●“今の自分らしさ”を閉じ込めた写真集
「初めの頃は、忙しさに押しつぶされそうになったり、余裕が持てなかったりして、焦りを感じることのほうが多かったんです。でも今は、“何とかなるでしょ”と思えるようになりました(笑)。
少し心を軽やかにできるようになった気がします」

笑顔でそう語るのは、俳優・中村ゆりかだ。中学1年生の時にスカウトされたことをきっかけに芸能界入りした彼女は、今年でデビュー15周年を迎え、5月20日には15周年を記念した『中村ゆりか写真集 Yu LU ri NA』(宝島社)を発売した。現在フリーとして活動する中村に、写真集に込めた思い、15年を経ての成長と変化、アーティスト活動が俳優業にもたらした変化、そして今後の展望について語ってもらった。

○年齢を重ねるにつれて、どんどん自然体に

――写真集の発売、そしてデビュー15周年おめでとうございます。写真集のコンセプトや、こだわったポイントについて聞かせてください。

今回は、あまり作り込みすぎず、自分らしさを閉じ込めた一冊にしたいと、あらかじめ相談していました。表情もそうですが、年齢を重ねるにつれて、どんどん自然体になっていった感覚があって。そうした今の自分らしさを、みんなが納得できる形で表現できたらいいなと思っていました。衣装やメイクの雰囲気も、スタッフの皆さんと楽しく話し合いながら決めていきました。

――八ヶ岳で行った撮影の思い出や、印象に残っていることを教えてください。

ブドウ畑で撮影した写真があるのですが、開放的で自然体な雰囲気が収められていて、とても素敵な写真になったのではないかなと思います。

――みずみずしさを感じるショットがたくさんありました。
素肌の見せ方のポイントは?

例えば白シルク生地のワンピースで素肌を見せているシーンでは、オールバックにして艶感を重視しました。ラメのようなものが入ったクリームを塗って、光で反射させることで肌がきれいに見えるようにしています。

○忙しさに押しつぶされそうだったデビュー当初

――デビュー15周年を迎えたことについて、今どんな思いがありますか?

音楽活動を始めたことをきっかけに、3年ほど前からバースデーイベントを始めて、そこから何度かイベントを行い、ファンミーティングやツアーなどで応援してくださる方に直接お会いする機会をいただくようになりました。

その中で、「もっと皆さんにお会いできる機会を作りたい」と思うようになったんです。音楽活動でも、皆さんに届けられる場をたくさん作っていきたいと感じるようになりました。

――ファンの方とのやり取りを大切にされてきたということで、直接的でも間接的でも、ファンの方からもらった言葉で印象に残っているものはありますか?

長く応援してくださっている方から、「こういうところが成長したね」と言っていただいたり、「お芝居でもいろいろな表現が見られて楽しませてもらっているよ」と声をかけていただいたりすることがあります。自分の変化を、私以上に自分のことのように感じてくださるのが、すごく居心地がよくて。ファミリーのような感覚があって、心が温まりました。

――変化というお話がありましたが、15年間を通じて内面的に特に成長したと感じることはありますか?

落ち着いて物事を考えられるようになったと思います(笑)。初めの頃は、忙しさに押しつぶされそうになったり、余裕が持てなかったりして、焦りを感じることのほうが多かったんです。でも今は、「何とかなるでしょ」と思えるようになりました(笑)

ちょっと心を軽やかにして、落ち着いて物事を考え、決断できるようになったと思います。周りの人に相談できるような信頼関係を築けるようにもなりましたし、そういう部分は成長したのかなと思います。


――そういった変化は、何かきっかけがあったというより、キャリアを重ねる中で少しずつ起こっていったのでしょうか?

少しずつだったのかもしれません。ただ、自分の中で「ここはもう心を開いてもいいんじゃないか」と思えるようになった部分もあったのかなと。そういう解放された感覚は、今回の写真集にも表れている気がします。表情にも、リラックスした雰囲気が出ているなと思います。

――デビュー当初から変わっていない面はありますか?

負けず嫌いなところと、心配性なところです(笑)。「大丈夫だったかな?」と後から振り返ることはあります。でも、周りの方に「大丈夫だったよ」と言っていただけると、素直に「あ、よかった」と思えるんです。早めに解決するというか、あまり長引かせないようにはしています。

●音楽活動は「憩いの場」 もう一つの居場所ができた
――15年の活動の中で、転機を挙げるとしたら何でしょう?

音楽を始めたことです。その環境が、私にとって憩いの場というか、癒やしの時間になりました。もう一つの世界、もう一つの居場所ができたことが、大きな転機だったと思います。

音楽を始めたことで、お芝居においても表現の幅が広がった感覚があります。
音楽の現場で得た感覚や、そこで拾い上げる言葉、出会いによって、表現の仕方も変化してきていると感じています。

――アーティスト業を俳優業にも還元できているんですね。歌手としての1st One Man TOURでは上海にも行かれました。俳優・アーティストとして海外への意識が高まったきっかけはあったのでしょうか?

海外からも応援してくださっているメッセージを日頃SNSなどで受け取らせていただいているんですけど、海外で待ってくださっているファンの方がいるということは、実際に行ってみて強く感じられた経験でした。待っていてくださること自体が本当にありがたいですし、「また会いに行きたい」という気持ちがあふれてきて、海外でも作品を残したり、メッセージを届けられるようになれたらいいなと思っています。
○「好きだから続けられている」大切にする仕事観

――今年開催するツアーへの意気込みを聞かせてください。

これまで応援してくださった方々の愛情を受け取ってきたからこそ、今年のワンマンツアーでは、来てくださる皆さんに宇宙いっぱいの愛を届けられるようにしたいです(笑)。「4U GALAXY」というツアー名にそんな思いを込めています。今まさに新曲も作っているところで、今年はまた新しい一面をお見せできたらと思っています。皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいです。

――俳優としては、どんな未来を思い描いていますか?

表現者の一人として、求められた役柄に真摯(しんし)に向き合っていきたいです。これまで「できない」と感じたことはあまりなくて、「私にしかできない」から求めてくださったんだと取り組んでいます。
だから、「中村ゆりかに合うぞ!」というキャラクターがあれば、ぜひ向き合わせていただきたいですし、意欲的に取り組んでいきたいです。

――最後に、お仕事に向き合う中で、大切にしていること、大切にしていきたいことは何ですか?

私は、好きかどうかを自分に聞くようにしています。好きだからこそ続けられているという感覚を、これからも大事にしていきたいと思っています。自分が居心地がいいと思えることや、作品を熱意をもって届けたいという思い、そういう熱いものは、きちんと大切にしまっておきたいです。アーティスト活動でも、俳優業でも。

●中村ゆりか2011年映画『5windows』主演デビュー。主な出演作に、NHK連続テレビ小説『まれ』、『賭ケグルイ』シリーズ、ドラマ『ギルティ』、『略奪奪婚』、『チェイサーゲームW』シリーズ、映画『知らないカノジョ』など。22年「浮ついたHeart」でアーティストデビュー。25年mini Album『Twinkle』をリリースし、自身初となる全国ツアーを成功させた。26年9月より全国ツアー「4U GALAXY」も決定。26年5月、シリーズ3作目となる映画『チェイサーゲームW 水魚の交わり』が全国公開。W主演とともに主題歌「Aishiteru」も務めている。
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