「最近、肩や首がこる」「腕が上がりにくくなった」――そんな変化を年齢のせいだと思っていませんか。実は、肩が前に出て姿勢が崩れることは、転倒や要介護につながる“老化の始まり”かもしれません。


今回は、『歩幅を見れば、寿命がわかる 「死ぬまで歩ける体」のつくり方』(安保雅博著/アスコム)から、姿勢の崩れが体に及ぼす影響と、そのサインについて紹介します。
○姿勢の崩れが寿命を縮める

なぜ老いは、「肩が前に倒れ、首~頭が前に出る」という形から始まるのでしょうか。

理由はとても単純で、「人の頭はとても重い」からです。頭の重さは、体重の約8%。体重60㎏の人なら、約5㎏に相当します。5㎏というと、よく売られているお米の袋と同じ重さです。

それだけ重たいものを支えているのですから、体にかかる負荷は相当に大きいということが想像できるのではないでしょうか。

頭の重さは年を取ってもほとんど変わりません。

しかし、重たい頭を支える背中の筋肉は、年齢と共にどんどん弱っていきます。その結果、背筋は頭を支えきれなくなり、首~頭が前に出てしまうのです。

さらに、背筋には背中をシャキッと伸ばし、よい姿勢を保つという役割もあります。背骨そのものに大きな問題がなければ、背中が丸くなる原因の多くは、筋力の低下です。


背筋が弱る→体をまっすぐ保てなくなる→腕の重みが前方にかかる→肩も前に倒れていく。

こうして、肩から始まった老いが、全身へ広がっていきます。

この状態を放っておくと、「肩が前に倒れた姿勢」「首~頭が前に出た姿勢」が体に記憶されてしまいます。その結果、肩・首・背中まわりの筋肉や腱けん、靭帯が硬くなり、関節の動く範囲(可動域)が狭まっていくのです。

肩の老化度チェック
・腕が上がりにくい
・肩や首、背中に張りや痛み、違和感がある
・後ろを振り向きにくい
・首を後ろに倒して天井(真上)を見上げられない

特別な病気などがない場合、このような症状は、肩から始まる姿勢の崩れによるものです。当てはまるものがあれば、すでに肩の老化が始まっているサインです。

そして、この状態こそが、転倒しやすい体への入り口なのです。

○『歩幅を見れば、寿命がわかる 「死ぬまで歩ける体」のつくり方』(安保雅博/アスコム)

「外出先などで、階段や段差を避けるようになった」「気がつくと、すり足やちょこちょこ歩きになっている」「何もないところでつまずきそうになり、ヒヤッとする」 それは、「歩く力」が低下してきたという、体からの重要なサインです。歩く力の衰えのサインとして、わかりやすいのが歩幅の変化です。歩幅が狭くなると、こんな「負の連鎖」が起こります。すり足や、ちょこちょこ歩きになる/つまずきやすくなる/転倒や骨折のリスクが高まる/外出が減る/筋力・体力がさらに低下し、気力も低下する――そして、その先にあるのは、「歩けなくなる未来」です。この変化は、ある日突然起こるのではありません。
気づかないうちに、少しずつ進んでいきます。だからこそ大事なのは、「自分の状態に早く気づくこと」と「正しく体を整えること」。本書では、15万人以上の患者を診療してきたリハビリの名医が、老化のメカニズムと、その予防・改善方法をわかりやすく解説します。
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