方、母親業はそうはいかないことも多い。

この一件で、子どもとの時間を優先する母親に寄り添ってくれる人の多さが分かったことは、出産を控える女性や幼い子どもを持つ女性にとっても安心材料になるのではないか。

◆子育てを経て、再び輝くキャリア

一般社会の中にも、子育てが一段落し、再び社会でバリバリ活躍する女性がいるように、芸能界にも、子どもに手がかからなくなってから復帰を果たした女性がいる。

例えば、鈴木保奈美は1998年にとんねるず石橋貴明との再婚と妊娠を発表し、そして芸能界引退を発表した。2011年放送の大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』(NHK総合ほか)で女優業へ復帰し、現在もドラマなどで精力的に活動している。

また、現在放送中の『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)で夫・反町隆史と共演する松嶋菜々子も、子どもが幼い頃は仕事を控えていた。それでも現在、各局から視聴率を期待できる女優として頼りにされている。

一般社会と芸能界では事情が異なるものの、私たちは芸能人のこうした姿勢を見ると、「仕事と距離を置く勇気」をもらえるような気がする。復帰後の努力とこれまで培ってきたもの次第では、再び仕事に取り組む道が開け、自分の好きなことに打ち込める日が訪れることを示してくれているようだ。

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