香取慎吾が主演を務め、赤楚衛二が共演するWOWOWの連続ドラマW 東野圭吾『虚ろな十字架』(全4話)が、9月6日22時から放送・配信スタート。今回、鈴木杏、蓮佛美沙子、宇崎竜童、ピエール瀧の出演が発表された。
東野圭吾氏が死刑制度や罪の償いという答えのない問いに挑んだ同名小説を、瀬々敬久監督が初めて映像化。鈴木は香取演じる“被害者遺族”の元妻、蓮佛は赤楚演じる“加害者家族”の妻、宇崎は失意の主人公に寄り添う伯父、ピエールは物語の始まりを告げる“疑惑の殺人犯”を演じる。
○鈴木杏「ただただ全身全霊で向き合いました」
原作は、2014年に刊行され、発行部数約76万部を記録している東野氏の社会派サスペンス。東野氏が『さまよう刃』で少年法の矛盾に切り込んでから10年を経て、死刑制度を題材に「最愛の家族を殺されたとき、犯人に何を望むのか」「人を殺した者は罪を償えるのか」を問いかけた作品だ。
WOWOWが東野作品をドラマ化するのは、2004年のドラマW『宿命』から数えて10作目。香取は、WOWOWの連続ドラマと東野作品の双方で初主演となり、11年前に起きた“ある事件”をきっかけに、孤独と虚しさを抱えて生きる中原道正を演じる。
鈴木が演じる浜岡小夜子は、中原の元妻。広告代理店で働いていた中原と仕事を通して出会い、仲の良い夫婦となったものの、11年前の衝撃的な事件を機に関係が一変し、離婚した。
それ以来、2人は一度も顔を合わせていなかったが、小夜子が路上で殺害されたことで、変わり果てた姿となって再会する。中原はその不審な死を調べる中で、離婚後の小夜子が、強いジャーナリズム精神を持つライターとして活動していたことを知り、驚くべき真実へ近づいていく。
鈴木が香取と共演するのは、子役時代以来約26年ぶり。撮影を「まだ自分の中で言語化が追いついていないほど、濃厚な撮影期間でした」と振り返り、小夜子が置かれた境遇について、「自分のつたない想像力をフル稼働していましたが、それでも本当に彼女に寄り添えていたのかは分かりません。
瀬々監督の大きな声による「オッケー!」や、香取とのアート談議、スタッフのまなざしに救われたとも明かし、「100人の方が見てくださったら、100通りの感じ方がある作品だと思います。善悪では語りきれない、『命』の物語。受け取っていただけたら」と呼びかけている。
○蓮佛美沙子、加害者家族として追い詰められる妻役
赤楚演じる仁科史也は、事件によって中原と対峙することになる“加害者家族”。その妻・仁科花恵を蓮佛が演じる。
花恵は、多忙な小児科医である史也を献身的に支え、幼い息子を育てる良き妻であり母。しかし、史也の実家からは“ある疑惑”をかけられている。さらに、疎遠だった実父が金目当てで小夜子を殺害したことで、幸せだった暮らしは一変。夫とともに加害者家族として追い詰められていく。
蓮佛は、「この社会には、どうあがいても晴れない思いを抱えて生きている人がいます。罪を罪と思わず、罰を罰と思わず、生きている人もいます」とコメント。
撮影を振り返ると、常に誰かの心の痛みに触れていたように感じるといい、「香取さん演じる中原さんに初めて対峙した時の、目の奥の深い悲しみが忘れられません」と回想。「エゴや思想が絡まり、悲劇が悲劇を呼ぶ“人間の不完全さ”を、味わってもらえればと思います」と語った。
○宇崎竜童、孤独な主人公を支える唯一の理解者に
中原の伯父・竹井を演じるのは、本作がWOWOW連続ドラマ初出演となる宇崎。11年前の事件から前を向けずにいる中原を気遣い、そのつらい経験が役に立つと考えて、自身が経営するペットの葬儀会社を引き継がせた人物だ。中原にとって、唯一の理解者ともいえる存在となる。
宇崎は、原作、監督、主演がそろった作品からの出演依頼を「二つ返事でお引き受けしました」と告白。中原を思う竹井の愛情を短い場面でどう表現するか考えながらも、役を作り込みすぎず、フラットな気持ちで現場に立つことを心がけたという。
香取とは、劇中で面と向かって言葉を交わす場面はなかったものの、「背中に感じる香取君のオーラが私をリラックスさせてくれました」と振り返る。待機中に香取と話せたことで、「中原と竹井の距離が近づき、役柄に反映されたのかも知れない」と手応えを明かした。
○ピエール瀧が演じる“不自然な点の多い殺人犯”
中原の元妻・小夜子を殺害する町村作造を演じるのは、ピエール。
町村は、花恵の実父。娘とは疎遠になっている一方、義理の息子である史也の援助に頼って生活している。ある日、金を奪う目的で偶然通りかかった小夜子を殺害するが、その犯行には不自然な点が多く残されていた。
11年前の事件以降、無為な日々を送っていた中原に、「死刑制度の是非」「本当の償いとは何か」という問いと向き合うきっかけを与える、物語の重要人物となる。
ピエールは、瀬々監督の作品に参加するのは今回が初めて。「倫理観と精神をえぐられ、さらに原色の深淵をむき出しにされるような重いテーマのドラマ」と表現しながら、重い題材の撮影を飄々と進める瀬々監督の胆力に感銘を受けたと語る。
香取との久々の再会についても、「共演も感慨深いものがあり、心に残る作品となりました」とコメントした。
○「人を殺した人間に、罪を償うことはできるのか?」
あわせて公開された特報映像は、中原が発する「人を殺した人間に、罪を償うことはできるのか?」という問いから始まる。“被害者遺族”と“加害者家族”、それぞれの立場に置かれた登場人物の感情が激しくぶつかり合う緊迫した内容となっている。
監督は、『ヘヴンズ ストーリー』『64-ロクヨン-』『とんび』『ラーゲリより愛をこめて』などを手がけてきた瀬々氏。脚本を杉原憲明氏が担当する。
死刑制度の是非という簡単には答えを出せないテーマを通し、罪と罰、遺族の感情、本当の償いを描いていく。
【編集部MEMO】
鈴木杏は、1987年4月27日生まれ、東京都出身。96年に俳優デビューし、子役時代からテレビドラマや映画で活躍してきた。主な出演作に、ドラマ『六番目の小夜子』『花燃ゆ』『大奥 医療編』『どうする家康』『空白を満たしなさい』『ホットスポット』、映画『花とアリス』『Returner』『軽蔑』『さよなら渓谷』『ゴーストブック おばけずかん』などがある。舞台でも『ムサシ』『イニシュマン島のビリー』『母と惑星について、および自転する女たちの記録』『殺意 ストリップショウ』『真夏の夜の夢』『骨と軽蔑』など。

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