TVerお気に入り登録数90万超えが4本と大いに盛り上がった夏ドラマ。そのうち2本でSixTONES松村北斗、Hey! Say! JUMP・山田涼介が主演を務めるなど、旧ジャニーズ事務所の流れを汲むSTARTO ENTERTAINMENT出身俳優の活躍が目立った。
さらに、近年では助演やゲストに回る同社出身俳優の存在感が増している。本稿では今夏、助演や脇役で鮮烈な爪痕を残したベテランから若手まで5人を選定し、その役割を紐解いていきたい(以下、ネタバレを含む)。

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今夏話題をさらったのは堺雅人主演の『VIVANT』第2シーズンだ。全話平均世帯視聴率でもTVer登録数でも1位を独走する今作で鍵を握るのが、5月に活動を終了した二宮和也だ。

前作から国際テロ組織テント創設者のノゴーン・ベキ(役所広司)の息子・ノコルとして暗躍し、主人公で別班の乃木憂助(堺)にとっては義弟にあたる。かつては別班と敵対していたが、今作では謎の組織に拉致された5人の別班員奪還のために動く乃木に全面協力している。

世界的ヒット映画や人気ドラマで主演を務めてきた二宮が、キーパーソンという立ち位置で助演に回っているのはかなり贅沢なキャスティングだ。彼がいることで「父と息子」、「兄と弟」と物語の情緒に奥行きが出ている。組織を束ねる人物として貫禄がありつつ、熱い兄弟愛の中でどこかでどんでん返しもあるかもしれないと余白を残す演技はさすがだ。

一方、TVer登録数148万を突破し勢いを見せた蒼井優主演『Tシャツが乾くまで』(TBS系)では、元V6・井ノ原快彦が後半にサプライズ登場した。STARTO関連会社社長の経歴もある井ノ原は、『特捜9』(テレビ朝日系)で長年主演を務めるなどしていたが、TBS連ドラ出演は約28年ぶりだ。

物語中盤まで、主人公・瀬尾咲子(蒼井)は、夫・充(松山ケンイチ)が別の女性と親しくなり、失踪してしまうかわいそうな妻だった。
だが、井ノ原演じる咲子の「最初の」夫・橋爪篤彦が現れることで、彼女には4度の離婚歴があり、充とは5回目の結婚であることが発覚した。

登場人物も視聴者も騙されたと感じるほど、咲子への見方が覆される事実だが、井ノ原が篤彦をとにかく軽妙に懐深く演じたことで、彼女への不信感が和らいだ。ラフな格好に無精髭の篤彦からは大人の余裕が感じられ、井ノ原の人徳が滲み出たような好演だった。

二宮、井ノ原の両ベテランは、出演時間以上に作品への影響が大きく、STARTO社の助演・脇役のあり方として理想形とも言える。

同社の中堅どころの注目株は、比嘉愛未主演『ファーストクライ 母子救命救急班』(日本テレビ系)で助演に回ったtimelesz・松島聡だ。冬期には『冬のなんかさ、春のなんかね』(日テレ系)にゲスト出演し、主演の杉咲花相手に女性にだらしないミュージシャンとして妙な色気を醸し出していた。

産婦人科医・光井明希(比嘉)に強引に誘われ、母子救命救急班に参加した松島演じる「巻き込まれ体質」の専攻医・永坂海斗。突っ走る光井への視聴者の不安や戸惑いを代弁する誠実な永坂は、物語に無くてはならない存在だ。

また、どこか頼りなくも、徐々にたくましくなっていく永坂の姿は松島自身とも重なる。体調不良での活動休止を経て、グループのリーダー格・菊池風磨に引っ張られる形で新メンバーオーディションを完遂し、今は自信にみなぎっている。本人が持っている人柄が、そのまま役の説得力に繋がっていた。

STARTO社の若手実力派として一層飛躍しそうなのが、連続テレビ小説『風、薫る』(NHK総合)で、ヒロイン・一ノ瀬りん(見上愛)の恋の相手候補・島田健次郎を演じたAぇ! group・佐野晶哉だ。


劇団四季出身の彼が、グループ結成から一番の大抜擢となった今作のシマケン役。だが、小説家への夢もりんとの恋愛もハッキリしない展開が続き、難易度は極めて高かったはず。

それでも、佐野の魂を込めた声色と柔らかい表情は、シマケンの強さと弱さ、葛藤と優しさをしっかりと伝えていた。彼がいることで、りんの人生が一筋縄ではいかないことも映し出されてる。和装が似合うビジュアルから、今後も朝ドラ大河ドラマへの出演が増えるのではないだろうか。

同社のフレッシュ枠としては、同じACEesの深田竜生主演『夏色の雲が恋と嵐をまきおこす』(テレ朝系)で、BLの相手役となった浮所飛貴が挙げられる。デビューを目指すジュニアだが、グループ屈指のメディア露出と知名度を誇る浮所。端正な顔立ちと爽やかさ、弱点を持つ可愛らしさで、主人公が初めて同性を意識してしまう相手として説得力を持たせた。今後俳優としての躍進が期待される。

STARTO出身タレントは、華やかなスターでありながら、作中では主演を引き立て、確実に物語を揺らす役者として機能している。かつては主演が中心だった彼らだが、むしろ助演や脇役で登場することで、彼らの個性がのびのび発揮されることも多い。今後も同社出身俳優の役柄の多様化が進みそうだ。


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